米国株のアルトリア・グループ(MO)やフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は、財務が健全性で配当が高い企業なので人気があります。
2019年1月時点では配当利回りが6~7%付近ですから興味を持っている人も多いと思います。
ただし、直近1年間の株価は配当を加味してもマイナス30%以上となっており、投資家の期待を裏切る結果となりました。
しかし、財務に安心感がある銘柄ということもあり『今が買い時だ』と考えている人も多いですね。
私自身もバリュー銘柄(割安株)は好きですが、タバコ銘柄を買うかといえば・・NOです。
今回は個人的にタバコ銘柄を投資対象から外している理由を書きます。
結論を先に言うと、タバコ銘柄(日本株のJTも含む)はバリュー株の中でも『見直し買い』が入りずらい業種だと感じているのが理由です。
※個人的な投資スタンスですので推奨ではありません。投資判断は各自の責任で行ってください。
この記事の目次
『見直し買い』を阻む?気になる2つの懸念材料
バリュー(割安株)は長期保有をすればグロース(成長株)よりも好パフォーマンスとなるデータもあるので、ジックリ運用するのに向いていると言われています。
ただし、ここで気を付け付けなくてはいけないのは、全てのバリューがグロースを上回っているわけでは無いという事です。
バリュー株は安い水準で放置されていたところに、見直し買いが入ることで上昇するというのが一般的。
違う見方をすれば、ずーっと放置されて低迷が続く可能性もあるということです?
私はバリュー投資であっても「見直し買いが入りやすい銘柄」もしくは「株価を維持できる(配当含む)期待が高い銘柄」を選択すべきだと考えています。
そういった視点に立った時にタバコ株を取り巻く環境は“他のバリュー株よりも厳しい”という印象を持っています。
私が“見直し買いが入りずらい”と感じている2つの懸念は以下で説明します。
懸念① 全世界の喫煙率は今後も低下する傾向にある
近年は日本でもタバコに対する様々な対策が取られており、愛煙家の人は肩身が狭い状況だと思います。
ただし、世界保健機関(WHO)の発表によれば、日本の禁煙政策は世界でも最低水準レベル・・
今後もタバコを吸える場所やマナーについては、更に厳しくなっていくと予想されます。
さて、このような状況もあり、世界的な禁煙率はどんどん低下!
WHOの出している資料を一部抜粋しましたので確認してみてください。
★世界全体の喫煙率
※2020年、2025年は予想です。
2010年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 |
22.1% | 20.2% | 18.7% | 17.3% |
喫煙率は世界的に低下していく予想!こうった情報を見て世間の投資家がどう考えるかですね?
私は【市場拡大が期待できる地区(業種)の方が投資は簡単!】という前提のもとに銘柄を選定しています。
タバコ銘柄に対しては、バリュー株が優位の環境になったとしても、慎重な姿勢は維持していく考えです(投資対象にしない)。
もしも、私と同じように考える人が多かった場合は、見直し買いは入りずらい業種という事になりますね。
補足:世界の喫煙者数はそれほど減っていません!
喫煙率を見ると“お先真っ暗”なイメージですが、タバコ企業の業績に関してはマズマズの状況が今後も続くと予想しています。
実は喫煙率の低下は激しいのですが、喫煙者数はそこまで減っていません。
こちらもWHOの資料を一部抜粋しましたので確認してみてください。
★世界全体の喫煙者数
※2020年、2025年は予想です。
2010年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 |
11億2600万人 | 11億1400万人 | 11億400万人 | 10億9500万人 |
減少はしていますが喫煙率と比べるとマイルドな下げとなっています。
これだけ見ると、値上げだけでも業績維持が可能なような気がしますね。
ただし、こういった数字を見たときに安易に楽観視するのは危険?
どんなに良いデータであったとしても、投資家が重視していない数字は株価にとっては“無い”のと同じです。
「業績の安定=株価の安定」では無いので、都合の良い解釈は厳禁!
私は以前に株式投資で大きな失敗をしています。
その原因は、自分の銘柄選定の失敗を認めたくなかったので、小さなプラス材料だけに耳を傾けてホールドを継続してしまった事・・
この時は株価が3分の1まで下がったので、正真正銘の大惨敗となりました。
懸念② ESG投資によりタバコ銘柄の買い手は減少中
懸念①の喫煙率低下は昔から言われているので、織り込み済みとも言えます。
厄介なのは、ESG投資が盛り上がりをみせている点です。
ESG投資は環境(Environment)、社会問題(Society)、ガバナンス(Governance)の頭文字からとっていて、これらに配慮した企業を選択する手法。
本質的には『長期的に継続する企業を選択する方が有利』という考えがあるのですが、タバコ銘柄は基本的にアウトとされています。
この投資手法では、一般論として武器、たばこ、原子力発電、ポルノ、ギャンブル、化石燃料などに関わる企業はカットされるケースが多いです。
ESG投資については曖昧な部分もあるのですが、タバコなど健康への負荷が高い企業から欧米を中心に資金引き上げが続いているのは事実。
ちなみにESG投資は、2016年の段階で世界投資の4分の1にあたる2500兆円にも達しました。
割合としてはヨーロッパが全体の5割強、アメリカが4割弱となっており日本は2%程度しかありません。
日本では『ESG?』という感覚が強いと思うのですが、世界の流れは変わっている点は頭に入れておく必要があります。
個人的には、タバコ銘柄の株価はあまりに評価が低すぎる気はしており、決算などで一時的に回復する可能性はあると考えています。
ただし、取り巻く状況は逆風なので、短期的に上昇しても長期的にはズルズル値を下げる事も想定しておいたほうが良いでしょう?
補足:国内株のJT(日本たばこ産業)も要注意
JT(2914)は株価の下落もあり5%を超える配当利回りとなっていますが、私は米国タバコ銘柄と同様に投資対象から外しています。
ESG投資が日本では馴染みが薄いとはいえ、日経平均株価を動かすプレイヤーは外国人投資家という事実があるからです。
また、外国人投資家に対してアメリカ人が中心のように感じますが、実際にはヨーロッパが凄く多いです。
ESG投資がもっとも盛んな地域がヨーロッパと考えれば、JT株の低迷も何となくですが頷ける気がしますね。
米国株の証券会社は機能で選ばないと損をする?
今回は「高配当のタバコ株に興味なし!財務鉄壁なのに躊躇する2つの理由とは?」について書きました。
私はタバコ銘柄に関して投資は考えていませんが、財務状況や配当が魅力的なのも事実ですので、それを重視する戦略も正しいと思っています。
何を基準にするかは個人の判断ですから、正解は時間が経過しないと分からないですからね!
ただし、昨今の値動きや時代的背景から考えて、タバコ株が初心者向きから中級者向きの銘柄に変わってきたと感じています。
個人的には市場が不安定なときには、個別銘柄よりもETFへの投資を優先するようにしています。
関連:米国株で迷った時はNYダウ?100万円を躊躇なく投資する理由
今回の記事の中で、投資のヒントになる点があれば参考にしてみてください。
補足ですが、証券会社を選択する時に手数料ばかりに気を取られている人がいるのですが、これは基本的にデイトレダ―の発想です。
米国株は中長期投資ですので、情報と取引条件の方が遥かにリターンに対する影響が大きくなります。
例えば私はマネックス証券の指値(90日間)と時間外取引をフル活用することで資産が大幅に増えました。
※時間外取引だと凄い安値で買えることがあるので注目ですよ。
手数料については、せいぜい数百~数千円の差しかありません。しかし、取引条件の良し悪しで利益が数万~数百万の差になる可能性がある点はシッカリ認識して欲しいと思います。
ちなみに、私は購入した個別銘柄には逆指値を設定することを徹底!これもマネックス証券を優先する理由です(他のネット証券は不可)。
急落時でも、逆指値をしておけば利益が残せることが多いので超オススメ。
これは私の必勝パターンでもあります。
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私は米国株・海外ETFの取引では、マネックス証券をメインにしています。
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