今回は資産運用の記事はお休みです。
いつもとは趣向を変えて、フリーランス(独立・個人経営)の現実について書いていきます。
先月、『10年間で驚くほど幸せになりました』という記事を書いたところ、大きな反響がありました。
幸せを感じる理由には、資産運用を継続したことで将来の金銭的な不安が無くなった事と、独立して自由に仕事ができていることが大きいですね。
ただし、勘違いして欲しくないことがあります。
資産運用とは違い、独立に関しては シッカリとした目的と覚悟がないと後悔する のが現実。
フリーや独立した人から、『会社を辞めて良かった』という発信もあるのですが、これは成功した人の話にすぎません。
私は独立して6年経過しましたが、メリットとデメリットを客観的に比較すれば後者の方大きいと思っています。
今回はフリーランス・独立の厳しい現実について書いていきます。
この記事の目次
個人事業所の1/3は、開業から2年目を迎えられない?
2005年度に発表された古いデータですが、 中小企業白書の中で開業した企業の事業存続についてまとめられたものがあります。
集計対象が製造業に限られていいるので全業種のデータではありませんが、 開業から1年経過した生存率は約73% となっています。
反対から読めば、約27%が何かしらの理由で事業継続を断念したということですね。
さらに厳しいのは、個人事業所ベースだけで見ると1年経過後の生存率が約62%となっています。
この数字を見ても、独立に対して軽い気持ちで行えないものだということが分かると思います。
独立したら休みが全然ない!仕事時間はメチャクチャ増える
フリーランスや独立をして『毎日が楽しくてしょうがない』『好きな時に仕事ができる』という話を耳にすることもあると思います。
この事に関しては否定する気はありませんが、これを『楽チンな仕事』『仕事時間が短い』と考えてはいけません。
独立当初は知名度がありませんので、簡単に仕事は獲得できません。
会社と個人では、新規獲得の難易度に雲泥の差があります。
顧客からすれば、条件が同じな実績のある会社に依頼するのは当然!
個人だと実力があっても話すら聞いてもらえないのが現実です。
私の場合は差別化を生み出すような能力は無かったので“他がやらない面倒なことをする(丁寧な仕事)”という気持ちで取り組みました。
その結果として、労働時間は会社員の時よりも大幅増加・・。
自分で選んだ仕事なので耐えられますが、会社員で同じ働き方をすれば2週間で鬱になると思います。
“ラクをしたい”という気持ちならば、独立するのは反対 です。
会社員の時よりも努力ができる“目的”がないと苦しいだけだと思います。
独立して『毎日が楽しくてしょうがない』という人は、各自の目的に向かって努力しているから楽しいのです。
片手間に適当に仕事をして、会社員時代よりも給料が増えるというパターンは、ほぼ無いと思った方がいいですね。
今ならば YouTuber などがありますが・・、芸能人も参加する激戦市場!
ネット関連で成功した人もいますが、5年~10年にわたって第一線で活躍している人はどれくらいいるでしょうか?
画面上では遊んでいるように見えますが、その裏では相当な苦労があると思います。
ちなみに我が家が旅行に行くときは、パソコン、コピー機、スキャナー、モニター・・多くの仕事道具を持っていきます。
現地での打ち合わせも兼ねて行くパターンなので、完全に休める日は無いですね。
“この仕事の為なら、休みはいらない”くらいの覚悟がないと、独立で会社員の時よりも稼ぐのは難しいと思います。
そもそも、設立当初は役所の対応から経理まで全てを行うことになるので、会社員の時よりも働く時間が短くなるというのは・・。
常識的に考えても、労働時間が長くなるのが当然の話です。
いきなり仕事がなくなる不安!月に100万円なんて意味なし
フリーランスや独立で厳しいのは、仕事がうまくいかなかった時の保証が無い点です。
今回の新型コロナウイルスなどは分かりやすい例ですね。
昨日まで行列の出来ていた飲食店が、あっというまに閉店の危機に直面するのです。
会社員であれば、業績が大きくダウンしても企業が倒産しなければ収入が大きく目減りするようなことはありません。
仮に倒産しても失業保険があるので、一定期間の収入を確保することができます。
しかしフリーランスなどの場合は、本当に収入がゼロになるのです。
それどころか、 事業継続のために借金をしなくてはいけない事もあります。
『フリーになって月に100万円』 なんて話は、現実を知っている私からすればどうでもいい事です。
その収入を得るためには支出が必要ですし、いざという時のことを考えて一定金額はキープする必要があります。
つまり、 実際に自由になるお金は限られている のです。
月100万円の収入を10年間継続すれば成功だと思いますが、1~2年しか続かないのであれば会社員の安定収入の方が魅力という事です。
ちなみに私の独立当初は、クレジットカードの審査が通りませんでした。
資産が数千万円あっても、事務所の賃貸契約も断られます。
数年分を前払いすると言っても、全くダメ・・。
会社組織から外れた瞬間に、信用がゼロになったという事ですね。
表に見えないリスクがいっぱいあるのです。
フリーランスや自営業は、再就職で苦労する人が多い
『独立して失敗したら、また就職すればいい』といった意見もありますね。
これは、正しいのですが・・・苦労している人が多いです。
自分の考えで長く仕事をしていた人にとって、会社組織の方針に沿って仕事をしていくことへの切り替えは簡単ではありません。
私は再就職をして失敗している人を多く見ています。
(特に男性は、就職してもすぐに辞めてしまうケースが多い)
起業した時の自分を全て忘れて、ゼロから人の元ではやりなすのは、精神的な抵抗は予想以上に大きいという事です。
この点については独立のリスクとして紹介されるケースが少ないのですが、私は隠れたデメリットだと思っています。
もちろん、再就職して一線で活躍している人もいますが、その割合が非常に少ないことは確かですね。
トータルで考えると会社員の方が魅力的だと思います。
私は独立して良かったと思っていますが、これは資産運用が順調だという背景があるからです。
資産が無い状態で新型コロナウイルスに直面していれば、生きた心地がしない状態だったと想像しています。
会社員という立場に対して100%満足という人は少ないのは事実です。
ただし、 収入が安定している点は本当に魅力的!
将来に向けての資産形成についても、定期収入がある会社員の方が格段に有利。
フリーや個人事業は、仕事が軌道に乗るまでは将来を考える余裕するありません。
必要以上にフリーランスなどが 持て囃される風潮がありますが、両方経験している私からすると違和感を感じます。
そもそも、起業する事が【優秀であることの代名詞】のようになっている事が間違い!
起業するだけならば誰でも可能なので、能力は一切関係ありません。
フリーランス、個人事業主ならば開業届けだけでOKです。
私は、 家族の為に定年まで働いた“お父さん” の方が、遥かにカッコイイと思います。
今回は「フリーランスや起業の現実!不安定な収入とブラックな労働時間」について書きました。
フリーランスや起業について、“容易に成功できる”みたいな雰囲気があるので、やや強めにデメリットを書きました。
勿論、目的がある人にとって独立は、素晴らしい選択肢の一つです。
この点については、経験者として実感しています。
ちなみに、私は簡単に稼げる仕事はオススメしません。
一時的には良いかもしれませんが、誰にでもできる事なので先細りする可能性が高いからです。
それは副業でも同じだと思います。
例えば気軽にできる副業としして人気が高いアンケートですが、“スキマ時間に気軽”になんて気持ちだと全く稼げません。
ただし、「人よりも苦労する」という覚悟があれば、それなりの収入にったのが私の経験です。
★私がアンケートを行った時の経験談