2月の後半から市場が大荒れとなっています。
新型ウイルスの拡大による経済不安や主要産油国による減産強化の交渉決裂(原油急落)といった悪材料が重なり株価も大きく下げました。
私は投資信託の積立や現物債券の保有が中心。
さらに個別株は一定水準下がれば強制売却のルールを実践しているので、例年と変わらない運用が出来ています。
・・・と言いたいのですが、ひとつだけ大きな誤算がありました。
それが、為替(FX)です。
米ドルでスワップをコツコツ貯める手法を実践しており、私の運用の中でも安定感はトップクラスでした。
しかし、2020年に入って ドル円が101円台まで急落 、さらにFRBの緊急利下げで日米の金利差が縮小・・
描いたストーリーは完全崩壊!
イメージと現実にギャップが出てきたので、保有していたドル円のポジション(約10万ドル)は全決済しました。
今回は米ドルを決済した理由と今後の見直し戦略について書いてきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
ドル円の値幅は新ゾーンに突入!米国が利下げを実施
私の戦略は、世界の基軸通貨で金利水準が高い米ドルを保有してスワップポイント(金利みたいなイメージ)をコツコツ貯めていくものです。
値動きで細かく利益を狙う手法ではなく、ひたすら放置するだけ。
スワップが毎日チャリンと入ってくるので、ズボラ性格の私にはピッタリでした。
今まで、こんな簡単な方法で利益が増えていたのには、二つの理由があります。
一つは近年のドル円の値幅が固まっていて、 為替変動による損失がなかった こと。
もう一つは、米ドルが利上げを断続的に実施していて、スワップが魅力的な水準だったことです。
しかし、現在はこのストーリーが2つとも崩壊・・。
この状況について、次の項目で説明します。
ドル円の数年続いた強固な値幅が壊れた!
私が安心して米ドルを保有していたのは、ドル円の上値と下値が強固だったことがあります。
ここ数年は 105円~115円 の中で動いていました。
105円付近まで下がれば反発しますし、上昇時は115円が天井で押し戻される状態です。
しかし、この数年続いた値幅が『原油価格の急落(3月9日)』をキッカケに崩壊!
過去にも瞬間的に値幅枠から飛び出すことはあったのですが、今回は完全に105円を突破されて一時は101円まで円高が進みました。
基本的な考えとして、下値を突破された瞬間に従来の値幅(下値105円)は終了。
今後の下値はもっと低くなると思うので、安心感は無くなりました。
値動きの予想をする上で重要なのがチャート分析ですが、ズボラの私はこれが苦手。
そこで、ドル円の見通しは分析ツールの『ぱっと見テクニカル(FXプライムbyGMO)』で確認しまいた。
最大12年分(ローソク3,000本分)の過去チャートの中から、現在のチャートと形状が似ている時期を瞬時に探し出し、「過去の値動き」参考にして、「将来の値動き」を予測します。関連:FXプライムbyGMOの評価は? ガン見必須!3つの神機能に注目せよ
チャート上は一定水準までは回復しそうな予測となっており、実際に数日で一定水準まで回復したのでホッとしていました。
しかし、更なる衝撃が・・
FRBが実質ゼロ金利導入!スワップ収入が見込めなくなる
想定値幅が崩壊したことに加えて、強烈なニュースが飛び込んできました。
それが、FRBの実質ゼロ金利導入です。
※政策金利を 1.00%引き下げ、年0.00~0.25% 。
この決定により、日米の金利差が無くなった状態です。
毎日付与されるスワップは、金利差が小さくなれば減っていきます。
今までは多少の為替差損があっても、スワップでカバーできるという考え方がありました。
この思惑も完全崩壊したと言えますね 。
実際の話としてFRBが利下げをするたびにスワップが減少していた事実があります。
2020年1月と2月の月間合計スワップを比較したので確認してみてください。
※1万米ドルに付与された1ヶ月の合計スワップ
FX業者 | 2020年1月 | 2020年2月 |
LIGHT FX | 1540円 | 1472円 |
GMOクリック証券 | 1490円 | 1420円 |
DMM FX | 1420円 | 1405円 |
1月と比べて2月はスワップポイントが少なくなっています。
3月、4月は大幅に減っていくと想像しています。
(3月は現在の感じだと1000円~1200円?)
そもそも上記の3社はスワップ水準が高い会社なので魅力的な金額を維持していますが、 FX会社によってはこの半分以下というパターンもあります。
つまり、値幅レンジの崩壊とスワップ減少という私にとって不都合な出来事が同時に起こったわけです。
米ドルは一旦全売却!積立買付からスポット買付に変更
自分の描くストーリーが崩壊したのですから、保有していた米ドルは一旦全て売却です。
従来は積立FXをメインにしてドル保有をコツコツ増やしていましたが、こちらもストップ。
当面はスポット買付のみにしていく予定。
この理由はドル円の先行きに対して不透明感が強くなったからです。
私が積立をする前提には“長期的に上昇していくだろう”という自信があります。
しかし、米国が 利下げに方針が変わってしまった ので、為替に関しては長期的な強気材料が消えてしまいました。
総合的に考えると長期では円安方向だと思っていますが、中期的な方向感は全く分かりません。
現状では、ルールを決めてスポット買いをした方が利益(為替差益)を取りやすいという結論です。
ただし、慌てると失敗するので納得できる水準までジックリ待って購入していくつもりです。
尚、今後の米ドル取引に関しては、値動きの分析に強みがある“FXプライムbyGMO”を中心に実施する予定。
チャート分析のヒントになる『ぱっと見テクニカル』があることに加えて、 無料のオンラインセミナーが充実 していることが決め手です。
想定値幅の崩壊もあったので、次のレンジがハッキリするまでは慎重な買付となります。
株価と比べると為替は比較的安定していますが、今年はもう一度くらい大きな下げがあるような気がしています。
ただ、心理的な節目となる100円を下回るのは難しいと思うので、102円程度で買えればと考えています。
※買付後に100円を割った場合は、躊躇せずに損切りとなります。
今回は「保有していた米ドルを売却!FRBの緊急利下げで為替戦略を修正」について書きました。
記事の中で、ヒントになる点があれば投資の参考にしてみてください。