2019年10月1日より消費税が10%にアップします。
高齢者の増加で社会保障費が継続的に拡大していく状況ですから、財源確保という点では仕方ないですね。
過去の消費税アップでは、事前に駆け込み需要が発生!
そして増税後は反動で急激に冷え込むというパターンでした。
2014年4月の消費税8%では、3月は駆け込み需要で実質消費は前年から7.2%アップしましたが、4月は4.6%減少、5月は8%減少と失速としました。
今回の消費税アップでは、過去の経験から政府も事前対策を打ち出しています。
その一つが“ポイント還元制度”。
キャッシュレス決済を行った場合に支払額の最大5%をポイント還元する制度で、消費冷え込みの回避が期待されています。
しかし、専門家の間では『ポイント還元制度』が消費低迷を加速させるキッカケになる可能性が指摘されています。
日本のGDPの6割を占める個人消費の動向は、投資家にとっても非常に気になる点ですね。
今回は『ポイント還元制度が不況の引き金になるのでは?』と不安視されている理由について書いていきます。
この記事の目次
消費が冷え込むのは、2020年7月以降?
消費税アップが近づいていますが、以前のような駆け込み需要はありません。
政府の事前対策が一定の効果を発揮していると思われます。
増税後にポイント還元制度が適用されるお店では、最大で5%ポイント還元があるのですからコチラの方が有利という考えもあります。
ちなみに、この制度は対象店舗によりポイント還元率が違うので注意してください。
尚、対象店舗の探し方については『FinTechベンチャー企業・Zaim』が検索できるサイトを公開して話題になっていますので興味がある人は利用してみてください。
さらに対象店舗では、一目でわかるようにポスターが張り出されますので、それをチェックしてから利用すれば完璧ですね!
このような状況を見ていくと、消費活動は増税後の方が盛り上がる可能性すらありそうです。
ただし、注意すべきは“ポイント還元制度”は期間限定という点。
ポイント還元が終了で、節約意識が加速する?
ポイント還元制度などもあり、消費税10%導入の直後には消費活動がすぐに低迷するような事態は無いと予想されています。
しかし、ポイント還元制度はから2019年10月1日から9ヶ月間だけの限定措置。(6月末で終了予定)
専門家からは『増税による消費低迷は、7月に後ズレするだけでは?』と今後を警戒する声が出ています。
ポイント還元は原則5%(業態により2%)ですので、これが終了した時には消費税の2%アップよりもインパクトが強くなる可能性があります。
簡単に言うと、制度が終了する2020年6月は駆け込み需要があって、7月からは消費低迷という状態ですね。
東京オリンピック・パラリンピックもあるので一時的な回復も期待できますが、秋口からは消費停滞という可能性は充分に考えられそうです。
【FP視点】日本人の節約意識は更に高まる傾向です。
今回の消費税10%で駆け込み需要が見られない理由としては、政府の対策だけではありません。
FPの立場としては、将来への不安から“お財布の紐が堅くなっている”という点が大きいと思います。
少し前に金融庁から『老後資金2000万円が必要』という報告書が出てきたのですから、今後に対して心配になるのは当然ですね。
収入が右肩上がりならば良いのですが、最もお金を使うと言われている40代~50代は昇級もストップ状態・・・
年収が増えている人でも、ボーナスが増えているだけで毎月の収入は増えていないという人も多いです。
賞与は業績が悪くなればガタっと減る可能性があるのですから、「必要なものしか買わない」と考えるのは自然な事です。
さらに気になるのが、消費税“10%”というピッタリの数字。
10%という税金は計算しやすくて簡単ですね。
一方で、税金が意識されてしまうというデメリットがあります。
例えば100万円の車を買えば「消費税10万円」、3000万円の住宅を購入すれば『消費税300万円』といった具合です。
簡単に計算できると『税金って高いなぁ~』という気持ちが強くなる傾向があるので、節約意識を後押しする可能性があります。
個人的には日本人の消費行動は“節約”に向かっていくと考えています。
日本株への投資は、ますます難しくなる?
日本人の節約意識が高まっていくと仮定すると、日本株への投資は今まで以上に難しくなってしまいますね。
個人消費の国内GDPに占める割合は約6割と高いので、その点を考慮しながら銘柄選定が必要になります。
初心者の投資としては『インデックスを買えば良い』と言われますが、日経平均株価やTPOIXが継続的に上値を追うかは疑問・・
日本株に関しては、インデックス投信よりもプロが銘柄を選定するアクティブ投信の方が良いというのが個人的な考えです。
例えば「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」は海外売上比率の拡大が期待できる企業をプロの厳しい目で選定しています。
こういったファンドだと日本企業でも海外の需要も取り込める可能性が高ので、内需低迷でも上昇期待がありますね。
関連:スパークス・新・国際優良日本株ファンド !NYダウを上回る好成績に注目
また、そもそも日本株は世界全体の時価総額ベースで考えると7%程度しかありませんので、無理に投資をしなくても良いという考えもあります。
現在は海外投資は簡単にできるので、世界の経済成長に乗っていくという考えの方がシンプルのような気がしますね。
以下はIMFの経済見通しなので参考にしてみてください
2020年 | ※2021年 | ※2022年 | |
世界 | ▲3.1% | 5.9% | 4.9% |
先進国 | ▲4.5% | 5.2% | 4.5% |
米国 | ▲3.4% | 6.0% | 5.2% |
ユーロ圏 | ▲6.3% | 5.0% | 4.3% |
日本 | ▲4.6% | 2.4% | 3.2% |
新興国 | ▲2.1% | 6.4% | 5.1% |
中国 | 2.3% | 8.0% | 5.6% |
インド | ▲7.3% | 9.5% | 8.5% |
※2021年・2022年はIMF予想(2021年10月12日)
※前回7月より21年の世界経済見通しは0.1%の下方修正。
株式相場は日々値動きを繰り返していますが、長期で見ていくと経済成長に連動していく傾向があります。
長期投資を考えている人にとっては、参考になるので利用してみてください。
関連:超~楽ちん!積立投資の情報が『IMFの世界経済見通し』だけで良い理由
今回は「日本経済に暗雲 “ポイント還元制度”が不況の引き金になるって本当?」について書きました。
資産運用を行う上でヒントになる点があれば、参考にしてみてください。
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