今年は米国株(S&P500指数)が半年経過時点で、前年約20%のマイナスという悲惨な状態でした。
これは全ての銘柄が不調という事ではありません。
昨年まで大きく上昇していた成長株が急落したことが主な理由です。
一方で割安株や高配当株といった銘柄については、概ね堅調というのが22年前半戦の流れとなります。
さて、7月に入りこの動きに変化の兆しが出てきました。
大きく出遅れていた成長株に買いが入り、前半戦で強かった割安株が軟調となる状態。
成長株は金利上昇の圧力が重しとなって強烈に売られていたので、先を見通して買いが入ったという状況。
割安株も上昇していたので、それを利確してグロース株に流れる動きもありました。
ただし、この明るい見通しは希望的観測を多分に含まれている点には注意が必要!
さらに国債などの保有資産を減らす、いわゆる量的引き締め(QT)は9月から950億ドルに大幅加速。
縮小に対しては前例が無いほど早いペースで実施される点は認識しておかなくてはいけません。
足元で株価が反発したとしても、すぐに強気になるのは危険です。
ファンダメンタルズは以前として下向きという事は頭に入れておくべきですね。
年末に向けて相場の主役はグロースとバリューが頻繁に入れ替わっていく状態を想像しています。
不透明要素が多いので、個人的には優良大型株の方が良いと考えています。
さて、大型優良株(NYダウなど)で人気と言えば ダウの犬投資法 です。
注目している投資家も多いと思います。
今回は「ダウの犬」投資法の年初から7ヶ月の状況について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
米国株は年初から低迷!足元は成長株を中心に反発の兆し
米国市場は年明けから弱い印象です。
私が保有している資産の中でも、マイナスの存在となっています。
ただし、ここ1ヵ月間で成長株が大きく戻してきています。
実際の米国株の主要インデックスの年初来リターンを7月1日と7月28日で比較したので確認してみてください。
★22年年初来リターン
7月1日時点 | 7月29日時点 | |
NYダウ工業株30種 | -14.4% | -9.6% |
S&P500種 | -19.7% | -13.3% |
ナスダック100指数 | -29.0% | -20.7% |
3指数とも改善され、米国市場が全体的に上向いてきています。
その中でも、出遅れていたナスダック100が大きくマイナス幅を縮めています。
ただし、成長株については価格変動が大きい資産なので、再び急落する可能性も否定できませんので油断は禁物です。
改善されたといっても、ドルベースでは年初来マイナスという事実は頭に入れておく必要があります。
では、いよいよ本題である【ダウの犬10銘柄】の状況を見ていきます。
人気の投資法なので、ベテラン投資家には実践している人も多いと思います。
【ダウの犬】年初来で4割の銘柄がプラスです
ダウの犬戦略は、とてもシンプルな手法。
年末にNYダウ銘柄の中から、配当利回りが高い10銘柄を選択するだけです。
理屈としては、「配当利回りが高いということは割安で放置されている可能性が高い!リバウンドが期待できそうだ」という単純なものです。
さて、その基準で選択された銘柄はどうなっているでしょう?
以下が配当利回りが高い10社(ダウの犬)の7月29日の状況になります。
※基準日は22年7月29日の株価
ダウの犬10銘柄 年初来リターン(2022年7月29日現在)
2022年版・ダウの犬 | 配当利回り | 予想PER | 年初来 |
ベライゾン(VZ) | 5.54% | 9.3倍 | -11.10% |
ダウ(DOW) | 5.26% | 7.1倍 | -6.19% |
アイビーエム(IBM) | 5.05% | 19.1倍 | -2.15% |
ウォルグリーン(WBA) | 4.85% | 6.6倍 | -24.04% |
スリーエム(MMM) | 4.16% | 17.2倍 | -19.36% |
インテル(INTC) | 4.02% | 10.2倍 | -29.50% |
シェブロン(CVX) | 3.47% | 9.2倍 | 39.57% |
アムジェン(AMGN) | 3.14% | 19.8倍 | 10.00% |
メルク(MRK) | 3.09% | 14.6倍 | 16.57% |
コカ・コーラ(KO) | 2.74% | 27.4倍 | 8.38% |
平均 | 4.13% | 14.0% | -1.78% |
米国株全体の状況とは全く違う状況ですね。
10銘柄のうち4銘柄が年初からプラス!
インテルが決算ミスで急落してしまったのですが、全体としては前月よりも改善されており年初とほぼ同じ水準です。
さて、次に代表指数と【ダウの犬10銘柄】を比較してみましょう。
これを見ると、その差が更にハッキリすると思います。
ダウの犬と代表指数 | 配当利回り | 予想PER | 年初来 |
ダウの犬 10銘柄の平均 | 4.1% | 14.0倍 | -1.8% |
NYダウ工業株30種 | 2.1% | 17.4倍 | -9.6% |
S&P500種 | 1.6% | 18.0倍 | -13.3% |
ナスダック100指数 | 0.8% | 22.7倍 | ‐20.7% |
【ダウの犬10銘柄】がダントツで良好です。
年初来リターンは勿論ですが、予想PERが割安水準という点がいいですね。
尚、ドルベースでは年初来マイナスですが、円換算ならば年初来は+14%以上です。
米国株投資は低迷していますが、堅い運用(大型優良株・バリュー銘柄)の人はプラスとなっているケースが多いのが実態です。
ダウ10のPER平均は約14倍で米国市場の過去平均と比較しても割安な水準。
現在でもバリュー投資として満足の数値です。
尚、ダウの犬は1年を通して判断するものなので、7ヶ月だけを見て成功ということではありません。
相場に不透明感があるので、一定期間が過ぎたら再び途中報告をしたいと思います。
今からダウの犬を開始する場合、銘柄はどうなるの?
堅調な【ダウの犬10銘柄】を見て興味を持った人もいると思います。
この手法は年末の配当利回りの上位10銘柄を選択して運用するのが一般的です。
その為、途中からスタートすると高配当トップ10が年初と大きく異なっている可能性があります。
そこで、22年7月29日時点でNYダウの配当利回りが高い10銘柄を調べました。
参考にしてみてください。
ダウの犬10銘柄 (2022年7月29日現在)
2022年8月版・ダウの犬 | 配当利回り | 予想PER | 年初来 |
ベライゾン(VZ) | 5.54% | 9.3倍 | -11.10% |
ダウ(DOW) | 5.26% | 7.1倍 | -6.19% |
アイビーエム(IBM) | 5.05% | 19.1倍 | -2.15% |
ウォルグリーン(WBA) | 4.85% | 6.6倍 | -24.04% |
スリーエム(MMM) | 4.16% | 17.2倍 | -19.36% |
インテル(INTC) | 4.02% | 10.2倍 | -29.50% |
シェブロン(CVX) | 3.47% | 9.2倍 | 39.57% |
JPモルガンtチェース(JPM) ★ | 3.47% | 10.2倍 | -27.15% |
シスコシステムズ(CSCO) ★ | 3.35% | 16.2倍 | -28.40% |
メルク(MRK) | 2.74% | 27.4倍 | 8.38% |
平均 | 4.19% | 13.3% | -10.00% |
大きな差はありませんが、こちらが現時点の【ダウの犬10銘柄】です。
★マークが今月銘柄
通常版よりも配当利回りが上昇してPERも低くなりました。
年初来リターンのマイナス幅は大きくなりましたが、リバウンド期待は高まったと思います。
これらを参考にして、8月からスタートして来年7月末に銘柄を入れ替えていくのも選択肢となります。
もちろん、最初に紹介した基本銘柄で実施しても問題ありません。
この部分はあまり神経質にならずに、自分が気持ちよく運用できる方法を選択してみてください。
途中で挫折して中止すると、全く意味がありませんからね。
重要なのは割安銘柄で、ジックリと運用することです。
今回は「ダウの犬投資法 2022年7月末の成績!年初来の水準まで回復」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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