積立投資をしばらく継続していくと、だんたん投資の知識も深くなってきて個別株にも興味が出てくると思います。
短期間でドーンと利益を出している人の話を聞いたりする、「個別株でサクッとお小遣い稼ぎでもするかな?」なんて気持ちになりますよね。
ただし、基本的にはおススメしません。
積立投資を行っている人が個別株にチャレンジすると高い確率で失敗します。
これは投資企業への勉強不足といった話ではなく、もっと根本的な理由。
今回は積立投資をメインにしている人に向けて、個別株投資の基本的な考え方を書いていきます。
売却すべきはどっち?含み益と含み損
積立投資では一定期間の経過がすると資産配分の割合が崩れてくるので、リバランスという作業を行います。
もっとも単純なやり方としては「高くなった資産を売却して、安くなった資産を買い付ける」という方法です。
長期で積立を実施するときの王道手法ですね。
では、短中期の株式売買で「含み益が出ているA株」と「含み損が出ているB株」があった時は、どうしたら良いでしょう?
実は「損失が出ているB株を売って、A株を買い付ける」というのが、儲けを出す為の近道になります。
積立投資の考えとは正反対!値上がりした株を買うなんてムチャクチャな気がしますね。
この理由について説明します。
シンプルに考えれば、個別株の投資手法が正しい?
積立投資をメインにしている人が個別株を運用すると「利益が出ている株を売却して利益確定!損失が出ている株は回復を待つ」というパターンになりがちです。
しかし残念ながら、個別株の場合はこの方法で成功した人は少数派。
ハッキリ言えば、典型的な失敗コースです。
これを理解するには、別の例で考えれば簡単!
例えばあなたがゲームソフトの小売店を経営しているとしましょう。
ほとんどの人は不人気の“ゲームB”の在庫を減らして、人気がある“ゲームA”の仕入れを増やしたいと考えるはずです。
これを株式投資で考えるならば「損失が出ている株を売却して、利益が出ている株を買う」となりますね。
株式投資の成功者は「安く購入して、それが上昇した」(逆張り)というパターンが多いように感じますが、これは稀なケースです。
成功者の9割以上は「魅力的な株を高く購入して、それを更に高い価格で売り抜ける」(順張り)という手法です。
積立投資の手法とは根本的に違うので、頭の切り替えができないと個別株で期待通りの成績を出すのは難しいと思います。
勝率は関係なし!目指すのは利益額のみ
積立投資は途中で商品を入れ替えることは可能ですが、基本的には同じ商品を長く運用することになりますね。
途中経過より長期見通しがプラスであることが大切ですので、堅い商品が人気があります。
それに対して個別銘柄の投資では損切り・入れ替えは当たり前の世界!
ちょっと乱暴に言うと「10銘柄のうち1銘柄さえ成功すればOK」という考えです。
大きなリターンを得る人の共通項は「損切りが早い」点。
そしてプラスになった銘柄は徹底ホールドで利を伸ばしていきます。
つまり勝率よりも、利益額を狙う考えです。
時々ですが、好成績を出している投資家の銘柄を真似したがる人がいますが、私自身は“意味が無い”行為だと思っています。
彼らの凄いところは、4勝6敗や3勝7敗の負け越しであってもトータルでは大きな利益を生み出す行動力(決断力)です。
銘柄選定はそのオマケにすぎません。
積立投資を行っている人が個別株で成績が伸びないのは、銘柄への思い入れが強すぎるのも理由だと思います。
積立投資は長期運用なので商品選びがとても重要なのですが、個別株の場合は危険を感じたら躊躇なく切り捨てる機動力の方が大切です。
根本的に積立投資とはスタイルが違いますね。
ちなみに、下落時に見切りをつける機動力は頭で理解できても簡単には行動に移せません。
株式投資で大きなリターンを出す人は、その過程で何度も失敗&成功体験を積み上げてスタイルを確立させていきます。
個別株にチャレンジするには、逆指値を利用せよ!
このように見ていくと、積立投資と個別株では手法が違うのが分かると思います。相当に頭が柔軟でないと、両方で好成績を出すのは難しいですね。
結論としては、積立投資を行っている人は“個別株に手出し無用”となりますが・・・、これもチョット淋しい気がします。
そこで活用したいのが、一定水準まで株価が下がったら強制的に決済する【逆指値】です。
積立投資をメインにしている人は“損切りが苦手”な人が多いので、個別株を購入するときは機械的に実行する仕組みを作るのが良いと思います。
私自身も個別株やETFでは逆指値をするのが定番手法!
一般的なネット証券ならば【逆指値】は定番機能となっていると思うので積極的に活用してください。
ちなみに、SMBC日興証券では 売却タイミングをしらせれくれる『AI株価見守りサービス』 という機能があります。
これは本当に凄い機能ですから、口座を持っている人は積極的に利用してみてください。
※他証券で保有している株式もサービスの対象です。