昨今の世界情勢と各企業の決算状況を確認して、投資方針を一部変更しました。
既に米国株から世界分散投資を中心にする点は実施してきていますが、今回は私が長期保有してきた米個別株についてです。
先日、アルファベット(GOOGL)を売却しました。
IT関連については成長性が高い分野ですが、主役交代が激しい分野なので基本的には個別株よりも指数(QQQなど)の方が良いと考えています。
ただし、アルファベット(GOOGL)に対しては、現代のインフラともいえる検索分野の覇権を握っている企業。
さらにキャッシュリッチ企業ですので、例外的に継続投資の対象としていました。
今回は売却する決断をした理由について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
米国株の勢いは鈍化していく?成長パワーの優位性なし
先ず大枠として現状の米国株ですが、世界株式の中心であることは間違いありません。
ただし、以前のように成長の牽引役になれるかは分かりません。
例えば今年(22年)~24年までのS&P500の予想EPS成長率については、日本のTOPIXよりも僅かに高い程度でほぼ同水準です。
「日本株に投資するよりも・・」と断言するほどの優位性は無くなりつつあります。
しかも割安度の指標であるPERでは、日本株よりも米国株の方が遥かに高い水準。
アメリカ株が過大評価されている印象があるので注意したいですね。
米国株に対して強気な投資家が多いのですが、以前と比べるとそのパワーが小さくなってきてる点は頭に入れておく必要があります。
グロース株に対しては、しばらく弱気に見ています
次にIT関連などに多い成長株に対しての見方です。
この分野は、金利の影響を受けやす分野!
私はインフレについて市場は楽観的に見過ぎているという立場です。
市場の考える期待インフレ率は2.5%未満で、実態とは大きく離れた状態です。
いずれ過去の平均水準になるという考えだと思うのですが、私は3.5%~4%強くらいの水準が長く続くと想像しています。
米国の金利は過去30年間にわたって下がってきました。
そして、これは成長株に対して追い風がずっと吹いていたという意味でもあります。
しかし、現状はグローバル化から分断の世界へと逆回転しているように見えます。
ロシアの問題もありますが、米中の対立も長期的に重い材料ですね。
諸々のことを考えると、インフレ率が過去の平均水準(2%前半)に戻るのは難しいと判断しました。
10年債利回りも再び上昇していけば、グロース株が売られる可能性は高くなります。
また、ナスダック100は6月半ばに底をついて、そこから短期間で約20%以上も上昇しています。
最高値から見れば依然としてマイナス水準ですが、それは保有を継続している人の話。
底から買付した人にとっては、売却する人が出てくる水準です。
短期的な動きは分かりませんが、数か月単位でみていけば成長株は再び下落する可能性が高いと私は予想しています。
アルファベット(GOOGL)についての懸念点
アルファベット(GOOGL)の主力は広告事業です。
近年はクラウド事業の成長が著しいですが、やはり中心となるのは広告収入です。
足元の状況としては、この広告分野が鈍化してきています。
特に以前まで好調だったYouTube広告の売上高に急ブレーキが掛かりました。
全体的な広告分野についてもメタ(フェイスブック)やツイッター、ティックトックとの競争で、現状維持も危うくなってきています。
不景気になれば企業も広告費を削ってくる可能性が高い点は注意です。
また、検索についてインスタやツイッターを使う人の割合も高まっていますね。
グーグル独占の状態から少しづつ変化が見えます。
トップ企業の地位は不動でも、多様な選択肢が生まれたことで成長という点については疑問が出てきました。
アルファベットとしては、今後は成長分野のクラウドへの転換を考えているようなので業績については期待できる点もあります。
ただし、それはマイクロソフトやアマゾンに投資をしても同様なのでアルファベットに執着する理由もありません。
検索や広告で圧倒的な地位が続くと想像していましたが、そのシナリオは変更する段階にきたと判断!
ストーリーが変わってきたので継続保有にあたっては定期的に株価チェックが必要になります。
ホッタラカシ投資が基本の私にとってそれは日常の楽しい時間を削る行為・・。
現在の生活に満足しているので、そのペースを乱してまで保有する気はありません。
充分に利益も取れましたので、このあたりが引き際という結論に至りました。
成長株はiDeCoで長期投資!基本はクオリティ株を中心に買付
昨年は成長株のETF(QQQ)から撤退、今年はアルファベットです。
グロース株については、世界株の中にも含まれているのでそれで充分という結論。
しかし、成長株については長期的には再び大きく上昇するシーンがあると考えています。
実際に私の個人型確定拠出年金(iDeCo)については、ナスダック100に連動する投資信託を選択しています。
成長株に対するイメージは「いつか上昇するとは思うけど、それが来月なのか5年後、あるいは20年後なのか分からない」という感じですね。
足元の市場については、金利動向によっても主役が変わってきます。
景気についてはソフトランディングが有力ですが、本格的な不景気に突入するシナリオも消えていません。
その状況によって相場の主役が大きく変わってしまうので、今後を決めつける投資は避けるようにしています。
現在の株式投資ではクオリティ株(財務健全・稼ぐチカラがある)を中心に買付中!
こういった銘柄は際立った強い時期は無いのですが、反対に弱い時期もありません。
良い意味で「いつも、まあまあ!」なので、現在の不透明相場とは好相性だと考えています。
今回は「米国株のアルファベットを全売却!グロース株への投資は手仕舞い」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば、運用のヒントにしてみてください。
私はDGRW(クオリティ株)の定期買付を実施しています
米国株の長期投資戦略として海外ETFの積立を実施しています。
現在のメイン対象は【DGRW】米国株クオリティ配当成長ファンド。
配当を実施している米国の大型株約300社で構成されるETFです。
ROA・ROEの収益性等の指標から、利益(配当)成長が期待できる銘柄を投資対象としています。
「長期的には利益成長と株価は連動する」という私の方針と合致したことが決定理由です。
先行きが不透明な時にはピッタリなETFだと考えています。
長期運用に向いている設計ですので、10年単位の定期積立で大きなリターンを目指していこうと思います。
尚、私はマネックス証券を米国株のメインにしています。
米国株の為替手数料(買付時)無料と時間外取引に対応してる点が魅力。