投資で儲る方法は非常にシンプル。
“安く買って高く売る”を実行すれば良いだけです。
実際にリーマンショックなどの急落時にガツンと仕込んで大きなリターンを得た投資家もいます。
相場はジグザグを繰り返しながら上昇してきた過去があるので、今後も程度の差こそあれ大きな急落は何度もあると思います。
そこで頭をよぎるのが『次にリーマンショック級の下げがあれば、全力で資金を投じる』という戦略です。
一見すると非常に合理的で有効な手法に感じますね。
私自身もこの方法に憧れを抱いていた時期もあります。
しかし、投資経験を重ねるうちに 非現実的な方法 だと感じるようになりました。
この記事の目次
投資経験がある人ほど急落時の購入は難しい
『リーマンショックで仕込んで大儲けした』という話を時々耳にします。
羨ましい話ですね。
参考までに、この事件が起きた前後の日経平均株価やNYダウと現在の株価状況を確認してみましょう。
Rショック前 | Rショック後 | 2019年10月 | |
日経平均株価 | 14,000円 | 7,700円 | 22,000円 |
NYダウ | 12,000$ | 7,000$ | 26,500$ |
※Rショック前は2018年6月、Rショック後は2019年2月の水準。
こう見ると、リーマンショックの破壊力は凄いですね。
短期間で株価が半値近くまで下がっています。
もしも1億円を投資をしていたら4000万円~5000万円の損失ですから強烈・・
反対にRショック後の底値で1億円を仕込めれば、現在は3億円になった計算ですのでビッグチャンスだったことは間違いありません。
しかし、この時に仕込み買いをして長期保有できた人は、ほとんどいません。
金融のプロと呼ばれる人達も、投資できませんでした。
私は金融のプロに『次にリーマンショックが来たら買いますか?』と度々質問しているのですが、いずれもその返事は『たぶん、買えない・・』というものでした。
何だか不思議な気がしますね?
しかし、これは自分自身の事として考えれば、当然だと理解できます。
この『買えない理由』について考えてみましょう。
急落時に上手に買い付けるのは至難の技!
『リーマンショック級の下げがあれば、全力で資金を投じる』という考え方は、単純にいえば逆張り思考です。
現在の株価水準をもとに【高い・安い】を判断する傾向が強いですね。
さて、このように今の株価が頭にある状態で、半値まで購入を待つことは可能でしょうか?
私の経験で言えば、2割くらいの下げまでが限界のような気がします。
例えば2018年のNYダウは6月は26,500$付近だったのですが年末に大きく崩れて12月末には22,000$になりました。
新聞やテレビで大騒ぎになりましたが、実際には17%程度の下げです。
この時に個人投資家から多かったのが 「購入資金が尽きた・・」 というパターン。
だいたい5%くらいの下げで買い始めて10%くらいまで下がった時には手元資金が無くなるケースが多かった印象です。
この状況でリーマンショック級の半値まで下がり続ければ、大きな含み損を抱えた可能性も・・
反対に「もっと下がるかも・・」と期待しすぎて買付ができなかった人もいた気がします。このパターンもチャンスロスですね。
20%未満の下げでも心理を正常に保つのは難しいのですから、リーマン級の半値となれば大混乱になることは必至。
普通の人は買えないと考えるのが自然です。
また、“プロならば冷静に判断して買えるのでは?”と思うかもしれませんが、むしろ冷静だからこそ買えないのです。
この理由について説明していきます。
リーマンショックでは、冷静な人ほど投資を控えた
『リーマンショック級の下げがあれば、全力で資金を投じる』という考えは、株価チャートだけを見ているから言える話です。
例えば日経平均株価はバブル崩壊で株価が大幅に下がりましたが、その間に北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、山一證券といった大手金融機関が倒産していきます。
こんな時に全力買いといのは博打に近いですね。
では、リーマンショックの時を振り返ってみましょう。
これは負債総額約6000億ドルでアメリカで過去最大の企業倒産ですから、世界規模の金融危機に発展しました。
この時の米雇用者を確認してみましょう(2019年1月~6月)
※非農業部門雇用者数:単位は万人
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | |
雇用者数※ | ▲77.9 | ▲72.6 | ▲75.3 | ▲52.8 | ▲38.7 | ▲51.5 |
失業率 | 7.7% | 8.2% | 8.6% | 8.9% | 9.4% | 9.5% |
見たことも無いような悲惨な数字ですね。
雇用者数が▲50万人・・、失業率が9%・・・。
参考までに2019年10月の非農業部門雇用者数は+13万人で失業率は3.6%でした。
最近は市場予想よりも数万人少なかっただけでも「景気後退か?」なんて報道されますが、リーマンショックと比較してみてください。
急落時に冷静な人ほど買えなかったのは当然ですね。
「○○企業ならば、財務が鉄壁だから大丈夫」というのは現在の安全圏相場だから言える話で、リーマン時のような状況になれば今後の予想などつきません。
もちろん、こういった時に買付ができた人もいますが、それはウォーレン・バフェットのような一部の天才投資家に限られています。
また、知識が無いことがプラスに働いてリーマンショックで購入できたというパターンもあります。
いずれにしろ、投資経験がある人ほど『リーマンショック級の下げがあれば、全力で資金を投じる』というのはハードルが高い行為なのです。
少額投資なら可能ですが、全力投資というのは不可能に近いと思います。
関連:気が付けばギャンブル投資?“下がったら買う”は「投機」です。
私の幸運は「リーマンショックで買えなかった」こと!
私はリーマンショックの急落時に購入はできませんでした。
それどころか数百万円の大損という失敗をしています。
しかし、今になって考えれば、資産が増えたのはこの大失態のおかげです。
自分には投資の才能が無いことをハッキリと自覚できたのですからね。
その後は、メイン手法を積立投資に大きく切り替えました。
最初は増えるスピードの遅さにイライラしたのですが、大きく目減りする可能性が低いこともわかったので資産をどんどんつぎ込みました。
「平均以下のリターンでも関係ない」「市場が高値でもガッツリ投資」 こんな感じで継続していたら気がつけば1億円の大台に到達!
以前は、「リーマンの損失がなければ・・」 と思っていたのですが、あの時に成功していれば現在の資産は築けなかったと思います。
私は成功体験に引きずられる傾向があるので、リーマンショックでうまく儲けを出したら次の急落をまた狙おうとするはずです。
この方法だと、チャンスがいつ来てもいいように一定以上の現金を手元に置いておかなくてはいけません。
結果的に投資は小さくチョコチョコとなります・・
この方法でうまくいっても、単発の投資を繰り返しですから増える金額には限界があります。
100万円で20%の利益を狙うよりも、 1000万円で5%の利益を得た方が絶対利益額は大きくなります からね。
もちろん、私も相場が好きなのでスポット的な売買も今後は行いますが、やはりメインは積立投資になりますね。
資金を積上げて大きくしながらジックリ運用。
今後も引き続き積立をメインにして資産運用を実施していきます。
今回は「1億円を達成してわかった!『株価が下がったら全力買い』は成功しない」について書きました。
参考になる点があれば、資産運用の活かしてみてください。
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私自身の運用方針は、「セゾン・グローバルバランスファンド」の積立がメインです。
世界分散投資を専門家に丸投げできるので、ズボラな私にはピッタリでした。
資産配分の修正も行ってくれますので手間はありません。
私は積立設定だけして、ホッタラカシている状態です。
私の資産は年々増えているので「凄い!」と言われる事もあるのですが、実際は投信に丸投げしてるだけというのが本当の話。
資産運用の王道的な資産配分ですので、興味がある人は確認してみてください。
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