コロナ危機の対策として主要各国で金融緩和政策が実施されています。
株式市場にとっては追い風です。
そんな中、投資家たちの関心が集まっているのが、「米国のテーパリング開始時期はいつ?」という点。
「テーパリング」は中央銀行が実施してきた量的緩和を段階的に縮小していくことです。
これが実行されることで連想されるのは【金利上昇・株価下落】。
実際に過去にはFRBメンバーがテーパリングに関する発言をしただけで、世界各国の株価が大きく下がったことがあります。
そういった事から「近々株価が大きく下落するのでは?」という不安が広がってきています。
さらに、9月は過去のデータから考えてもパフォーマンスが悪い月としても有名。
安全性を重視して早めに利益を確定する人も出てきました。
今回は直近の投資について私の考えをまとめました。
この記事の目次
テーパリングで株価は下落するのか?
テーパリングについては、FRBは2014年1月~10月にかけて実施しています。
この期間のVOO(S&P500)とQQQ(ナスダック100)の値動きを確認してみましょう。
・VOO(S&P500):+12%
・QQQ(ナスダック100):+17.5%
テーパリングが実施された10ヶ月間をみると、凸凹はありますが基本的に右肩上がりです。
それを原因とする大きな下落はありませんでした。
今回についても、神経質になる必要は無いと考えています。
注意するならば、テーパリングについての事前アナウンスの時ですね。
近年はプログラムにしたがって自動売買をするアルゴリズム取引が「フラッシュ・クラッシュ」のような事象を引き起こすこともあります。
過剰反応で大きく下がる可能性があるという事ですね。
短期売買は一旦手仕舞い?長期投資では重要度は低い話
テーパリングの関する変動ついては、短期と長期で分けて考えたいですね。
そもそも、テーパリングが実施されるということは金融政策を必要としないほど景気が回復してきたことを意味します。
経済成長に期待する長期投資にとってはプラスとも言えますね。
2014年のテーパリングでも株価は右肩上がりになっています。
注意するとすれば、短期売買の方です。
2013年には、FRBのバーナンキ議長が不意打ちのようにテーパリング発言をして市場が混乱しました。
S&P500が直近の高値から6%の下落で反応。
テーパリング前という点では、現在に近い状況です。
短期投資では注意が必要ですね。
もっとも、今回は大きな変動もなくスムーズに移行できる可能性が高いと考えています。
前回のテーパリング発言による下落は、不意打ちだった点があります。
今回は既に投資家の間で話題にしている状態。
ネガティブ要素は、既に株価に織り込まれていると考える方が自然です。
データでは9月は株価が弱い月。注意したいのは日本株?
株価下落に対して不安が広がる理由は、テーパリングだけではありません。
過去のデータでは、9月の株価パフォーマンスは1年の中でも最悪レベルです。
そこに、テーパリングの話題やウイルス感染拡大という要素が重なっているので不安が増幅されている感じですね。
ただし、過去と違ってマネーじゃぶじゃぶ状態ですから、仮に下がってもすぐに資金が戻ってくると想像しています。
さらに株価パフォーマンスについては、11月~12月は強いというデータもあります。
9月は「売り」よりも「仕込み買い」の時期とも言えますね。
米国株や世界株については、心配していません。
不安があるとすれば日本株です。
衆院解散総選挙は任期満了なら10月24日が投票日。
従来ならば「選挙は買い」ですが、現在は政治・政策への国民の不信が深刻な状況です。
自民・公明の連立与党が続くと思いますが、自民党の議席が大幅に減るのは避けられそうにありません。
この時の市場が不透明ですね。
現在は外国人投資家の影響力が大きくなっており、予想以上にネガティブな反応となる可能性もあります。
日本市場については株価が不安定な状況が長引く可能性があるという事です。
いずれの問題も短期的な不安要素、従来通りに淡々と積立を実施
テーパリングの議論については、景気回復が進んでいるという意味ですから長期運用では悪い話ではありません。
また、金融緩和も段階的に縮小するだけで、資産の買い入れを即中止という事ではありません。
利上げや資産売却だと株価が大きく反応する可能性がありますが、テーパリングは心配しなくて良いと考えています。
日本については不安要素はありますが、ワクチン接種率が高まっていき、選挙も終われば安定してくると思います。
長期の積立であれば、不安視するような材料はありません。
私の方針としては、積立の増額はしても減額するような選択肢はありません。
従来通り、たんたんと積立を継続していきます。
今回は【9月は株価が下落するって本当?私は今まで通り積立を継続します】について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。