米国株は2021年も堅調に推移しています。
為替も円安で追い風ですので、過去最高益という人もいると思います。
しかし、米国株に投資をしている人の全てが好調というわけではありません。
年初から好不調の銘柄があり、全面高という状態では無いからです。
最近はグロース株とバリュー株という大きな2つの視点で語られることが多いのですが、これだと大雑把すぎるのが本当の話。
特に個別株の銘柄を選択する時は、大枠である事業セクターの状況を確認しておくと大いに役立ちます。
今回は米国株セクターの年初来と過去5年リターンをもとに、投資戦略を考えていきたいと思います。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
バンガード・セクターETF(10種類)を使って株価状況を確認
事業セクターの状況を確認するにあたり、今回は低コストのバンガード・セクターETFを確認していきます。
信託報酬は0.1%と低いので、米国事業セクターに長期投資を考えている人は有力な選択肢になると思います。
業種セクター | バンガード・セクターETF | 記号 | 代表銘柄 |
素材 | 米国素材セクターETF | VAW | ダウ(DOW) |
一般消費財 | 米国一般消費財・サービス・セクターETF | VCR | アマゾン(AMZN) |
生活必需品 | 米国生活必需品セクターETF | VDC | P&G(PG) |
エネルギー | 米国エネルギー・セクターETF | VDE | エクソン・モービル(XOM) |
金融 | 米国金融セクターETF | VFH | JPモルガン(JPM) |
テクノロジー | 米国情報技術セクターETF | VGT | アップル(AAPL) |
ヘルスケア | 米国ヘルスケア・セクターETF | VHT | J&J(JNJ) |
資本財 | 米国資本財・サービス・セクター | VIS | ボーイング(BA) |
電気通信 | 米国通信サービス・セクターETF | VOX | アルファベット(GOOGL) |
公益事業 | 米国公益事業セクターETF | VPU | デューク・エナジー(DUK) |
海外投資では市場全体に投資するケースと個別株を選択するパターンが多いのですが、セクター投資はその中間にあたります。
『米国市場の全体投資だけだと物足りないけど、個別株は自信が無い・・』という人にとっては有力な選択肢です。
また、個別株投資をする時も、事業セクターの状況を確認しておくと銘柄選択の大きなヒントになります。
さて、次の項目では10種類のセクターETFの年初来リターンを確認していきます。
米国セクターETFの年初来リターンと5年リターンを見てみよう
先ほど紹介した10種類のセクターETFを年初来リターン(%)の良い順番に並べかえました。
興味深い内容ですのでチェックしてみてください。
尚、長期データを見る為に5年間リターンも併記しています。
※期間5年の1年あたり平均リターン(%)
更に米国株の基準となるS&P500(VOO)の成績も記載したいので合わせて確認してみてください。
基準日:2021年4月23日
順位 | バンガード・セクターETF | 記号 | 5年間 | 年初来 |
1位 | 米国エネルギー・セクターETF | VDE | ▲3.8 | 28.1 |
2位 | 米国金融セクターETF | VFH | 14.7 | 21.2 |
3位 | 米国資本財・サービス・セクター | VIS | 14.7 | 15.8 |
4位 | 米国素材セクターETF | VAW | 13.4 | 15.6 |
5位 | 米国一般消費財・サービス・セクターETF | VCR | 21.6 | 13.5 |
6位 | 米国通信サービス・セクターETF | VOX | 9.9 | 13.2 |
基準値 | バンガード・S&P500ETF | VOO | 16.8 | 11.8 |
7位 | 米国情報技術セクターETF | VGT | 30.0 | 8.9 |
8位 | 米国ヘルスケア・セクターETF | VHT | 14.5 | 8.3 |
9位 | 米国公益事業セクターETF | VPU | 10.6 | 6.8 |
10位 | 米国生活必需品セクターETF | VDC | 9.2 | 5.0 |
米国株投資ではS&P500(VOO)が強いイメージですが、年初来については半分以上のセクターがそれを上回る成績を残しています。
この状況をもとに、投資戦略を考えてみました。
景気回復期に強いセクターや出遅れセクターを検討する
一般的に景気回復期に強いと言われている金融、資本財、一般消費財といったセクターです。
この3セクターをみると、年初来リターンがS&P500(VOO)より良好ですね。
特に資本財、一般消費財の2つのセクターに関しては、2022年と2023年においてもEPS(1株当たり利益)成長率予想がS&P500を上回っています。
プラスアルファのリターンを狙う上では注目セクターになりますね。
また、回復後から順調に好景気に向かうと考えるならば、情報技術セクターが有力な選択肢。
過去5年のリターンをみても、好況時の強さは際立っています。
逆に回復後の成長に懐疑的な考えならば、ディフェンシブセクターですね。
私はすんなり好況にはならないと想像しています。
ディフェンシブで有名なのは生活必需品・公益・ヘルスケアですが、個人的に注目するのはヘルスケア。
年初からは出遅れていますが、過去5年のデータではディフェンシブ系の中でも安定的に強さを発揮しています。
直近でもインテュイティブサージカル(ISRG)が好決算でしたね。
手術ロボットを扱う会社ですが、昨年は病院がコロナに集中している事情から低迷。
しかし、ワクチンなどの影響もあり、再び出荷伸びてきており足元の株価は再び上昇してきましたね。
ヘルスケアセクターを見ても過去3ヶ月は市場平均に負けていますが、4月に入ってからはVOO(S&P500)やVGT(情報技術)を上回っています。
私は負けない投資を中心に組立ているので、ヘルスケアがもっとも興味がある分野ですね。
セクターの状況を確認すると、投資戦略を立てやすくなりるのがメリットです。
また、個別株についても各企業の業績が重要ですが、強いセクターの中から選んだ方が追い風効果が期待できます。
今回は『米国株セクターの動向から考える投資戦略!過去の実績からヒントを探る』について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
私はDGRW(クオリティ株)の定期買付を実施しています
米国株の長期投資戦略として海外ETFの積立を実施しています。
現在のメイン対象は【DGRW】米国株クオリティ配当成長ファンド。
配当を実施している米国の大型株約300社で構成されるETFです。
ROA・ROEの収益性等の指標から、利益(配当)成長が期待できる銘柄を投資対象としています。
「長期的には利益成長と株価は連動する」という私の方針と合致したことが決定理由です。
先行きが不透明な時にはピッタリなETFだと考えています。
長期運用に向いている設計ですので、10年単位の定期積立で大きなリターンを目指していこうと思います。
尚、私はマネックス証券を米国株のメインにしています。
米国株の為替手数料(買付時)無料と時間外取引に対応してる点が魅力。