投資信託で資産運用を行うときには「分配金が出ないタイプ」を選択するのが望ましいとされています。
この認識は投資経験者の間では広がっていますが、一般の人に浸透するのには時間が掛りそうです。
「毎月分配型で資産が目減りしてしまった」という話は、年配の方を中心に耳にするので保有している人は依然として多い状況。
実施に投資信託ランキングを見ても、上位10本のうち7本が毎月分配型です。
★純資産残高トップ5:2019年4月末
順位 | 商品名 | コスト | 分配金 |
1位 | ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配) | 1.79% | 月40円 |
2位 | フィデリティ・USハイ・イールドF | 1.71% | 月30円 |
3位 | フィデリティ・USリートB(H無) | 1.51% | 月35円 |
4位 | ひふみプラス | 1.06% | なし |
5位 | 東京海上・円資産バランスファンド(毎月) | 0.91% | 月30円 |
直近1ヶ月の資金流入実績でも1位は毎月分配型・・
金融庁が注意喚起をしたり、販売会社が提案を控えたりしているのですが、お客様が望んで購入しているケースも多い状況です。
実際に私自身も相談者が毎月分配型のパンフレットを持ってきて「これを買ってみようと思うんだけど?」と言われたことがあります。
今回は私が相談時に毎月分配型に対する説明について書いていきます。
この記事の目次
分配金の説明は各社ともしっかり明記している
昔は投資信託の説明が曖昧なケースもあったのですが、現在はしっかり説明されておりパンフレットにも分かりやすく明記されています。
下記はフィデリティ・USハイ・イールドFの分配金に対する説明の一部を抜粋したものですが、これ以外にも丸々1ページを割いて分かりやすく書かれています。
しかし、依然として毎月分配型の投資信託に対して、預貯金の利息と似たようなものだと勘違いして購入するケースは後を絶ちません。
やはり「毎月の分配金」という言葉が魅力すぎて、それ以外の部分は見落としてしまうケースが多いようです。
「確認しないのが悪い」 という理屈もあるのですが・・?
こういった商品を求める人は投資経験が少ない人が多いので判断するのは難しいですね。
元本を削って分配する部分に対しては「元本払戻金(旧:特別分配金)」と呼び名を変えましたが、相変わらず難解な言葉のような気がします。
私が毎月分配型ファンドに対して実施している説明
投資の経験がない人にとって「分配金」と言われてもイメージ出来ません。
毎月もらえる “利息”や“お小遣い”と考えるのは普通の話。
そこで、私が毎月分配型ファンドを説明する時は以下のように言い方をします。
「毎月、決まった金額が強制的に売却されるタイプの商品です」
“強制的”や“売却”といった言葉を使うことによって、いい意味で警戒心を持ってもらうようにしています。
これで、分配金に対する幻想はキレイに無くなります。
同じように「分配金利回り〇%」という話に関しても「年間に〇%が強制的に売却されると考えてください」 と説明。
“分配金が貰える”ではなく、“売却する”ですから正反対のイメージですね!
売却という言葉を使うと、“毎月分配型は資産が増えずらい”という点も簡単に認識してもらえのもメリットです。
私の説明は厳密にいえば正確性に欠けるのですが 、学校のテストではありませんから商品の大枠を知ってもらう事を重視しています。
補足:毎月分配型を既に保有しているケースでは?
分配型の投信を長期で運用しているケースでは、元本が大きく目減りしているケースもあります。
相談者の中には元本が半分や1/3になった数字をみて「 大損してしまった」とガッカリしている人も少なくありません。
このパターンでは、過去にもらった分配金をしっかりと計算して「本当に損をしているのか?」という実態確認からスタート。
私の経験上ですが、貰った分配金を含むトータル合計ではプラスであったり、マイナス金額が小さいケースがほとんどです。
“毎月分配型=大失敗”ではありません。
資産を増やすのが目的なら「もっと効率的な選択肢があるよ!」というだけの話です。
過去に貰った分配金を計算して“トータルでは損していない”ということが分かると、前向きなれる人が多いのでシッカリ確認したいですね。
投資は簡単ですが、やたらと難しい言葉が多い
「貯蓄から投資へ」という言葉 が使われるようになってだいぶ経過しましたが、現実の行動としては広がっていません。
投資は誰でもできる簡単なものですが、専門用語が多いので必要以上に難しく感じてしまいます。
例えば、投資信託の運用コストとして「信託報酬」と言った言葉はありますが、初めて聞いた人には何を言っているのかさっぱり分かりません。
私は投資初心者の方には「年会費の事だと思ってください」と説明しています。
普段からイメージできる言葉に置き換えてあげるだけで、相談者の理解は格段に上がります。
資産を増やすのに“用語なんてどうでもいい”というのが私のスタンス!
少しくらい不正確であっても、その意味をザックリと理解できれば充分です。
余談ですが私が相談員として駆け出しの時に、先輩から最初に教えていただいたのがこんな言葉でした。
「この業界で評価が高い人は、専門用語を絶対に使わない」
商品内容を理解できていれば、毎月分配型でもOK?
今回は「投資信託ランキングは毎月分配型だらけ!分配金の幻想を打ち砕くFPの説明とは?」について書きました。
参考になる点があればヒントにしてみてください。
毎月分配型に関して言うと、老後生活の中で資産を取り崩しながら運用したいという場合であれば利用価値はあります。
ただし、資産を今から老後に向けて大きく増やしていきたいという場合には向いていません。
投資信託については増やすことを目的に実施している人が多いと思うので、やはり現在の投資信託ランキングは違和感がありますね。
ちなみに私自身は積立投資を実施していますが“世界分散投資&分配金なし”を選択!
やはり、老後に向かって資産形成を行うのであれば、「分配金なし」の方が目的にマッチしています。
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私の 運用方針 は【長期・分散・積立】が基本スタイルです。
そして、積立投資で活用しているのがクレカ積立!
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