米国株の魅力の一つに、革新的な企業が多い点があります。
世界の新しい文化を作り上げたGAFAMは、その代表ですね。
このようなシリコンバレーのハイテク企業やIT関連の新興企業の割合が高いのが、ナスダック(NASDAQ)です。
成長株の代表的な指数として認知されており、投資家からも注目度が高いですね。
ただし、今年は株価が低迷しています。
これに対して「今が買いチャンス」といった前向きな意見も見掛けるのですが、これは本当でしょうか?
今回はナスダック(米国成長株)の現状についての考察です。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
直近1年の成績は日本市場と同じレベル(むしろ劣っています)
米国市場に投資をする理由に、「日本市場は魅力に欠けるから・・」といったことをあげる人もいると思います。
私も米国株のキッカケはそれでした。
何十年という期間で見れば米国株のパフォーマンスは圧倒的に良好。
今後の成長という点でもプラス材料はアメリカの方が多いですね。
成長株が多く含まれるナスダック市場についても、「一時的に低迷しても、すぐに復活する!」と考えている人も少なくありません。
しかし、昨年までが好調だからといって、今後も同じようになるとは限らないのが投資の世界。
実際に直近1年間のナスダック(NASDAQ)と日本市場(TOPIX)をみると、リターンは同水準です。
★データ基準:2022年4月14日
※グラフはマネックス証券の指数比較を活用
リターンは同じですが、値動きの安定性を考えると総合的には日本市場(TOPIX)の方が良好です。
ナスダックは高値からの下落幅が大きいので、大きなマイナスとなっている人もいると思います。
昨年迄なら、こういった時が仕込みチャンスでした。
下落時に買った人は、軒並み大きな高リターンを獲得しています。
しかし、今後も同じ状況になるかは分かりません。
ちょっと気になる点があるので、次の項目で説明します。
成長株は過去5年・過去10年とも強い!でも、安定感なし
ナスダック(NASDAQ)の直近1年リターンが日本市場(TOPIX)と同じでも、過去5年なら圧倒していると考える人も多いと思います。
実際に過去5年データを見ると成長株のリターンは凄いです。
★データ基準:2022年4月14日
※グラフはマネックス証券の指数比較を活用
やっぱり5年で比較すると大きな差がありますね。
でも、これだけを見て「ナスダックは下がってもすぐに復活する」という結論は危険です。
次に直近10年の比較を確認します。
5年と同じで、ナスダック(NASDAQ)が日本市場(TOPIX)を圧倒しているのですが、その中身は全く違っています。
★データ基準:2022年4月14日
※グラフはマネックス証券の指数比較を活用
後半5年間のナスダック(NASDAQ)は凄い勢いですが、前半5年はそれほどでもありませんね。
ナスダックは長期で上昇していますが、じゃじゃ馬のような指数で動きは不安定です。
もっと言えば、5年・10年の低迷なんて普通に考えられる指数です。
ナスダックが注目されはじめたのはここ数年なので、「ナスダックは下がってもすぐに復活する」と考えがちです。
しかし【直近5年だけが、たまたま強かった】という見方もできます。
昨年までのデータは、全く役に立たない可能性があるという事。
直近5年は明らかに突出して強い状態です。
これが永久に続くとは考えるのは無理があるので、強気になりすぎるのは危険だと思います。
米国市場は昨年とは違う!金融政策や市場テーマに変化あり
米国の成長株が昨年まで強かった理由は、金融緩和で溢れたマネーが市場に流れ込んできた事があります。
しかし、今年からは金融引き締めです。
何でも上昇というボーナス期間は終了しました。
そして、成長株で注意したい点はもう一つあります。
ここ数年間は、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ビッグデータを用いた技術革新の期待から第4次産業革命という言葉が生まれました。
つまり、ナスダック全体が大きなテーマ株となっていた可能性があります。
実力以上の株価になっていたとしたら・・
今後の市場注目点は、期待から実績へと変わっていくと思います。
昨年までのような反発期待はありますが、その確率は小さくなってきている点は頭に入れておきたいですね。
繰り返しになりますが、もともとナスダックは5年・10年の低迷は想定される指数です。
NASDAQは下落していますが、PER水準は過去の平均と比較すれば依然として割高水準! 成長スピードが鈍化すれば20年くらい沈んでも不思議ではありません。
ハイテク産業が今後も成長分野であることは間違いありません。
ただし、期待値が既に株価に織り込まれていれば「利益成長=株価上昇」にはならないという事です。
成長株に投資するのは悪いことではありませんが、単純に昨年の成功体験からの買付であるならば再考したほうが良いでしょう。
ここ半年をみるとグロース株は大きく下がっているので、反動による上昇は期待できます。
ただし、一時的に上昇だけで“割安だから買われた”と判断するのは時期尚早!
急激な下げによる自立反発(マーケットの癖)と考えるべきです。
数字上は依然として割高ですので、更に深い下落に転じる可能性もあるという点は忘れてはいけません。
成長株は私も注目しています!ただし、全力投資の時期ではない
ここまでの記事を見て「kaoruさんは、成長株には反対の人では?」と感じた人もいるかもしれません。
決してそんな事はありません。
私のiDeCoはナスダック100への集中投資です。
私は超長期のリターンについてはナスダック(成長株)がもっとも良い結果になると想像しています。
ただし、足元の成長株は割高なものが多いので、米国の金融政策がマイナス材料となります。
しばらくは米国市場の主役もハッキリしない状態が続くと想像しています。
成長株に自信を持って集中投資するだけの材料はありません。
現在の状況ならば、メインは堅い投資で成長株は補足程度で充分というのが私の考えです。
今回は「ナスダック(グロース株)の考察!今後5年も低迷するって本当?」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
尚、先行きが不透明なので、私は安定成長が期待できるクオリティ株に注目しています(海外ETFのDGRWに投資)。
景気の良し悪しや相場の流行の影響が小さく、どのような状況でも一定以上の成績を残してきた点が気に入っています。
米国株についてはクオリティ株を中心に投資をしていく予定です。
米国株のメインはマネックス証券!独自性と条件面から決めました
私は米国株・海外ETFの取引で、マネックス証券をメインにしています。
その理由は、大きなリターンを得る為の条件が揃っているからです。
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