ここ数年の米国株はハイテク等を中心とする成長株が市場を牽引していました。
一方で長期投資で期待されていた割安株は停滞・・
しかし、2021年になり状況が一変!
高配当株などの出遅れ銘柄に資金が流入して、NYダウは大きく上昇しています。
今回は人気の海外ETFの成績から直近の市場動向をチェックしていきます。
また、相場環境から投資戦略を考えていきます。
市場動向については興味深い状況になっていますので注目してください。
この記事の目次
2021年は成長株が急ブレーキ!割安株が大逆襲
先ずは相場状況を確認をする為に、海外ETFの2020年(1年間)と2021年の年初来リターンを確認してみましょう。
以下は、海外ETFの人気トップ10銘柄。
個人投資家が保有者数が多い銘柄です(保有口座数から選出)。
基準日:2021年4月2日
人気10銘柄を2020年のトータルリターンが高い順番で上から並べています。
年初来リターンを合わせて記載したので見比べてみてください。
順位 | ティッカー | ETF名 | 2020年 | 2021年 |
1位 | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 48.6% | 3.6% |
2位 | VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 21.0% | 7.9% |
3位 | VOO | バンガード・S&P500ETF | 18.3% | 7.5% |
4位 | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 16.6% | 6.7% |
5位 | VWO | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツ21.05.2 | 15.2% | 4.9% |
6位 | VIG | バンガード・米国増配株式ETF | 15.4% | 5.3% |
7位 | BND | バンガード・米国トータル債券市場ETF | 7.7% | ▲3.5% |
8位 | VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF 高配当 | 1.1% | 11.8% |
9位 | HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF 高配当 | -6.5% | 9.8% |
10位 | SPYD | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF 高配当 | -11.5% | 20.2% |
2020年と2021年(~3月5日)を比較すると大きく変化していますね。
昨年まで圧倒的な強かった成長株ETFのQQQは、2021年に入ってからの成績は最下位に転落しています(債券ETFを除く)
逆に昨年は低迷していた高配当株ETFは年初からのリターンは市場平均を大きく上回っています。
米国株に関してはハイテク銘柄の話題が多いのですが、海外ETFの保有口座ランキングをみると成長株はQQQだけです。
米国株市場のVOOや世界株のVTも好調ですから、2021年に入ってからは大部分の投資家が絶好調というのが事実になります。
さて、成長株を中心に投資をしている人はやや足踏み状態ですが、明るい兆しも出てきました。
その事について次の項目で説明します。
ハイテク株に復活の兆し!2週間の状況を確認
米国株の直近状況を確認するために、NYダウに連動するDIA・S&P500に連動するVOO・成長株が多いQQQの3銘柄を比較します。
これら3銘柄に対するハイテク(情報通信)銘柄の比率に関しては以下のようになります。
DIA < VOO < QQQ
NYダウ(DIA)がもっともハイテク割合いが少ないという事です。
年初来のリターンを見ると、この結果がハッキリと反映されています。
★2021年の年初来リターン 4月1日基準
投資対象 | ティッカー | ETF名 | 年初来 |
NYダウ | DIA | SPDR ダウ工業平均 ETF | 8.9% |
S&P500 | VOO | バンガード・S&P500ETF | 7.5% |
成長株 | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 3.6% |
ハイテク銘柄の少ないDIAが好成績ですね。
情報通信の割合だけで成績の説明ができてしまう状況です。
しかし、成長株の経営状態が不調というわけではありません。
むしろ好業績の企業の方が目立つというのが事実。
年初からの株価低迷の理由には、経済回復にともない多くの産業に資金が分散されてきたことがあります。
つまり、ハイテク株の長期低迷という事ではなく、一定の調整が終われば再びマーケットの主役になる可能性もあるという事。
そこで、直近の2021年3月後半(2週間)のリターン状況を確認してみましょう。
成長株には期待が持てる結果になっています。
★2021年の1ヶ月リターン:3月19~4月1日
投資対象 | ティッカー | ETF名 | 年初来 |
NYダウ | DIA | SPDR ダウ工業平均 ETF | 1.7% |
S&P500 | VOO | バンガード・S&P500ETF | 2.8% |
成長株 | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 3.8% |
3月中旬から4月1日までの成績だけを抜き取ると、成績が年初来とは正反対になりました。
このままハイテク株が上昇軌道になるかは分かりませんが、ある程度の下落すると買いが入る状況となっています。
また、GAFAMと呼ばれるビッグ5の1つアルファベット(GOOGL)を見ると年初来リターンは30%弱と絶好調!
ハイテク関連の全てが停滞しているわけではありません。
※2021年4月8日基準
4月の中旬から1-3月期の業績に関する決算発表がはじまります。
この内容によってはハイテク復活は充分にあると予想しています。
戦略としてはバリュー&グロース、もしくは王道のVOO!
この先の市場見通しを書ければ良いのですが、決算発表の状況しだいになります。
つまり、現段階では誰も今後を予想できる状態ではありません。
年初来のハイテク関連株は停滞ですが3月後半は復活の兆しが見えました。
逆の見方をすれば、バリュー株の勢いが弱まってきたとも言えます。
(配当株も上昇パワーに陰り?)
主役が小刻みに入れ代わっており、マーケットの方向感がハッキリしていません。
このような市場での戦略としては、どっちに振れてもいいようにバリュー株とグロース株の両方を持つのが有効。
あるいは、適度に両銘柄が分散されているS&P500(VOO)ですね。
面白くない手法ですが、こういった時は【相場の行方を予想しない】という事が大切なのです。
決めつけ投資は成功すればリターンは大きくなりますが、失敗した時のダメージが大きくなります。
現在は市場のマネーはジャブジャブで経済指標も良好です。
失敗さえしなければ、自然と成績がついてくるという投資環境だと思います。
高いリスクをとらくてもリターンが狙える状態ですから無理する必要はありませんね。
今回は『海外ETFのリターンから考える今後の戦略!ハイテク銘柄に復活の兆しあり』について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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