米国相場は100年以上も右肩上がりを継続しています。
強い市場なので平均指数(S&P500)に投資だけで充分なリターンが期待できます。
しかし、更に大きな利益が欲しくなるのが投資家の心理です。
その代表的な方法として、バリュー(割安株)・グロース(成長株)をねらった戦略があります。
この投資で成功するのに重要なポイントが市場動向を掴む事。
これは米国市場に限った話ではなく日本市場に投資する時も同様です。
昨年の国内市場は「バリュー」がマイナスリターンとなる中、「グロース」は2ケタのプラスリターンでハッキリと明暗が分かれました。
今回は2021年前半(1月-6月)の米国市場の前半動向をみながら、「バリュー」と「グロース」の状況を確認します。
更に、その結果から後半の戦略について考えてみたいと思います。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
2021年前半はバリューが強い!この強さは本物なのか?
米国市場のバリュー(割安株)・グロース(成長株)の状況を掴む為に、投資家から人気の高いETFの成績を比較していきます。
利用するのは以下の3銘柄です。
●バリュー(割安株)
【VYM】バンガード 米国高配当株式 ETF
●米国基準(S&P500)
【VOO】バンガード・S&P500ETF
●グロース(成長株)
【QQQ】インベスコQQQトラスト・シリーズ1
この3つのETFに対する2021年前半戦(1月-6月)のリターンは、バリューのVYMがもっとも好成績となっています。
2021年1月-6月の成績 | ||
VYM | VOO | QQQ |
17.5% | 16.9% | 14.9% |
バリューのVYMに対して、グロースのQQQは2.5%のマイナスです。
昨年とは勢いが反対になったように見えます。
ただし、前半戦の成績だけをみて「バリュー優位に変わった」という結論を出すのは危険です。
次の項目では年明けの状況を2ヶ月ごとに区切って見ていきます。
2ヶ月ごとの成績では、バリュー株への転換は確認できず
半年間の成績を見るとバリュー株が有利だったのは数値をみれば明らかです。
ただし、この状況が今後も続くかは疑問があります。
ここからは、1月-6月を2ヶ月ごとに分解して見ていきます。
足元の成績をみると、バリュー株の勢いが急低下していることがわかります。
2021年1月~2月の3銘柄の成績
2021年1月-2月の成績 | ||
VYM | VOO | QQQ |
5.3% | 3.1% | 1.6% |
年初は成長株のグロース(成長株)の【QQQ】が強かったのですが、2月中旬から勢いが急失速しました。
成績はバリュー(割安株)の【VYM】が圧倒していますね。
次に3月-4月を見てみます。
2021年3月~4月の3銘柄の成績
2021年3月-4月の成績 | ||
VYM | VOO | QQQ |
7.3% | 7.5% | 4.6% |
3月-4月の2ヶ月を見てもグロースの【QQQ】は、バリューの【VYM】に大きく負けています。
この状況から市場では「バリュー(割安株)への大転換」という言葉が頻繁に聞かれるようになりました。
ただし、冷静に見れば米国基準(S&P500)の【VOO】がもっとも好成績という結果で割安株が圧倒している状況ではありません。
最後に5月-6月の状況を確認します。
2021年5月~6月の3銘柄の成績
2021年5月-6月の成績 | ||
VYM | VOO | QQQ |
0.7% | 2.7% | 5.5% |
5月-6月を見るとバリューの【VYM】が急失速、そして低迷していたグロースの【QQQ】が力強く上昇しています。
1月-2月の時とは正反対になったような状況です。
決め打ちは危険!グロース&バリューが基本
後半戦に向けてグロースとバリューでどちらが良いかを確認したかったのですが、明確な方向性は確認できませんでした。
足元ではグロースの勢いが回復してきているように見えますが、5月までが弱すぎた反動とも言えます。
現時点では、バリューとグロースの有利・不利は確認できません。
不透明な結論に感じるかもしれませんが、「決め打ちをしてはいけない時期」という点が分かった事は重要です。
「バリューの大転換」という言葉は、5月-6月をみれば勇み足に見えます。
また、足元でグロースが強いといっても半年リターンではバリューに負けています。
成長株が有利とも言い切れる状況ではありません。
後半戦につても世界経済の回復状況、FRBの利上げ開始時期の予想などによって相場の主役がコロコロと変わることが考えられます。
戦略の基本としてはグロースとバリューの両方を持つ、あるいは市場平均のS&P500を中心に投資するという事ですね。
今回は『米国株の投資を考える!今はバリューとグロースのどっちが注目?』について書きました。
現状では「成長株」「割安株」のどっちが有利とも言えず、中立姿勢でいることが大切という結論になります。
記事の中で参考になる点があれば、運用のヒントにしてみてください。
私はDGRW(クオリティ株)の定期買付を実施しています
米国株の長期投資戦略として海外ETFの積立を実施しています。
現在のメイン対象は【DGRW】米国株クオリティ配当成長ファンド。
配当を実施している米国の大型株約300社で構成されるETFです。
ROA・ROEの収益性等の指標から、利益(配当)成長が期待できる銘柄を投資対象としています。
「長期的には利益成長と株価は連動する」という私の方針と合致したことが決定理由です。
先行きが不透明な時にはピッタリなETFだと考えています。
長期運用に向いている設計ですので、10年単位の定期積立で大きなリターンを目指していこうと思います。
尚、私はマネックス証券を米国株のメインにしています。
米国株の為替手数料(買付時)無料と時間外取引に対応してる点が魅力。