ここ数年は投資スタイルが確立できたこともあり安定的に資産が増えています。
もっとも、失敗する可能性が低いガチガチ投資ばかりを選択しているので、“大儲け”とは無縁ですね。
今年もプラスで終了できると予想していますが、頭で描いた通りに進んでいるかと言えば、そんなことはありません。
堅い投資ばかりを選択してるのですか、年間通してパーフェクトだった経験は2~3回だけで、だいたい取りこぼしがあります。
そして、今年も損切り商品が発生してしまいました。
外貨MMFの“豪ドル(オーストラリアドル)”で、損切りする事態に・・
今回は「甘い見通し」と「もっと増えるかも?」と欲張った結果、損失を招いた体験談を書いてきます。
もっと儲けたい! 欲に目が眩んで“お祈り投資”という失態
約3年前に豪ドル建て債券を購入して保有していました。
当時は「1豪ドル=約80円」と現在よりも円安水準でしたが、 利回りが4%程度と好条件だったので200万円分を購入。
3年後の満期を迎えた時は「1豪ドル=約78円」と円高になっており、円換算にした時は元本が目減りした状態です。
ただし、定期的に受け取っていた利息が大きかったので、運用トータルでは余裕でプラスとなっていました。
購入当時も『仮に円高になったとしても、金利も含めればマイナスになる可能性は小さい』と考えたことを記憶しています。
しかし、私が満期後にとった行動は“豪ドルを円に戻さずに、外貨MMFで継続運用”でした。
簡単に言うとトータルでプラスなのに元本の目減りを回収したいと欲張ってしまったのです。
そして、これが大誤算だったことは言うまでもありませんね。
豪ドルで根拠のない“お祈り投資”!最後はマイナスに転落
豪ドルの現在の状況は、皆さんご存知の通りです。
円高は加速してしまい一時は70円を割る展開となりました。
結局は72円弱で損切り・・。
私の中にあった『一瞬でも80円に戻れば・・』という期待は完全に崩れ去りました。
金利のプラスが全部吹き飛ぶ悲惨な状況・・
3年の時間をかけて最悪の結果で終わりました。
もっとも、債券の満期(償還時)で為替差損がある時は外貨MMFで運用するという方法に関しては間違っていたとは思っていません。
この点に関しては王道戦略でもあります。
ただし、それは円安になる見通しが立っている場合の話であって、円高になる可能性の方が高ければ利益確定しなくてはいけません。
この基本を無視したのが大きな敗因!
今回に関しては、自ら損しに行ったようなものですね。
ちなみに、私がどれくらい無謀な状況で豪ドル投資を継続したかを説明しておきます。
豪ドルの魅力は先進国の中でも金利が高い点です。
しかし、政策金利はここ数年は下落の一途・・
★豪州の政策金利 2016年~2019年
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
2.00% | 1.50% | 1.50% | 1.00% |
※各年1月時点の政策金利
私が債券を購入した時期と比較すれば、政策金利は半分になっていますね。
更に言えば2019年10月は0.75%になっていますので3分の1・・
2018年と比較しても半分になっています。
さらにオーストラリアは中国景気に影響を受けやすいので、現状の中国を見れば混乱が続きそうなのは容易に想像ができますね。
オーストラリアは世界で最も長く経済成長している国(今年で28年連続の予定)という好材料もありますが、悪材料の方が強いのは明らかです。
誰が見ても短期間で豪ドル高/円安に戻る可能性は低い状況・・
この状況で80円回復を期待したのですから、完全な“お祈り投資”ですね。
外貨MMFは魅力的な商品!株式等と損益通算が可能
私のミスが酷すぎて外貨MMFが危険な商品に見えてしますが、普通に行えば外貨投資の初心者にはピッタリの優良商品です。
実際に、今回のミスに対しても救いの手を差し出してくれたのは外貨MMFのメリット。
この商品は、株式や投資信託の収益や配当・分配金と損益通算が可能です。
私は株式投資の配当が多いので、今回の損失はそれで相殺されます。
逆に言えば、このメリットがなければ今でも僅かな可能性を信じて“お祈り投資”を継続していた可能性がありますね。
そもそも豪ドルは損切りをしたのですが、永久的に円高状態になっていると考えたわけではありません。
先ほども書いたように「世界で最も長く経済成長を続ける国」ですので、市場の雰囲気が変われば数年後にはプラスになっている可能性は充分にあります。
そもそも、 外貨MMFは分配金が自動的に再投資される仕組みなので、長期保有に向いている商品。
ただし、豪ドルの政策金利から考えると短期間の回復は難しく、分配金の額も米ドルの半分程度・・
つまり、長期の回復を待つよりも売却してプラスが期待できる商品を選択したほうが賢明だと考えたわけです。
外貨MMFの利用方法としては、円高な時に米ドル外貨MMFを購入して金利が高いドル建て債券が出てきたら乗り換えるというのが一般的です。
普通に利用すれば利用価値が高い外貨投資の優等生です。
現在は外貨MMFで指値注文ができる証券会社もありますので、投資の選択肢として面白いと思います。
関連:外貨MMFで指値ができるって本当?“為替キャッチャー”を活用せよ!
今回は「【反面教師】豪ドルの運用で損失!失敗の原因は“儲けたい欲望”」について書きました。
反面教師として参考にしていただければと思います。
私のお気に入り外貨投資は『積立FX』です。
日本人の感覚で言うと外貨投資というのは少し遠い存在のイメージがありますね。
ただし、海外では外貨を持つというのは普通のことです。
私は将来的に円安方向だと思っているので、外貨投資に対しては前向き!
その中でも個人的に気に入っているのが『積立FX』です。
FXに関してはギャンブル的なイメージが強いのですが、これは毎日少額の外貨を自動的に買い付けていく方法なので安定志向の投資家に向いています。
私は何年も継続していることもあり、積立FXからのスワップ金利だけ毎年約20万円の収入があります。
完全ホッタラカシですので、不労所得の感覚ですね。
Blog: 毎年20万円の不労所得!安定収益を生み出したのは意外にもFXです
日本のマイナス金利は当面は解除が難しいと予想されるので、長期にわたってスワップ金利の恩恵が続くと考えています。
外貨投資に興味がある人は選択肢の一つとして検討してみてください。