海外で上場するETF(通称:海外ETF)は、通常の投資信託よりもコストが安く品揃えが豊富な事もあり年々人気が高まっています。
大手ネット証券等で気軽に投資が可能になったこともあり、投資と選択肢としてはスタンダードになりつつありますね。
ただし、好条件だからといって必ず儲かるわけではありません。
人気銘柄だと思って買ったら、ズルズルと下がり続けることも・・。
今回は、日本の投資家から人気が高い海外ETをランキング形式で紹介。
更にトータルリターン(5年)やリスク(5年)の実績も調査しました。
銘柄選択の参考にしてください。
尚、個別銘柄についても同様に調査さしていますので興味がある人は確認してみてください。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
★人気の海外ETFランキングTOP10 保有者が多い銘柄
ランキングデータはSBI証券の保有人数ランキングを参考にしています。
売買代金や出来高に関係なく、保有人数が多い銘柄が上位にくる仕組みです。
長期でガッツリと握っている投資家が多いほど順位が高くなる傾向があります。
では、早速ですが直近ランキングを確認してみましょう。
●ランキング調査期間(2022年12月5日~2022年12月9日)
※1ヶ月前から上昇橙・下落青
順位 | ティッカー | ETF名 | 特徴 |
1位 | VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 米国全体株 |
2位 | SPYD | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF | 米国高配当株 |
3位 | VOO | バンガード・S&P500ETF | 米国大型株 |
4位 | VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF | 米国高配当株 |
5位 | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 大型成長株 |
6位 | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 世界株式 |
7位 | HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF | 米国高配当株 |
8位 | SOXL | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF | 半導体×3 |
9位 | VIG | バンガード・米国増配株式ETF | 米国連続増配 |
10位 | QYLD | グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF | 配当(変則) |
海外ETF人気ランキングは、個別株と比べて変化が少ないのが特徴です。
今月は前月から銘柄・順位とも変化なしでした。
相場が不安定なこともあり、全体のランキングで目立つのは配当関連の銘柄。
現在はTOP10のうち5銘柄が配当系のETFです。
また、米国株全体(VOO・VTI)や世界株全体(VT)といった市場全体に投資する銘柄も人気です。
海外ETFランキングでは保守的な銘柄が多いですね。
一方で、2021年後半からレバレッジ型ETF(SOXL)がランクイン。
こちらは、半導体の製造や販売を行う世界30社で構成されるSOX指数に対して3倍の値動き目指すETFです。
また、今年に入ってからは QYLD もベスト10入り。
簡単にいうと、ナスダック100の上昇分を配当として受け取る設計のETFです。
次の項目では、人気ETFをリターン順に並び替えてみます。
人気10銘柄のリターンランキング!今年は高配当銘柄が強い
人気の10銘柄を直近5年間のリターン順に並べかえました。
(1年あたり平均年率リターン)
順位は分配金(インカムゲイン)を含めたトータルリターンで決めています。
●リターン調査の基準日:2022年12月8日
※順位横の( )数字は、人気ランキングの順位です。
※足元の株価状況の確認の為に、補足で年初来リターンも加えています。
順位 | ティッカー | ETF名 | リターン(5年) | 年初来 |
1位(5) | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 13.6% | -28.3% |
2位(9) | VIG | バンガード・米国増配株式ETF 配当 | 11.1% | -7.9% |
3位(3) | VOO | バンガード・S&P500ETF | 10.2% | -15.6% |
4位(1) | VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 9.6% | -16.9% |
5位(4) | VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF 配当 | 8.6% | 0.7% |
6位(8) | SOXL | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF | 7.3% | -81.4% |
7位(7) | HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF 配当 | 7.2% | 7.1% |
8位(2) | SPYD | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF 配当 | 6.3% | -0.3% |
9位(6) | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 6.1% | -15.9% |
10位(10) | QYLD | グローバルX NASDAQ100・カバード・コール 配当 | 3.6% | -17.2% |
過去5年間の年率リターンは成長株【QQQ】が好成績となっていますが、年初来は30%弱のマイナスです。
同様に【SOXL】【QYLD】についても厳し状態。
成長株関連のETFが年初来のワースト3となっています。
尚、昨年末時点で【SOXL】の年率リターン(5年)は約80%でした。
それが、今年に入って-80%の急降下です。
価格変動が激しい銘柄は、過去データは参考になりません。
一方で直近の年初来で奮闘しているのは、高配当株ETFです。
昨年までとは成長株と割安株の動きが反対になっている点は注目ですね。
相場不透明な時は分散投資が基本ですが、世界株は年初来-16%です。
世界的な物価上昇や景気への不安から分散効果が発揮できていません。
地域分散だけでなく、資産分散(債券・ゴールド・REITなど)や時間分散を加えないとリスク低減が難しい状況ですね。
また、注意したいのは為替(ドル円)です。
11月1日時点は148円でしたが、1ヶ月後の12月1日は135円 となりました。
円換算だと10%弱のマイナスになるので、この1ヶ月は多くの銘柄が日本円ではマイナスとなっています。
さて、ETFについてはリターンだけで良し悪しを判断するものではありません。
成長株のようにリターンは好成績でも、乱高下が激しくてストレスが大きい銘柄もあります。
次の項目では、価格変動の度合いが小さい順に並べ替えました。
安定的な運用をしたい人には注目です。
人気10銘柄のリスクランキング!バリュー株の安定感が光る
人気の10銘柄を直近5年間のリスクが小さい順番に並べかえました。
●リスク調査の基準日:2022年12月8日
基本的に数値が低い方が価格変動が小さくて安定的であると考えてください。
数値が高い銘柄は、値動きが大きいのでハラハラするかもしれません。
※順位横の( )数字は、人気ランキングの順位です。
順位 | ティッカー | ETF名 | リスク |
1位(10) | QYLD | グローバルX NASDAQ100・カバード・コール 配当 | 18.8 |
2位(7) | HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF 配当 | 19.5 |
3位(9) | VIG | バンガード・米国増配株式ETF 配当 | 19.7 |
4位(4) | VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF 配当 | 20.0 |
5位(6) | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 20.5 |
6位(3) | VOO | バンガード・S&P500ETF | 21.8 |
7位(1) | VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 21.9 |
8位(2) | SPYD | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF 配当 | 24.5 |
9位(5) | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 26.1 |
10位(8) | SOXL | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF | 104.8 |
安定性を検証するリスクランキングで1位は『QYLD』ですね。
ただし、過去5年の年率リターンは10銘柄で最下位となっています。
昨年までのような相場が安定している時は良いのですが、不安定になると他のETFよりも値幅が大きくなる可能性もあるので注意が必要。
リターンとリスクの両方で上位なのは、連続増配株を集めた『VIG』ですね。
優良企業が多いと言われますが、それを証明するような結果となっています。
反対に値動きが激しいのが、『SOXL』です。
数値の大きさがダントツなので注意してください。
悪い時はどん底まで下がります。
リターンとリスクのバランスが良い銘柄という点では、『VOO』『VTI』『VIG』『VYM』あたりですね。
先行きに対して不透明感がある時は、こういったETFの方が無難ですね。
投資はリターン中心に語られる事が多いのですが、価格変動(リスク)が大きい銘柄を保有するのはストレスが大きくなります。
リスクも含めて銘柄選択をするのがオススメです。
尚、私が海外ETFで注目しているのは、クオリティ株で構成された 米国株クオリティ配当成長ファンド(DGRW)です。
22年12月8日 | リターン(5年) | 年初来リターン | リスク(5年) |
DGRW | 11.1% | ‐3.4% | 19.8 |
VOO | 10.2% | ‐15.6% | 21.8 |
足元の成績はDGRWが市場平均を上回っていますね。
不透明感が強い時は、財務体質が良く稼ぐチカラがあるクオリティ株は選択肢の一つとして魅力的だと思います。
ETFは基本に長期投資でリターンを出すのが設計ですので、結果を急ぎ過ぎないことが大切。
今回は「2022年12月 海外ETFランキング!為替変動がリターンを帳消し」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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