複利は「元本についた利子に対して更に利子がつくこと」を言います。
例えば100万円を金利3%(年利)で1年間預金したとすると、1年後には103万円になります。そして翌年は103万円に対して金利3%がつきます。
利子が利子を生んで膨らんでいくので雪だるま式に増えていきます。
さて、最近は『株式投資は複利で増える』なんて言葉を頻繁に耳にするようになってきました。
これは本当でしょうか?
最初に結論を言うと、株式投資は複利ではありません。
金融機関等の紹介分をよ~く見ると、このように書いてあるはずです。
投資は複利の効果が期待できる。
複利と言っておきながら、その後に効果?期待?・・・
冷静に見ると怪しさ120%の言葉ですね。
“効果が期待できる”ということは、そうならない可能性もあるという事。
直訳すれば「投資は複利ではありません」です。
頭に入れておいて欲しいのは“投資の複利効果”という言葉は、騙しのテクニックとしても使えてしまうという事です。
今回は『複利効果が期待できる投資』と『複利効果を利用した嘘』について書いていきます。
この記事の目次
複利効果という言葉を乱発!ポジショントークも多い?
“複利効果が期待できる”という言葉は、投資信託の説明などで頻繁に使われます。
私自身も仕事の中で使うことが多いですね。
この理由としては、日本人は投資に対して短期売買になる人が多いので、長期投資メリットを理解してもらう上でピッタリだからです。
ただし“複利効果が期待できる”と『複利』は完全に別物!
複利は元本保証が前提なので、不確定要素のある投資では使えないのです。
その証拠に、株式市場がグングン上昇している時は【複利効果】という言葉が乱発されますが、株価が急落すると誰も言わなくなりますね。
つまり、金融関係者や投資家の“ポジショントーク”として使われいてる一面があります。
問題なのは、複利とは似ても似つかない投資商品についても使われるようになってきている点。
この点について説明していきます。
その商品は本当に“複利効果”が期待できるの?
投資のリターンについて、考えてみたいと思います。
例えば、元本100万円が5年後に150万円になったと想定しましょう。
この場合だと、複利計算だと1年あたりの平均リターンは8.4%となります。
以下のようなイメージですね。
上記は1年目は100万円に対して8.4万円のプラスです。
5年目は増加分が上乗せされるので1年間の増加額が11.6万円になります。
上昇率は同じでも複利効果により毎年の増加額がどんどん増えています。
こういった投信であれば、今後も同様の成長が期待できそうです。
しかし、次のB投信の例をみてください。
B投信の場合は、4年目までずーっと停滞していますね。
しかし、5年目に投資対象にブーム到来で大きく上昇しました。
何だか一時的な上昇で長続きしない気も・・
さて、ここで注意です。
最初と5年目の数値がA投信と同じなので5年間の平均年率リターンは計算だと8.4%で同数値になります。
チャートからA投信とB投信が同じリターンだと考える人は少ないはずです。
でも数値は同じなのです。
つまり、年率平均リターンが良好だからといって優良投信とは限らないという事。
B投信は最初の4年間だけで見ればマイナスリターンなのですから、投資対象のブームが終われば急落するかもしれません。
“複利の効果が期待できる”なんて口が裂けても言えない商品。
でも、『過去5年間の平均年率リターンは約8%です』と言っても机上の数値としては嘘ではありません。
ある意味では、投資商品の成績は抜き出す期間によって操作できるという事でもあります。
数値だけで判断するのではなく中身をシッカリ確認する必要があります。
残念ながら、金融商品が良く見える期間を抜き出しいるケースはゼロとは言えません。
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投資は負けなければ増える!大勝負をする必要はありません
投資商品で『複利効果が期待できる』という言葉は、数年前まで【世界分散&積立】のようなリスクを抑えたものに使われていました。
複利という言葉は元本保証があるものに使われるのですから、投資の中でも堅くて安定成長が期待できるものだけに絞られていたという事です。
しかし、最近は多くの商品で乱発されており価格の変動が激しい商品にも『複利効果』という言葉が使われています。
驚いたのは仮想通貨のように価格変動が激しく配当や利子を生み出さない商品にまで【複利効果】という言葉が使われているケースがある点。
元本割れリスクが高い商品に使うのは、かなりメチャクチャな状態ですね。
繰り返しますが「投資は複利ではありません」。
上昇した結果に合わせて「複利効果が発揮された」と後付けしているのが現実。
複利効果を期待するならば、安定成長型の商品を選択すべきだと思います。
現在の市場環境をみるとマネーが溢れており、安定タイプの商品でも充分なリターンが期待できる状態。
わざわざ大きなリスクをとって大勝負をする必要はないというのが私の考えになります。
今回は「“投資は複利”というのは嘘!甘い言葉に潜むダマシの罠とは?」について書きました。
記事の中でも参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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