23年に入りJ-REITは低迷しています。
日銀の金融政策に対する不透明感、さらに都内のオフィス建設ラッシュによる供給過剰の懸念が大きいですね。
今年は1年を通してスッキリしない状況になりそう・・。
私は他資産(株・債券・金など)よりも弱気な展開を想像しています。
ただし、リートの個別銘柄をみると内容が良いのに下落しているものも多いです。
そういった名絵柄については、「買い」の姿勢です。
ただし、何でも買っていくわけではありません。
将来性に不安を感じる銘柄については、入れ替え(売却)を行っています。
具体的には、オフィスビル特化型のREITを先月末に全売却!
今回はJ-REIT保有銘柄の売却とその理由について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
基準価格の上昇を狙って失敗!儲けたい意識が強すぎた
J-REITについては分配金を目的にしているので、住宅や物流といった景気に左右されずらいセクターを中心に保有しています。
例外的に保有していたのが「グローバル・ワン不動産投資法人(8958)」。
こちらは、オフィスビル特化型で【駅近・築浅・大型】の3条件を基本方針にしています。
コロナショックの低迷時に値上がり益を期待して購入。
しかし、2月末に全売却を実施しました。
最終利益は約15%(配当込みで30%弱)
「値上がり」を狙った結果としては淋しいですね。
昨年売却したドル建て債券の方が円安の追い風もあり利益が大きい・・。
オフィスビルの知識が乏しいのに、安易に買付したのが失敗でした。
私が撤退する時は、いつもこのパターンですね。
大反省!買付時点の予想から間違えていた。
「グローバル・ワン不動産投資法人」を買付した理由は、駅近の大型オフィスに強いREITだったからです。
賃貸は大企業が中心なのでコロナでも簡単には退去しないと考えたわけです。
築浅物件を多く保有しているので、賃料も当面は維持できると予想していました。
一方で中型ビルに入るような企業に対して、コロナの影響による業績圧迫からオフィス転居やリモートワークで撤退することを想像。
そして、現在の結果は・・
グローバル・ワンREITの稼働率は低下・・。
今後は賃料の下落圧力が続く可能性が高い。
完全に予想はハズレました。
尚、グローバル・ワンRは今後の成長戦略に対して見直しを発表。
築浅の基本方針は改定、好立地ならば20年以上の物件も取得していく方針へ変更。
物件購入については中型ビルも検討していくとの事。
好意的に考えれば機動的な方針転換ですが、実際には現状の失敗宣言ですね。
そして私の売却意思を決定的にしたのが、昨年の後半に実施した基準価格の低い時期での増資です。
ディスカウント増資は既存の投資家にとってはマイナスなので、本来は避けるべきことなのですが・・。
また、物件売却の入れ替えで利回りの低い物件を組込むといった理解しがたい行動も見えます。
いろいろと事情はあると思いますが、これも投資家の信用を失う行為ですね。
さらに言うと、オフィスビルが本当に厳しくなってくるのは、都心ビルの大幅供給がある年後半からです。
大型ビルは機能性が優れている新築が圧倒的に強い!
その結果、既存の大型ビルは競争力が低下(賃料下落・テナント流出)が懸念されています。
保有するグローバル・ワンRは、しばらくは内部留保があるので分配金の心配は無いと思います。
しかし、賃料低下と大口テナントが退去する可能性が数年間は続く可能性あり。
分配金利回りは上位ですが、実質利回り(NOI利回り)は下位グループというのが実態です。
決算報告では前向きな見通しを示していますが、最近の運営をみていると今後について不安を感じます。
含み益があるという理由で保有を継続するのは悪いクセがつくだけ!
私の予想はハズレたわけですから、売却する選択は必然ですね。
オフィスREITの全てがNGという事ではありません
23年はオフィスビルの供給過多が見込まれており、年後半は空室率の上昇と賃料低下が心配されます。
実は、これで終了ではありません。
都内の建築予定を調べると先行きも厳しい・・・。
25年には再びビルラッシュです。
更に、27年にも大型供給があります。
オフィス系は、数年間にわたって逆風が続くことも考えられます。
しかし、この逆風は大型ビルの話です。
中型ビルについては、それほど悲観的ではありません。
私はコロナショックで「中型ビルのJ-REITは危険」という考えでしたが、結果は正反対でした。
中型ビルのメリットは既存ビルでも改修等で価値向上が期待できる点があります。
賃料の下落圧力は大型ビルよりも小さいです。
賃料低下リスクが小さいのは長期保有するにあたってプラス材料ですね。
新築ビルができても競争力が維持できるのも魅力です。
「グローバル・ワンR」が今後は中型ビルも物件対象にしていくという方針を出したことを考えても、今後の優位性は高いと考えています。
オフィス系は全体的に基準価格が低迷していますが、優良銘柄も巻き込まれて下がっている状況。
シッカリ中身を見ていけば、割安な銘柄が見つけられるチャンスとも言えます。
尚、参考までに中型オフィスで有名なREITには「ケネディクス・オフィス投資法人」があります。
J-REITは金融政策への不安から上値は重い
J-REITについては、しばらく落ち着かない状況が続くと予想。
金融政策に対する思惑などもあり価格が上下する展開が続きそうです。
尚、日銀の新総裁が初めて出席する金融政策決定会合は4月27日~28日の予定。
この前後でも荒い動きになりそうな予感!
また、年後半はオフィス大量供給による空室率が上昇する懸念も・・。
J-REITはオフィスの割合が高いので、全体に下落圧力が掛かる可能性があります。
分配金についても定期的なウオッチが必要ですね。
J-REIT価格は短期的に上昇しても再び下落することが考えられます。
1年を通して落ち着かない状況となりそうです。
さて、J-REITについては年内の動きは不透明です。
一方で収益の中心が賃料収入なので業績は安定しています。
つまり、予想外の安値で買える可能性があるという事。
ちなみに私は今年のREIT投資枠としては1000万円を準備しました。
長期視点で銘柄選定をしていけばチャンスの年だと考えています。
現在の水準でも充分に魅力的なので、定期的にコツコツ買っていくのも面白そうです。
今回は「J-REIT オフィス銘柄を売却!私の予想は大ハズレでした。」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
J-REITの個別銘柄が100円から買付できます。
現在のJ-REITは長期的には魅力的な水準なので、コツコツ投資をしていくのは面白いと思います。
そこで、活用したい面白いサービスがあるのがSMBC日興証券です。
J-REITの個別銘柄の最低買付は、5万円~80万円と幅があります。
少額投資ができないことを理由に投信やETFを選択している人もいると思います。
そんな中にあって、例外的に個別銘柄が100円から買付できるのがSMBC日興証券。
この証券会社はキンカブというサービスを実施していて、金額単位でJ-REITの個別銘柄を買付できます。
例えば、大和ハウスリート(8984)ですが、こちらに投資するには普通の証券会社では最低でも約30万円の金額が必要です。
しかし、SMBC日興証券なら金額指定で買えるので、100円分や1000円分といった買い方ができます。
買付手数料(スプレッド)は100万円までゼロ(無料)です。
しかも、積立設定も可能という優れものです。
私はこのサービスを利用して、J-REITを買い集めました。
メジャー証券の中でJ-REITがドルコスト平均法で帰る貴重な会社です。
J-REIT投資を行う上では非常に魅力的だと思います。
また、債券投資にも強いので社債購入などに興味がある人も注目です。