投資の王道と言えば「株式」と「債券」です。
値動きが反対になる傾向があることから、この2つを組み合わせるのが資産運用のモデルとされてきました。
しかし、近年のマーケットは「株式」と「債券」が同一方向に動く事も少なくありません。
そこで分散投資の一つとして注目されているのが不動産です。
ただし、現物不動産となると金額も大きく、簡単にチャレンジできるものではありませんね。
選択肢として有力なのが、証券取引所に上場しているJ-REIT(不動産投資信託)です。
投資家から集めたお金を運用して賃料(一部売却益など)の収益を分配する仕組みで、数万円程度の小口投資が可能。
運用もプロに丸投げできるので、気軽に投資できるのも魅力です。
今回は、J-REITについて私の考える投資ポイントについて書いていきます。
個人的には、23年 狙い目の資産 という位置づけです。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
J-REITは低迷?仕込み買いの好機と捉えています。
今年のJ-REITについては、残念ながらネガティブです。
資産クラスの中でもパフォーマンスは下位になる可能性が高いと考えています。
特に気になるのが以下の2つです。
・都内の再開発でビルが大量供給(2023年問題)
一般論で言えば『金利が上昇すると不動産価格は下落する』です。
J-REITにとっても支払い利息の増加(分配金の減少?)になるので、投資家から見るとネガティブですね。
また、都内の高層ビルの建設ラッシュも気になります。
オフィス関連は空室率の上昇や賃料下落といった不安を抱えており、上値が重くなりそうですね。
悪材料が集中しているので、難しい一年となりそうです。
しかし、逆に言えば今年が底になる可能性があるので、絶好の仕込みチャンスとも言えます。
次の項目では、私の買いポイントを探る方法について、具体的に紹介していきます。
「10年国債」と「J-REITの分配金」利回りの差に注目!
長期金利が上昇すると、J-REITは支払い利息の増加となるのでマイナス要素と説明しました。
教科書的な説明はこれでOKですが、実践では別にもっと大きな理由があります。
それが、「10年国債の利回り」と「J-REITの分配金利回り」の差です。
ここに注目して投資をしている人がとても多いのです。
例えばですが、東証REIT指数が1850ポイントだと分配金利回りは約4%です。
現在の10年国債の利回りは約0.5%です。
この数値をまず頭に入れてください。
今後、仮に日銀の金融政策が変更されて、長期金利の変動幅の上限を0.5%から0.75%にさらに拡大した場合を想定してみましょう。
この場合、「J-REITの分配金利回り」が4.25%にならないと「10年国債の利回り」 3.5% の差が維持できなくなります。
分配金が増えるのが理想ですが短期間では無理ですね。
その結果として、J-REIT価格が下がる事で利回り4.25%に近ずくというパターンが想像されます。
REIT投資は分配金利回りを意識している人が多いので、これが価格下落の理由として大きいと考えています。
東証REIT指数の利回りを4.25%になる水準は、ザックリですが1750ポイント(▲100ポイント)くらいですね。
東証REIT指が5%~6%くらい下落するイメージです。
結論としては、私が買い指値を入れているのはこの位置です。
ただし、これは日銀が長期金利の変動幅を拡大させる、もしくは拡大見通しが高まることが前提の話。
拡大実行がされず、気運の高まりも無ければ、買えない可能性もありますね。
私は既に一定のJ-REIT保有があるので「買えなくてもOK」という姿勢ですが、今からJ-REIT資産を増やしたい人はこの方法は参考になりません。
さて、日銀の長期金利の変動幅を0.75%で想定しましたが、1%への大幅拡大や完全撤廃という可能性もあります。
更にJ-REIT価格が下がる懸念してる人もいるかもしれませんね。
私はその点については、全く気にしていません。
仮に0.75%以上に拡大しても、10年国債の利回りは0.8%程度が適正と考えています。
瞬間的にJ-REIT指数が急落する可能性はありますが、3.5% の利回り差を当てはめると1700ポイントを長期的に下回ることは想像しずらいですね。
もちろん、実際にはマーケットがどのように反応するか分かりませんが、大きく下がっても時間経過で回復すると考えています。
尚、長期金利の変動幅を拡大する時期についてはわかりませんが、イベント等を見ていくと今年の夏~秋ごろが警戒ですね。
長期視点では2000ポイント超えを予想しています。
今後の長期金利が拡大すれば、東証REIT指数が1700~1750ポイントまで下がる可能性があると書きました。
これを見て、1900~2000ポイントで買った人は不安に感じているかもしれません。
結論を言うと、私はいずれ2000ポイントを超えると予想しています。
実は「10年国債の利回り」と「J-REITの分配金利回り」に対して 3.5% の利回り差と書きましたがこれは今だけの可能性が高いです。
本来は3%の差で充分に魅力的な水準。
この差があれば、通常であれば買いが優勢です。
2.5%程度まで狭まると売られますが、2%台の後半なら許容範囲と言えます。
この視点で考えると、東証REIT指数が2000ポイントでも決して割高ではありません。
足元は金利上昇で先進国債券に流れる動きがあること、日銀の金融政策が不透明という部分でJ-REIT価格に重しが掛かっているという状況。
通常よりも利回りの差が大きいのは、これが理由だと推察されます。
現在の水準は、長期視点ならば面白い水準というのが私の考えです。
少しづつ拾いながら大幅安があればガツンと仕込むという方法も選択肢ですね。
今回は「J-REITの投資チャンス到来?利回りから考える買付の勘所」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば、運用のヒントにしてみてください。
補足ですが、記事の中で書いた利回り差は、これは東証REIT指数(全体)に限定する話です。
REITの個別銘柄で10年国債と利回り差が大きければOKといった事ではありません。
信用力が低い銘柄や将来的に分配金が下がる可能性がある銘柄ならば、3.5%の差では全く足りません。
逆に現在の利回り差が2%台のREIT銘柄であっても、信用力が高いと長期安定の分配金が期待できるので低い利回りでも許容されます。
J-REITの個別銘柄が100円から買付できます。
現在のJ-REITは長期的には魅力的な水準なので、コツコツ投資をしていくのは面白いと思います。
そこで、活用したい面白いサービスがあるのがSMBC日興証券です。
J-REITの個別銘柄の最低買付は、5万円~80万円と幅があります。
少額投資ができないことを理由に投信やETFを選択している人もいると思います。
そんな中にあって、例外的に個別銘柄が100円から買付できるのがSMBC日興証券。
この証券会社はキンカブというサービスを実施していて、金額単位でJ-REITの個別銘柄を買付できます。
例えば、大和ハウスリート(8984)ですが、こちらに投資するには普通の証券会社では最低でも約30万円の金額が必要です。
しかし、SMBC日興証券なら金額指定で買えるので、100円分や1000円分といった買い方ができます。
買付手数料(スプレッド)は100万円までゼロ(無料)です。
しかも、積立設定も可能という優れものです。
私はこのサービスを利用して、J-REITを買い集めました。
メジャー証券の中で-REITがドルコスト平均法で帰る貴重な会社です。
J-REIT投資を行う上では非常に魅力的だと思います。
また、債券投資にも強いので社債購入などに興味がある人も注目です。