海外で上場するETF(通称:海外ETF)は、通常の投資信託よりもコストが安く品揃えが豊富な事もあり年々人気が高まっています。
大手ネット証券等で気軽に投資が可能になったこともあり、投資の選択肢としてはスタンダードになりました。
ただし、好条件だからといって必ず儲かるわけではありません。
人気銘柄だと思って買ったら、ズルズルと下がり続けることも・・。
今回は、日本の投資家から人気が高い海外ETをランキング形式で紹介。
更にトータルリターン(5年)やリスク(5年)の実績も調査しました。
銘柄選択の参考にしてください。
尚、個別銘柄についても同様に調査さしていますので興味がある人は確認してみてください。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
★人気の海外ETFランキングTOP10 保有者が多い銘柄
ランキングデータはSBI証券の保有人数ランキングを参考にしています。
売買代金や出来高に関係なく、保有人数が多い銘柄が上位にくる仕組みです。
長期でガッツリと握っている投資家が多いほど順位が高くなる傾向があります。
では、早速ですが直近ランキングを確認してみましょう。
●ランキング調査期間(2023年1月9日~2023年1月13日)
※1ヶ月前から上昇橙・下落青
順位 | ティッカー | ETF名 | 特徴 |
1位 | VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 米国株市場 |
2位 | SPYD | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF | 米国高配当株 |
3位 | VOO | バンガード・S&P500ETF | 米国大型株 |
4位 | VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF | 米国高配当株 |
5位 | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 世界株式 |
6位 | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 大型成長株 |
7位 | HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF | 米国高配当株 |
8位 | SOXL | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF | 半導体×3 |
9位 | VIG | バンガード・米国増配株式ETF | 米国連続増配 |
10位 | EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | インド株 |
海外ETF人気ランキングは、個別株と比べて変化が少ないのが特徴です。
今月は珍しく銘柄・順位の変動がありました。
大型成長株で構成されるQQQが順位を落とし、世界株式のVTがランクアップしました。
TOP10のうち4銘柄が配当系のETFです。
また、米国株全体(VOO・VTI)に投資する銘柄も人気です。
海外ETFランキングでは保守的な銘柄が多いですね。
今月に入ってからは EPI(インド株)がベスト10入り。
以前は新興国市場全体(VWO)への投資が人気でしたが、各国で明暗が分かれてきました。
堅調に推移しているインドのみに絞りこむ人が増えてきた印象です。
また、レバレッジ型ETFは2021年後半から SOXL がランクイン。
過去1年の成績は厳しかったのですが、順位の変動がありません。
大きく下落したことで買っている人がいることもありますが、塩漬け状態になっている人が多いのが理由だと思います。
次の項目では、人気ETFをリターン順に並び替えてみます。
人気10銘柄のリターンランキング!今年は高配当銘柄が強い
人気の10銘柄を直近5年間のリターン順に並べかえました。
(1年あたり平均年率リターン)
また、直近1年のリターンも合わせて記載しています。
順位は分配金(インカムゲイン)を含めたトータルリターンで決めています。
●リターン調査の基準日:2023年1月13日
※順位横の( )数字は、人気ランキングの順位です。
順位 | ティッカー | ETF名 | 5年 | 1年 |
1位(6) | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 11.9% | -27.4% |
2位(9) | VIG | バンガード・米国増配株式ETF 配当 | 10.2% | -5.7% |
3位(3) | VOO | バンガード・S&P500ETF | 9.3% | -14.3% |
4位(1) | VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 8.7% | -15.1% |
5位(4) | VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF 配当 | 8.1% | -0.4% |
6位(7) | HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF 配当 | 7.1% | 6.7% |
7位(2) | SPYD | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF 配当 | 6.9% | -0.4% |
8位(5) | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 5.4% | -13.8% |
9位(10) | EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | 5.2% | -8.4% |
10位(8) | SOXL | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF | 4.2% | -80.0% |
過去5年間の年率リターンは成長株【QQQ】が好成績となっていますが、直近1年は30%弱のマイナスです。
半導体のレバレッジ型【SOXL】は、1年間の下げが-80%と厳しいですね。
ついに、5年(年率)でも最下位へ転落となりました。
尚、昨年末時点で【SOXL】の5年(年率)リターンは約80%でした。
今年1年で積上げた貯金を全て吐き出したような状態です。
価格変動が激しい銘柄は、過去データは参考になりません。
レバレッジ型はトレンドに乗る手法なので短期が基本です。
一方で直近の年初来で奮闘しているのは、高配当株ETFです。
昨年までとは成長株と割安株の動きが反対になっている点は注目ですね。
また、世界株のVTは米国株のVOOよりも1年・年初来とも好調。
米国株の不調が浮き彫りになったとも言えます。
今後は地域分散だけでなく、資産分散(債券・ゴールド・REITなど)や時間分散を加えないとリスク低減が難しい状況ですね。
また、注意したいのは為替(ドル円)です。
11月1日時点は148円でしたが、2ヶ月後の1月12日は128円 となりました。
円換算だと15%弱のマイナスになるので、年末~年始にかけて多くの銘柄が日本円ではマイナスとなっています。
さて、ETFについてはリターンだけで良し悪しを判断するものではありません。
成長株のようにリターンは好成績でも、乱高下が激しくてストレスが大きい銘柄もあります。
次の項目では、価格変動の度合いが小さい順に並べ替えました。
安定的な運用をしたい人には注目です。
人気10銘柄のリスクランキング!バリュー株の安定感が光る
人気の10銘柄を直近5年間のリスクが小さい順番に並べかえました。
●リスク調査の基準日:2023年1月13日
基本的に数値が低い方が価格変動が小さくて安定的であると考えてください。
数値が高い銘柄は、値動きが大きいのでハラハラするかもしれません。
※順位横の( )数字は、人気ランキングの順位です。
順位 | ティッカー | ETF名 | リスク |
1位(7) | HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF 配当 | 19.6 |
2位(9) | VIG | バンガード・米国増配株式ETF 配当 | 19.8 |
3位(4) | VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF 配当 | 20.1 |
4位(5) | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 20.6 |
5位(3) | VOO | バンガード・S&P500ETF | 21.9 |
6位(1) | VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 22.0 |
7位(10) | EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | 24.3 |
8位(2) | SPYD | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF 配当 | 24.5 |
9位(6) | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 26.2 |
10位(8) | SOXL | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF | 105.4 |
安定性を検証するリスクランキングで1位は米高配当株の『HDV』ですね。
2位は連続増配株の『VIG』、3位は高配当の『VYM』。
上位は配当系が独占しました。
リターンとリスクの両方で上位なのは、連続増配株を集めた『VIG』ですね。
優良企業が多いと言われますが、それを証明するような結果となっています。
反対に値動きが激しいのが、『SOXL』です。
数値の大きさがダントツなので注意してください。
レバレッジ型は、悪い時にはどん底まで下がることが、今回の相場で証明されてしまいました。
リターンとリスクのバランスが良い銘柄という点では、『VOO』『VTI』『VIG』『VYM』あたりですね。
先行きに対して不透明感がある時は、こういったETFの方が無難ですね。
投資はリターン中心に語られる事が多いのですが、価格変動(リスク)が大きい銘柄を保有するのはストレスが大きくなります。
リスクも含めて銘柄選択をするのがオススメです。
尚、私が海外ETFで注目しているのは、クオリティ株で構成された 米国株クオリティ配当成長ファンド(DGRW)です。
22年12月8日 | リターン(5年) | リターン(1年) | リスク(5年) |
DGRW | 10.0% | ‐3.1% | 19.9 |
VOO | 9.3% | ‐14.3% | 21.9 |
足元の成績はDGRWが市場平均を上回っていますね。
不透明感が強い時は、財務体質が良く稼ぐチカラがあるクオリティ株は選択肢の一つとして魅力的だと思います。
ETFは基本に長期投資でリターンを出すのが設計ですので、結果を急ぎ過ぎないことが大切。
今回は「2023年1月 海外ETFランキング!久々に銘柄・順位に変化あり」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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