少し前に『GAFAMへの集中投資は終了?直近の状況と今後の戦略』という記事を書いたら大きな反響がありました。
これらの企業は、やはり注目度が高いですね。
尚、その記事で低迷銘柄として取り上げたのがアマゾン(AMZN)です。
アマゾンは長期の過去データでは強烈な上昇となっていますが、直近1年をみると株価は横ばい状態。
GAFAMの中では成績がダントツで低迷、さらに市場平均と比較しても大負け状態。
年初来リターンも弱いですね。
※以下は2021年8月13日の年初来リターン
・アマゾン(AMZN) 1.1%
・マイクロソフト(MSFT) 31.6%
・アルファベット(GOOGL) 57.1%
・S&P500(市場平均) 19.0%
アマゾンの株価が冴えない理由の一つには直近(4-6月期)の決算が悪かった事があります。
売上高は前年から27%の成長でしたが、アナリストの予想は未達。
さらに7-9月期の見通しが、売上・営業利益とも予想を大きく下回りました。
一方で、クラウド部門(AWS)だけを見れば37%増と好調。
アナリストの予想も上回っています。
しかし、このプラス材料についてはマーケットは無反応でした。
今回はアマゾンのクラウド部門について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
「クラウド部門が好調だから大丈」は本当か?
アマゾン(AMZN)は米国株の中でも人気が高い銘柄です。
日本人投資家の保有者数も米個別株の中では常にトップ10に入っています。
電子商取引(eコマース)で世界最大の企業ですから当然ですね。
書籍からスタートしたネット通販ですが、現在ではゲームから日用品まで幅広く取り扱っています。
売上については、このEC部分が中心となっています。
一方で実際に儲けを出しているのは、クラウド部門(AWS)。
売上高に占める割合は13%ですが、営業利益だと7割近くを占めます。
2021年4-6月期の決算は期待ハズレの結果でしたが、儲けの中心のクラウド部門だけを見れば好調でした。
アマゾン株の保有者からは『クラウドが好調だから大丈夫だ』という声も聞こえますが、これは本当でしょうか?
ライバル各社がクラウド(AWS)を猛追している
アマゾンに対して『クラウド(AWS)が強いから大丈夫』という意見は多いです。
世界のクラウド市場においてNO.1のシェアでAWSの業績は37%増!
『大丈夫』の声がでることに違和感はありません。
ただし、投資をする上ではシッカリと頭に入れておきたい事があります。
それは・・
「アマゾンのクラウドが強いのは、ほとんどの投資家は知っている」
それを知った上で、現在の株価になっているという点です。
クラウドについては、充分に織り込まれている可能性があります。
そして、気になるがAWSのクラウドシェアが徐々に小さくなっている点。
アマゾンを追いかけるライバルの状況(4-6月期)を確認してみましょう。
マイクロソフトのクラウド「Azure」の売上高は前年から51%増。
アルファベットの「Google Cloud」については54%増でした。
AWSよりも成長率が高いですね。
この2つはクラウド市場の成長スピードを常に上回っています。
※AWSは下回る時もあります。
アマゾンのAWSが業界で強いのは事実ですし、クラウド市場全体が今後も成長もしていくことは容易に想像できます。
AWSの売上が右肩上がりという点については疑う余地はありません。
ただし、アマゾンのクラウド事業が今後も安泰とは言い切れません。
将来的にはシェア争いで「Azure」が上にくる可能性もあります。
アマゾン(AWS)に対してネガティブな事を書く理由
アマゾンが好きな人にとっては、今回の記事は面白くないと思います。
クラウド事業が好調なのに、それに水を差すような内容・・。
どうして、こういった記事を書いたかというと理由があります。
それは、私が過去に「銘柄に心酔して失敗」したことが何度もあるからです。
銘柄を好きになりすぎると客観的な判断が難しくなります。
これが損失の原因となるケースが多いのです。
冷静になれば、より堅実な投資方法が選択できるようになります。
例えば、クラウド市場に期待するならば、アマゾンだけに絞る必要はありません。
「AWS」「Azure」「Google Cloud」の3社で6割を占めている業界。
アマゾン、マイクロソフト、グーグルを3分の1づつ保有する選択肢だってあります。
あるいはアマゾン株の割合を減らして、クラウド事業などの成長企業が多く含まれているQQQ(ETF)を買うのも方法です。
クラウドに魅力を感じるならば、1社に集中する必要はありませんね。
もちろん、クラウド業界をシッカリ勉強した上でアマゾンに集中投資ならば問題ありません。
ただし「ECは不調だけど、クラウドが良かったから・・」みたいな考えだと個別株の投資は失敗する確率が上がってしまいます。
この理由は、どんなに内容が悪い企業でも、好材料を見つけることは可能だからです。
決算が悪かった時に、無理やり好材料を探すのは危険。
悪い決算がでたら、その投資については一旦ゼロベースに戻して冷静に考える必要があります。
成長株に投資をする時は、自分に対して厳しくする
投資の基本的な考え方は「株価は利益に連動する」です。
これを忘れなければ、そうそう失敗しません。
ただし、成長株については注意が必要。
将来の成長(利益)が既に株価に織り込まれていますケースが多いからです。
決算で市場予想を下回ると株価が大きく崩れるのはこれが理由。
もっと言えば、アナリストの市場予想を超えても、投資家の期待が更に高い場合も多いです。
この場合は好決算でも株価が下落します。
成長株は「前年よりも利益が増えたから株価が上昇する」という銘柄ではないという事ですね。
グロース株で「銘柄に惚れる」という行為は致命傷になりかねません。
銘柄を好きになってもいいのですが、マイナス要素が出てくればすぐに手仕舞いするような客観性が必要になります。
もっとも、それは口で言うほど簡単な事ではありません。
私はそういった決断ができないタイプなので、一定水準まで下がったら売却するといったルールを徹底しています。
※私の定番手法は以下の記事に書いています。
投資で100%の勝率を得るのは不可能です。
どんな凄い投資家でも予想が外れる事は経験はしています。
重要なのは“ハズレた時にどういったアクションを起こしたか?”という事。
優秀な投資家とそれ以外の差は、そこだけと言っても過言ではありません。
今回は『アマゾン株はクラウドが成長してるから安心!それって本当なの?』について書きました。
記事の中で参考になる点があれば、運用のヒントにしてみてください。
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