投資によって得られる利益は大きく二つに分けられます。
一つは“安く買って高く売る” といった値上がりから得られる利益。
(キャピタルゲイン)
もう一つは、今回の記事で書く配当金や分配金、金利といった利益です。
(インカムゲイン)
大きな違いはキャピタルゲインは売却という行為によって利益がえられるのに対して、 インカムゲインは保有しているだけで得られる点です。
『株価が値上がりして、資産が〇百万円も増えた』という話を耳にすることがありますが、売却をしていない状態においては利益ではありません。
莫大な含み益があっても、売却した時に○○ショックが起きればマイナスになることもあります。
それに対して配当(分配金)や金利といったインカムゲインは、定期的な実利益です。
その後に暴落があったとしても、配当の返金を求められるわけではありません。
【持っているだけで確定利益が発生する】というのが最大の魅力!
長期投資や老後に向けた資産運用で人気が高いのも納得ですね。
今回は FP の私が投資している物流施設リートの魅力について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
高配当の落とし穴!景気低迷で減配や無配になる事も・・
金融商品を保有しているだけで 配当(分配金)が得られるのは魅力的です。
高配当株を多く保有すれば、配当金で生活することも夢ではありませんね。
ただし、この高配当株戦略については注意点もあります。
配当は企業の利益から出ている点です。
逆に言えば、利益が無ければ配当がゼロになる可能性もあるということ・・。
株価が下落すると配当利回りが上昇して高配当株に人気が集まるのですが、 その後に『業績不振で減配(無配)になった・・』という話は少なくありません。
つまり、配当戦略では 最初に【配当の継続性】があり、次に【利回り】です。
この順番が反対になっている人が多いので注意してください。
私はREITへの投資を今年から本格的に行っていますが、その中で注力しているのが“物流施設を主体”にしたリート。
配当(分配金)に関して安心感が高いのが理由です。
ここからは、物流系リートに投資を注力している理由について説明します。
J-REITの配当(分配金)は、賃貸収益が中心です。
配当に関しては企業利益が根源となっていますから、業績によって左右されてしまいます。
景気低迷が長期化した場合は、心配ですね・・
それに対してJ-REITは、配当(分配金)は賃貸収入が元手になります。
賃貸収入が契約によって守られている点で、株式の配当よりも安定性が期待できます。
ただし、 問題となるのが賃貸契約の内容!
例えば、ホテル施設や商業施設を中心にしたリートは変動賃料の割合が高いので、景気低迷に対して配当金(分配金)が大きく目減りする可能性があります。
また、オフィスビルは固定賃料ですが、テナント企業が低迷すると退出や値下げ交渉が頻発するのが厄介な点・・。
リモートワークが増えていけば、 現在のオフィスを更新しないケースも想定されますね。
賃料固定となっていて期間契約が長期というのが魅力ですが、こんな好条件のリートが本当にあるのでしょうか?
実は、物流施設の賃貸契約は、この内容を満たすパターンがほとんどです。
例えばですが、私の保有する銘柄の1つ【CREロジスティックス投資法人(3487)】の内容について確認してみましょう。
稼働率100%で賃貸契約期間は約8年!
今回の新型コロナウイルスの活動自粛で日本経済は大きなダメージを受けました。
そんな中にあって、動きを止めなかったのが物流!
ネット通販の拡大は多くの人が実感しているはずです。
さらに、コンビニエンスストアをはじめとする小売業では、店舗での在庫をギリギリまで絞って細い配送で対応するのがスターンダード。
この流れを止めるのは難しいことから、物流へのニーズは今後もますます拡大すると予想されています。
さて、ここで私が保有する物流系リートの内容を確認してみましょう。
【CREロジスティックス投資法人(3487)】を確認すると、稼働率が100%で平均賃貸契約年数は約8年となっています。
ただし、契約してから時間も経過しているので、 契約の残存年数は約6年ですね。
もちろん、物流施設も契約期間中に解約となるケースもあるのですが、CREロジスティックスの場合は※定期借家契約100%ですのでこの心配は無視できます。
※途中解約は基本的に残存年数賃料相当の違約金が発生。
そもそもの話として、借り手としては物流施設の移転は相当な費用とリスクが発生しますので簡単に実施できることではありません。
また、現状では契約期間が満了しても、すぐに新しいテナントが決まる環境ですので長期的な安定分配金が期待できます。
※物流系リートは財務面でも保守的な運営を行うところが多い
私は物流施設リートを中心に約300万円分の投資を行っていますが、年内にあと200万円を上乗せする予定。
経済の先行きが不透明ですが、インカムゲイン(配当や分配金)に対する安定性と確実性から物流施設リートに対しては強気姿勢です。
ちなみに、物流系の銘柄としては以下のようなものがあります。
(私は7割程度の銘柄は既に購入済み)
コード | 銘柄 |
2979 | SOSiLA物流リート投資法人 |
3281 | GLP投資法人 |
3283 | 日本プロロジスリート投資法人 |
3466 | ラサールロジポート投資法人 |
3471 | 三井不動産ロジスティックパーク |
コード | 銘柄 |
3481 | 三菱地所物流リート投資法人 |
3487 | CREロジスティクスファンド |
3493 | 伊藤忠アドバンス・ロジスティクス |
8967 | 日本ロジスティクスファンド |
物流施設リートは魅力!ただし集中投資はNGです。
物流施設のリートは内容が魅力的ですから、手持ちの資金を“100%投資”しても良い気がしますね。
しかし、分散投資の一つと考えるほうが良いでしょう。
J-REITの業態においては好条件ですが、 他の投資と比べてデメリットもあります。
まず第一点として、J-REITは予想以上に値動きが大きな投資商品。
賃貸収入の安定感から考えると、ちょっと不思議ですね。
この理由としては、J-REITのマーケット市場は株式と比較すると圧倒的に小さいという点があります。
簡単に言うと、大口の投資家が売ってしますと価格が大きく下落します(逆に大きな上昇もあります)。
物流リートに関しては、一時的に下がっても回復が早い傾向があるのですが、売却時期によっては貰った配当金(分配金)よりもマイナスになる可能性は0%ではありません。
さらに、日本の地震リスクは無視できません。
物流施設という建物があるメリットがある一方で、建物の毀損リスクを考える必要があります。
価格変動と地域分散などを考慮した上で、投資を行っていく必要がありますね。
J-REITは時間分散で買付!ドルコスト平均法が可能です。
私はJ-REITの購入はSMBC日興証券に集約しています。
この理由は、J-REIT(個別銘柄)でドルコスト平均法が可能な貴重な証券会社だからです。
一般的な証券会社では、J-REITの購入はく口数単位なので1銘柄につき数万~数十万も費用が掛かります。
投資信託の積立も選択肢ですが、私が買いたいのは物流施設です。
オフィスや商業施設を含む東証REIT指数に連動するファンドには魅力を感じません。
この機能ならば、物流施設の銘柄だけを選択して、投信のように積立設定が可能。
※1回の買付は100円から対応しています。
⇒ J-REIT投資の新戦術!ドルコスト平均法が可能になりました
例えば、私がキンカブで積立をしている 産業ファンド投資法人(3249)については以下のような感じです。
月額4万円を積み立てしています。
月に一回でもいいのですが、月5回(8000円×5回)に分けて自動買い付けを行なってる状況です。
尚、私もJ-REITに本格投資をするようになって分かったのですが、SMBC日興証券はJ-REITのIRセミナーなどが他社と比べて圧倒的に多いです。
この記事についても、SMBC日興証券からの情報を多数参考にしています。
J-REITの情報力という点ではネット証券を圧倒していますので、この投資に興味がある人にとっては最有力の会社だと思います。
今回は『配当狙いの本命!FPの私が“物流施設リート”への投資を強化する理由。』について書きました。
記事の中でヒントになる点があれば参考にしてみてください。