22年の株式市場は波乱の展開となっています。
近年の上昇相場を牽引した米国株が、逆に市場の足を引っ張る展開。
今年はインフレ圧力による金利上昇、地政学リスクの高まり、経済の失速見通しといった株式へのネガティブ材料が山盛り状態です。
ただし、株価が大きく下落したことで悪材料もかなり織り込まれた印象。
売られすぎと言われいたグロース株も足元は反発しています。
背景には投資家のインフレ懸念の後退、政策引締め圧力の低下を予想する声が増えてきたことがあります。
このまま上昇するのが理想ですが、私は秋から冬に株式市場が再下落することを警戒しています。
今回は米国市場の先行きについて懸念している点について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
株式に対して楽観的な見通しが強い!裏切られた時はどうなる?
少し前までインフレ率が低下せずに景気後退になるとの観測から、世界の株式と債券から資金が逃げていく状態が続きました。
今回の流出はリーマンショックを超える規模ですので、歴史的な出来事と言えます。
しかし、足元では様子が一変!
インフレ急低下と引締め圧力の後退の楽観論が広まっています。
この影響で、株価は急上昇へと転じました。
私自身は、現在の急上昇には危うさを感じています。
・・というのも、希望的観測の要素が強すぎるからです。
インフレの低下予想といっても、実際には何も根拠はありません。
「永久に高止まりが続くわけがない」という過去の経験から希望的観測を述べているだけに見えます。
しかし、このインフレは過去に前例が無い規模の金融緩和やグローバル化の反転といった出来事が発端になっています。
過去の経験が当てはまると考えるのはちょっと無理がありますね。
徐々に上昇していく展開ならば良いのですが、反発パワーが強すぎる時は織り込んでいた悪材料が白紙に戻ってしまいます。
問題となるのは楽観論が裏切られた時の市場の反応です。
予想に反してインフレが高止まりした場合は、期待が大きかっただけに反動も大きくなる可能性があります。
グロース株や中小型株など足元で急上昇している銘柄は、逆指値などリスク回避の施策を行う必要がありますね。
私はインフレは高い水準が続くと予想しています
物価上昇の背景には、エネルギー価格の急騰があります。
この点については、ある程度は落ち着いてくる(下がる)と予想しています。
ただし、ロシアの強硬姿勢を見ると以前の水準までエネルギー価格が下がるとも考えずらいので一定以上の高止まりを想像しています。
さらに厄介なのは人件費の高騰です。
米国はトランプ大統領時代の移民制限、更にコロナ禍で入国停止なども加速されました。
アメリカの人口増加要因の大半は移民です。
そして、賃料を抑制できたのもそれが理由。
現在の米国は景気後退が予想されていながら、強烈な人手不足という過去に経験していない状況に陥っています。
もちろん米政府は移民受け入れを拡大していく方向ですが、短期間で以前の水準に戻そうと思えば反発があるので一定の時間が必要です。
つまり、人件費という点でもインフレ圧力は継続すると考えています。
エネルギー価格も思ったほど下がらない、人件費の上昇も止まらないという事は普通にあり得る話。
私自身は「インフレ急低下と引締め圧力の後退」という予想はちょっと楽観的すぎるという立場です。
米インフレ率(8~9%)はさすがに異常値と思っていますが、4~5%の高止まりが続く状況は充分にあり得ると思っています。
現在の楽観論で相場が続いた場合は、年後半にかけて「あれっ?予想と違う・・」というケースも出てくるような気がします。
先行きの相場は不透明感があることを頭に入れた上で、投資戦略を考えたほうがいいですね。
大切な資産を失う可能性が高い手法はしない
私は保守的なスタイルなので、反転上昇が続けば周囲よりもリターンが小さくなる事になります。
しかし、それで全く問題ありません。
不透明要素が大きい時は、冒険するよりも資産を守ることが大切です。
私が行うのは世界分散投資を基本にした積立投資ですね。
米国株に拘らずに新興国株や債券、不動産(REIT)、ゴールド(金)などに幅広く分散していきます。
今後の主役がわからない状況なので、全部に投資をするという単純な戦略。
また、米国株についても投資についても、財務体質が良く稼ぐチカラがある企業(クオリティ株)に注力しています。
着実に資産が増えていくならば、大儲けなんて狙う必要はありません。
今は資産を減らさない仕組みを作る方が大切だと思います。
昨年までとは相場状況(基礎条件)が違うという事は、今後も自分に言い聞かせていく必要がありますね。
今回は「米国市場は復活したの?インフレ高止まりの可能性は消えていない」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば、運用のヒントにしてみてください。
私はDGRW(クオリティ株)の定期買付を実施しています
米国株の長期投資戦略として海外ETFの積立を実施しています。
現在のメイン対象は【DGRW】米国株クオリティ配当成長ファンド。
配当を実施している米国の大型株約300社で構成されるETFです。
ROA・ROEの収益性等の指標から、利益(配当)成長が期待できる銘柄を投資対象としています。
「長期的には利益成長と株価は連動する」という私の方針と合致したことが決定理由です。
先行きが不透明な時にはピッタリなETFだと考えています。
長期運用に向いている設計ですので、10年単位の定期積立で大きなリターンを目指していこうと思います。
尚、私はマネックス証券を米国株のメインにしています。
米国株の為替手数料(買付時)無料と時間外取引に対応してる点が魅力。