米国株は長期的に右肩上がりを続けており、投資対象としてS&P500やNASDAQに注目する人が増えてきました。
アメリカは先進国では異例の人口増加という強味がある事にくわえ、イノベーションと起業家精神で新しい文化を次々と生み出してきた実績があります。
今後についても世界市場の牽引役となることが予想されており、投資では外すことができない存在だと思います。
そういった背景から「日本市場は、魅力がない」といった意見も多く聞かれるようになってきました。
今回は「日本市場なんてダメだ」と考えている人、「米国株なら大丈夫」と考えている人に読んで欲しい内容です。
米金融政策の変化もあり、従来とは違う動きが出て来ています。
直近の日本市場と米国市場の比較することで、堅い投資を考えるキッカケになると思います。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
米国株よりも日本株の方が優秀?足元で起きている変化に注目
「米国がくしゃみをすると日本は風邪をひく」という経済の例え話がありますが、これは株式市場でも似た傾向があります。
NYダウが下がった翌日は、日本市場が大荒れになることは過去に何度もありました。
ただし、足元をみると少し状況が変わってきています。
直近1ヶ月の「日経平均」「S&P500」「NASDAQ」のチャートを比較したので確認してみてください。
日本市場はそれほど下がっていません。
もっと言うと3月前半に底をつけて、そこからは10%も上昇しています。
一方で米国株は3月前半の底値を突き抜けて更に下落へ。
足元は回復していますが、まだ3月の水準よりマイナスです。
以下は3指数の年初来リターンと1年トータルリターンを表にまとめたものです。
基準日:2022年5月20日時点
指数 | 年初来リターン | 1年リターン |
日経平均株価 | -7.13% | -3.74% |
S&P500 | -18.14% | -4.79% |
NASDAQ | -15.10% | -27.42% |
円安を考慮すれば違った結果になりますが、本来の実力である現地通貨で比較しています。
年初来リターンは予想していましたが、1年リターンでも日本株が米国株に勝っている状態ですね。
さらに2年チャートで比較してみましょう。
これを見ると、日本株は思った以上に強いことが分かります。
1位 S&P500と2位 日経平均は、ほとんど同じ水準です。
価格の安定感も考慮すれば、日経平均の方が優秀と言ってもよいと思います。
NASDAQに関しては、リターン・リスクとも日経平均に惨敗という状態。
もちろん10年単位であれば米国株が圧勝です。
しかし、ここ2年については従来とは違う結果になっているのが事実。
気になるのは、米国株は2つの指数とも高値から下落幅が大きい点です。
これだけ振れ幅があるとダメージ大きい人も多いと予想されます。
一方で日本株は米国株よりも値幅が小さく直近は上昇しています。
損失は限定的で、年初来でプラスの人もいると想像しています。
さて、好条件が揃う米国株が低迷して、不安材料が多い日本株が踏ん張っているのは不思議ですね。
この点については、日本株の歴史を振り返るとその理由が見えてきます。
過去最高値を超えられない日本株!でも、大きな誤解があります
日経平均株価はバブル期の1989年に約4万円まで上昇しました。
2022年5月20日現在の株価は約2万7千円で最高値には遠い状態。
以下は日経平均の長期チャートです。
米国株は新高値を何度も更新していることを考えると、日本株の長期チャートは残念な結果ですね。
この状況から「日本は30年以上も成長していない」という話へと繋がっていきます。
しかし、これには大きな間違いがあります。
実はバブル最高値の時よりも、企業利益でみると3倍くらいまで成長しています。
直近の決算も良好で、昨年度は全体で過去最高益となる見通しです。
「日本は30年以上も成長していない」というのは株価だけの話で、利益はシッカリと伸びているのです。
こうなると、バブル最高値を超えられないのが不思議ですね。
勘のいい人は分かったと思います。
その答えは、単純にバブル期の株価水準が高すぎただけです。
現在のPERが12倍~13倍ですが、バブル期は約5倍の60倍でした。
これでは利益が3倍になっても、株価が最高値を超えられません。
米国株は適正水準を模索中?年後半まで乱高下が続く可能性あり
昨年までの米国株は、金融緩和の影響でどんどん上昇していました。
つまり、日本株のバブルと同じ状態で、実態よりも割高になっていた状態。
そう考えれば、米国株が年初から低迷している理由が見えてきますね。
いくら利益が伸びても、株価水準が高すぎれば上昇しないという事。
前年比較が良好でも下落となる可能性もあります。
さて、ここで頭に入れて欲しいのは「長期投資では割安株を選択する」(割高なものに手を出さない)という基本です。
ここ数年は相場が好調だったこともあり、PER50倍以上の銘柄に対して長期投資するみたいなメチャクチャな話が横行していました。
相場が好調で金融緩和をしている時ならば、こういった戦略も悪いとは言えません。
しかし、今は環境が変わった のです。
日本株がバブル高値を超えられないのを見れば、割高水準で買うことの危険性は理解できると思います。
そして、私が米国の成長株に対して昨年から投資対象外にした理由でもあります。
米国株市場の上値が重い理由は複数ありますが、適正水準を探している過程という点もあります。
成長株が強かった時とは前提条件が正反対になっているというのが現実です。
今まで良かった!だから今回も・・
これは、低金利という追い風があった時の話です。
成長株に投資をするならば、明確な反転上昇を確認してからと望むべきというのが私の考えです。
今回は「日本株の方が強いって本当?米国株の完全復活に時間が掛かる理由」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
尚、米国株が低迷している理由が割高であるという話をしましたが、日本株は逆で割安のまま放置されています。
現在の水準なら下値は限定的と考えており、私は3月の下落から日本株も投資対象に加えています。
4月末時点で日本株の保有は500万円程度でしたが、5月も毎日積立を実行して現在は700万円弱です。
利益額が増えてきましたが、私のターゲットは日経平均株価29500円~30000円。
年後半での達成を想定していますので、淡々と積み上げていきます。
スパークス・新・国際優良日本株ファンドを松井証券で積立中!
私が日本株への投資で選択したのはファンド賞の常連である「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」です。
日本株投信で好成績を残している銘柄は中小型株を対象とするものが多いのですが、大型株で優良という珍しいファンドです。
ただし、アクティブ型ナので信託報酬が高いのが難点・・。
そこで、現金還元サービスのある松井証券で積立をして実質コストを下げるようにしています。
この証券会社は、信託報酬の販売会社の取り分のうち 0.3%を上回る部分を現金還元 するサービスがあります。
※ポイントバックだと更に還元率アップ
具体的に【スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)】について確認してみましょう。
信託報酬の年率1.804%(税抜1.64%)を分解すると以下のようになります。
各社の内訳 | 運用会社 | 0.9% |
販売会社(松井証券) | 0.7%(0.4%還元) | |
信託銀行 | 0.04% | |
信託報酬率(合計・税抜) | 1.64% |
松井証券の取り分である0.7%のうち、0.3%を上回る部分が現金還元されるので、対象となるのは0.4%ですね。
毎月、 年率計算で0.4%は戻ってくる ので、事実上のコスト削減となります。
私はこのサービスが始まってからは、アクティブファンドは基本的に松井証券で買付しています。
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