新しい年に入ってから米国株は好調に推移しています。
参考までに、2023年2月10日時点の米国を代表する人気3指数の状況を表にまとめましたので確認してみてください。
米国の人気指数 | 配当 | 実績PER | 年初来リターン |
NYダウ工業株30種 | 2.1% | 22.6倍 | 2.2% |
S&P500種 | 1.6% | 20.0倍 | 6.5% |
ナスダック100指数 | 0.9% | 23.6倍 | 12.5% |
昨年までの低迷が嘘のように力強く上昇していますね。
この背景には、米国株の上昇を抑えこんでいた、金利政策の行方に対して楽観的な見方が広がってきたことがあります。
実際にインフレ鈍化を示す兆候は次々と出てきているのも事実です。
FRBのパウエル議長からも「ディスインフレに入った」といった前向き発言がありました。
このまま株価上昇となれば最高ですね。
しかし、私の米国株に対する方針は変更なし。
その理由は好転したのは投資家心理くらいで、金融政策や企業見通しについてはほとんど変化が見えないからです。
PER(割高・割安判断の指標)も過去平均を上回っており、株価の過熱感が見て取れます。
今回は米国株の現状に対して、私が感じていることについて書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
米国の金融政策の方針は何も変わっていません。
1月31日~2月1日に実施されたFOMCでは、利上げ幅が0.25%で従来よりも減速しました。
パウエル議長の会見もハト派的だったこともあり、米国株は上昇(金利低下)となっています。
しかし、今後の方針に変化があったかというと、実際には無いに等しいと考えています。
今回のFOMCはポジティブな内容もあるのですが、実際にはタカ派的な部分も多いです。
まず、3月で0.25%の利上げとなる可能性が大きい点。
ここは想定通りです。
やや織り込みと違ったのが、5月にも0.25%の追加利上げが想定される点です。
市場関係者の多くは3月で打ち止めと考えている人も多かったので、ネガティブな要素ですね。
さらに、23年の利下げは適切と考えていないというメッセージもありました。
こちらも市場関係者の、年内利下げ予想とは異なっています。
つまり、マーケットはFOMCの結果に対してポジティブに反応したのですが、その中身を確認すると金融政策のスタンスは何も変わっていません。
別の言い方をすると、投資家心理と政策金利見通しに大きなズレがある状態です。
株価上昇については、今までにもあった短期投資家による一時的な動きと考えています。
・アメリカの政策金利見通しは、何も変化していない
・FOMCは金融引締めは、長く続く可能性がある
ここが重要!米国企業の成長減速に注意したい
米国株の現状を見ると、金利動向に対する思惑が中心になって上下しています。
しかし、これは短期的な要素です。
長期投資で重要なのは企業の利益成長!
この部分が良好であれば強気に投資ができますが、残念ながら悪い方向に進んでいるのが実情です。
S&P500の予想EPS(一株あたり利益)はマイナス方向。
日本株(TOPIX)と比較しても見劣りしています。
過去の米国企業が成長してきたのは事実ですが、今年は違う状況なのは認識しておいた方が良いと思います。
こういった時は財務体質が良好な銘柄に投資するのが基本なのですが・・
この戦略も不安要素が出てきました。
優良銘柄に資金が集中しすぎている(割高になっている)可能性があります。
冒頭で紹介しましたが、米国の人気3指数はいずれも過去平均よりも高い状況。
私は 買われすぎ と見ています。
この状況では「質の高い銘柄に投資すれば安心」とも言いきれません。
デフェンシブ銘柄も含めて割高になっている可能性があるので注意する必要があります。
さて、最終的には企業利益が改善されていけば買い姿勢ですが、これも簡単では無いと思っています。
米国の状況をみると、失業率が低く就職・転職については売り手市場。
労働環境が良いのは不景気になりずらいという点ではプラス要素です。
一方で、企業の利益成長という点でみると少々困った話となります。
現状としてはインフレの鈍化傾向はみられるのですが、給与については高止まりは続いています。
労働力の取り合いをしている状況ですから、この状況は簡単には収まりそうにありません。
長く続くと考えるのが自然ですね。
そして、企業にとって給与はコスト(人件費)なので利益を削る部分。
それを補うほどの企業成長があれば問題は無いのですが・・
現在の米国にはそこまでのパワーは無いと私は見ています。
足元のマーケットは金利動向(金融政策)を中心に変動していますが、遅かれ早かれ経済成長へと視点が移っていきます。
企業の厳しい状況に目がいくことで、投資家心理が再び冷えこむ可能性があります。
現状の株価が、経済・業績(ファンダメンタルズ)の行方を織り込んでるようには見えませんからね。
まだまだ、米国株には不安要素が多すぎる状況です。
米国株に拘らない!広い視野で選択肢を広げる
マイナス要素が多い米国株ですが、実際の株価はどうなるかは分かりません。
割高と言われる局面で力強く上昇したきたのが米国株です。
ただし株式市場と違い、債券市場は米国経済の今後に対してネガティブに見ています。
債券投資家は冷静に市場分析するので株式投資家よりも優秀というのが一般論。
下落警戒の状況は継続のままです。
尚、米国株だけに限定すると不安要素が大きいのですが、別の資産を見ると面白い状況も見えてきます。
例えば、中国はゼロコロナからの方針転換で経済の急回復が期待されています。
債券についても利回りが魅力的で投資妙味がありますね。景気の先行き懸念からゴールド(金)も堅調です。
幅広い視野で投資を見ていくと、米国株以外にもチャンスは多く転がっています。
市場の状況や変化に応じて資産配分を見直すのが理想ですが、私にはそんな器用なことはできません。
結局はバランスファンド(世界分散投資)に丸投げしている状況。
この選択が正しいかは別として、値動きの違う複数の資産に分散している方が安心感があるのは確かです。
面白味には欠けますが、国際分散投資を淡々と続けるのが私に合っています。
そもそも、この選択で充分に資産が増えているので完全に満足状態。
投資生活の中でいろいろな手法を試しましたが、ずっと安定的に資産を増やしてくれているのはコツコツ投資でした。
相場状況に関係なく、この投資だけはこれからも淡々と実施していきます。
今回は「米国株は再下落の可能性あり!シンプルに考えると株価は割高水準」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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