資産運用を行う理由について調査をすると、『老後の生活資金』という項目が1位の常連となっています。
平均寿命は年々伸びている事に加えて「将来は年金が貰えないのでは・・」といった不安もあるので当然ですね。
またTVや新聞では老後破綻や介護の問題などが頻繁に取り上げられているので、「お金が、いくらあっても足りない・・」といった気持になる人も少なくありません。
ただし、FPの仕事と並行しながら社会福祉士として高齢者とも多く接してきた私から見ると、“ちょっと事実と違うなぁ~”と感じることもあります。
特に老後や介護といった分野に関するお金の話は、現実と大きくズレているケースが多いので注意してください。
今回は介護分野で大きな誤解となっている点について記事を書きます。
この記事の目次
健康寿命データから、誤った情報が蔓延?
年齢に関するデータとしては平均寿命が有名ですが、最近では健康寿命という言葉も注目されています。
「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」の事。一般的に平均寿命と健康寿命の差が「健康ではない期間」とされます。
平均寿命と健康寿命が同じだと良いのですが、実際には約10年の開きがあります。そして、それを理由に介護期間が約10年とする論調が目立ちます。
最初に結論を言うと、完全な間違い!
確かに10年以上も介護を継続している人もいますが、それは一部の話にすぎません。
『介護期間は10年』なんてセールストークをもとに、保険商品が販売されているケースもあるようなので、注意してください。
介護期間10年が嘘の理由!
先ずは介護期間10年の根拠とされる、厚生労働省のH29簡易生命表の平均寿命と直近の健康寿命を見てみましょう。
男 | 女 | |
平均寿命 | 81.09歳 | 87.26歳 |
健康寿命 | 72.14歳 | 74.79歳 |
寿命の差 | 8.95年 | 12.47年 |
平均寿命と健康寿命の差は、男性が約9年で女性が約12年。
2つの寿命差は約10年ですので、介護期間10年というのは合っているように見えます。
この勘違いの原因は『健康ではない期間=寝たきりの介護期間』という決めつけです。
『健康ではない期間』の症状は必ずしも寝たきりでなく、“膝が痛い”や“耳が遠い”といった症状も含まれているのが実情。
つまり、多少の不自由はあっても、日常生活が立派に自立できている人達が多く含まれているのです。
・・・というのも、健康寿命の平均値となっている70代前半ですが、介護給付費の実態調査から考察すると、要支援や要介護の割合は1割以下です。
平均寿命に近い80代前半ですら3割にも満たない状態(ただし、80代後半は60%)ですから、介護期間10年というのはオーバーを通り越した表現です。
このことは周囲を見渡せば、70代・80代でも元気な人が多い事からも、明らかですね。
ちなみに、以前に介護費用について記事を書いていますが、そもそも介護状態にならないケースも多いので、過剰に心配する必要はありません。
関連:介護費用っていくら準備すればいいの?お金の不安をスパッと解決
年金が無くなるなんて予定はありません
老後生活に対して過剰に不安になるのには、将来の年金に対する不安も大きいと思います。
確かに将来的に向かって減額や支給年齢の引き上げという話は出てくると予想されます。
ただし、年金は我々から徴収される保険料だけでなく税金も使用されています。例えば消費税などはイメージしやすいですね。
つまり、超高齢社会で保険料を払う人が減少したからといって税金部分があるので0になりません。
年金だけで贅沢に暮らすのは難しいとは思いますが、年金が0になる事を想定した過剰な資産目標は不要だという事です。
ちなみに私は老後資金の金額は2000万と設定していますが、これは平均的な老後生活をイメージして算出しています。
やや質素な生活していくならば1000万~1500万でも充分可能。
ただし、女性に関しては100歳まで生きる事が現実になってきたので、余裕をもって3000万を目指して運用する方が安心感はありますね。
関連:人生100年時代って本当?女性がすぐに資産運用を開始すべき理由
老後のトータルケアができる専門家は少ない
今回の記事を読んで、『どうして正しい情報が広まらないのだろう?』という疑問をもった人もいると思います。
この理由ですが、老後生活と老後資金は全く違う分野なので両方に精通している人が少ないという事実があります。
健康寿命のデータに関しても、金融の専門家やFPが勘違いするのも当然です。私自身も数年前までは間違って認識していました。
老後資金や生活については、テレビや専門家が一部の事例を普通の事のように発信する事があるので不安に感じている人が多いと思います。
しかし、現場も知っている私から見ると、かなり偏った意見が多く的外れな内容も目立ちます。
そもそも、老後資金なんて普通に資産運用していけば問題ありません。
また、老後生活でも今後の不安から必要以上に切り詰めた生活をする人もいるのですが、私はこのようにアドバイスをさせていただいています。
『なんだ、このアドバイスは?』と感じた人もいると思いますが、元気で健康であることが出費を抑える最大の秘訣です。
笑い話に聞こえるかもしれませんが、仕事上の経験から感じる本心です。
老後の不安は行動することで解消できます!
今回は「介護が平均10年間という大嘘?老後生活で節約なんて不要です!」について書きました。
老後については漠然とした不安を持っている人が多いのですが、実際に計算していくと普通に準備していけば充分に到達できる金額です。
また、もしも目標額に達しなかった場合でも、月の支出額を若干減らしたり仕事の収入でカバーするといった選択肢はあるので大丈夫。
ただし、生活費の為に仕事に追われるような状態はストレスが大きいので、ある程度の資金は確保しておくべきだと思います。
老後資金は年金もあるので、早めに行動していけば思った以上に簡単に準備できます。
また、資産運用に関しては預金or株式・投資信託の2社択一と思われがちですが、債券という選択肢もあるので、そちらも合わせて考えてみると良いでしょう。
関連:投資信託にダメだしって本当?安定運用がしたければ債券に注目せよ
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私は積立設定だけして、ホッタラカシている状態です。
私の資産は年々増えているので「凄い!」と言われる事もあるのですが、実際は投信に丸投げしてるだけというのが本当の話。
資産運用の王道的な資産配分ですので、興味がある人は確認してみてください。
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