低迷していた米国株ですが、23年に入り順調に推移しています。
2023年2月20日時点、米国株の3指数についてまとめたので確認してみてください。
米国の人気指数 | 配当 | 予想PER | 年初来リターン |
NYダウ工業株30種 | 2.1% | 17.9倍 | 2.1% |
S&P500種 | 1.7% | 18.7倍 | 6.2% |
ナスダック100指数 | 0.9% | 25.1倍 | 13.0% |
いずれの指数もプラスを維持しています。
その中でも大型成長株を中心とするナスダック100が強いですね。
大きく下落していた半導体関連株やテクノロジー関連株が大きく上昇したのが要因です。
一方で、失速してきているのがデイフェンシブ銘柄・・。
昨年は好調だった生活必需品やヘルスケア・飲食などが年初から下落しています。
さて、成長株の上昇で「強気相場の復活」と言う声も聞こえてきましたが・・
私は再び米国市場は下落する予想をしています。
今回は米国市場の実情と相場の乖離について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
株価上昇は一時的な反応?ポジティブ要素が重なりました
年初から米国株が上昇している理由を考えると、インフレ鈍化の兆しが見えてきた点が大きいと思います。
また、欧州が歴史的な暖冬によりエネルギー価格が下落したことで、経済が予想よりも落ち込まなかった事もプラス材料。
さらに、中国がゼロコロナ対策を解除したことで、経済が急回復するという思惑も広がってきました。
ポジティブ材料が重なったことで、投資家心理が改善したことが今回の株高要因と思われます。
株式にとってプラス要素が重なったのですから悪いことではありません。
ただし、投資家心理で上昇している時は注意が必要。
過去を振り返ると、「最高の状態を想像して動く」ことが多いからです。
期待が強すぎて、実体経済と株価が乖離してしまうパターン。
このケースは、現実のネガティブ材料が出てくるにしたがって株価が下がっていくことが多いです。
株式市場はジグザグを繰り返してていますが、債券市場では一貫して景気低迷を想定した動きをしていますので注意が必要です。
株価上昇の中身が怪しすぎる・・
記事の最初で「年初から半導体関連株やテクノロジー関連株が大きく上昇、反対に生活必需品などディフェンシブ株が下落」と書きました。
この状況がとても気になります。
明らかに景気回復の初期に多い値動きです。
本当にそうならば問題ありませんが・・
しかし、実態は反対へ向かっているような気がします。
FRBの金融引締めを実施していますが、これらが景気・企業の業績にマイナスの影響が出てくるまでには時間差があります。
直近の企業決算を見ても、利益予想が下方修正されるものが多い・・。
このマイナスの傾きは、欧州や日本よりも米国(S&P500)に強く出ています。
景気に対する悪い影響が本格的に出てくるのは今からと考えた方が自然ですね。
今から減速へと向かうのがメインシナリオです。
現状の株高を見ると、ポジティブ材料を好感した投資家の心理改善が大きな要因。
その結果として、株価のPER(割高・割安の判断材料)は割高水準です。
つまり、今後の業績の悪化については織り込まれていない可能性が高い!
心理面の改善だけでは本格的な上げ相場復活は難しいですね。
むしろ、楽観が強すぎるとマイナスになった時に大崩れする心配もあります。
もちろん全く景気後退が無いという可能性もあります。
ただし、そのパターンだとFRBが金融引締めを長く継続する可能性が高くなります。
金利の高止まりとなれば、株価にとってマイナスですね。
相場の重しは想像しているよりもずっと根深いので、強気な投資姿勢は避けた方がよいと考えています。
不透明相場で投資家が取るべき行動は?
株価についてはファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)だけで決定されるものではありません。
数年前の米国株は割高水準のまま最高値を何度も更新していますからね。
心理面だけで上昇が続いたことがあるのも事実。
その点では、強気な投資も間違いとは言い切れません。
ただし、ファンダメンタルズが悪い方向というのも事実。
そして多くの場合では、時間経過でその流れに近づいていきます。
確かに低迷相場の中でもチャンスはあるのですが、梯子が突然はずされる可能性は頭に入れておいてください。
リスクがとれる範囲内で投資をすることは何も問題ありません。
それでも、こういった時期ですから、万一が起きた時に損失を最小限に抑える施策は実施すべきだと思います。
施策として簡単なのは、一定水準まで下落したら機械的に売却する「逆指値」の設定。
私は個別株に投資をする時は必ず実施しており、それが現在の資産を築けた理由の一つでもあります。
株価予想にはセンスが必要ですが、損しないような仕組みは自分の意志だけで行えます。
つまり、大きな含み損を抱えたり塩漬けになるのは相場のせいではありません。
そこは自分の意志で一定のコントロールが可能だからです。
不透明感が強い時は、予想がハズレた場合も考えて投資を行うのは当然の事。
相場の霧が晴れるまでは、負けない投資を意識した方がいいと思います。
今回は「米国株の上昇は短期間で終了?業績への悪影響は遅れてやってくる」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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