足元の米国株は絶好調です。
投資成績が過去最高となっている人も多いと思います。
しかし、この状況がずっと続くとは限りません。
10月12日に国際通貨基金(IMF)より最新の経済見通しが発表されました。
世界経済の成長率予想は7月時点の6.0%から5.9%に下方修正。
ワクチン接種により経済再開が加速していますが、新たな懸念材料も出てきています。
2020年 | ※2021年 | ※2022年 | |
世界 | ▲3.1% | 5.9% | 4.9% |
先進国 | ▲4.5% | 5.2% | 4.5% |
米国 | ▲3.4% | 6.0% | 5.2% |
ユーロ圏 | ▲6.3% | 5.0% | 4.3% |
日本 | ▲4.6% | 2.4% | 3.2% |
新興国 | ▲2.1% | 6.4% | 5.1% |
中国 | 2.3% | 8.0% | 5.6% |
インド | ▲7.3% | 9.5% | 8.5% |
※2021年・2022年はIMF予想(2021年10月12日)
IMFの経済見通しは継続的に確認していますが、新型コロナウイルスの発生からは発表のたびに大きく修正されている状況。
直近の発表も3ヶ月前の見通しと比べても米国は21年度予測が▲1%、ASEAN5ヶ国は▲1.4%と大きく引き下げられました。
今回はIMFの発表を受けて、私の投資スタンスについて書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
世界経済は成長路線ですが、ジグザグ相場が続く可能性が高い
直近の世界経済見通しからは、回復が続いていく状況が読み取れます。
しかし、数か月ごとに見通しが変わっている事をかんがえると、今後も想定外の下方修正が起きる可能性があります。
消費者物価インフレ率は先進国と新興国の両方で2021年・2022年とも上方修正されました。
インフレ率が高止まりした場合は、早期に金融引き締め策が行われる可能性があります。
また、先進国ではワクチン接種が順調に進んでいますが、低所得国では人口の96%がワクチン未接種という点も気になります。
このような状況だと新しい変異株の出現も否定できません。
世界経済は上向きという路線は変わりませんが、下振れリスクは依然として大きい状態です。
ここからは、私の投資方針について説明していきます。
①基本戦略は積立投資!個別株の集中投資はリスクあり
先進国と新興国の先行き見通しは、明暗が分かれています。
少し先の2024年までの予測を考えると、先進国はコロナ発生前の見通しを上回る予想。
一方で世界や新興国では24年になってもコロナ前に発表された水準には到達できません。
単純に考えると先進国を中心に投資をするのが正解と言えそうです。
ただし、世界製造業が混乱すれば先進国も打撃を受けます。
需要に対して供給体制が追い付かない状況や原油高が続いた場合は、インフレ率が高止まりして株価に逆風が吹くことも考えられますね。
株価が突然に崩れる事も想定しておいた方がよいでしょう。
「今が買いのチャンス」という決め打ちの集中投資は難しい状況・・
投資エリアについても経済見通しがコロコロ変わっているので、有望地区もハッキリしません。
ただし、経済成長が上向きであることは変わっていませんので、相場全体としてはジグザグを繰り返しながら長期的には切り上がっていくと想像しています。
この状況だと、世界株式や米国市場などに時間分散が王道戦略。
やはり積立投資をメインに据えるべきだと思います。
②配当を重視した投資を強化する
2024年になっても世界全体はコロナ前の予測水準に到達できない見通しとなっています。
つまり、私達が予想しているよりも新型コロナによって引き起こされた混乱は長引くということです。
世界経済の見通しについても下振れリスクを抱えたままなので、株価は不安定な状況が続くと予想しています。
そういった状況の中で私が重視するのは配当株です。
この理由は、収益の安定的な確保です。
株価は日々上下しますが、配当は大きなブレがありません。
先行きが不透明が相場状況においては、配当というのはとても心強いと考えています。
ただし、単純に配当利回りが高い銘柄に投資するのは危険!
将来的に配当が目減りしては意味がありません。
やはり、連続増配株のような堅い銘柄が投資対象となります。
【余談】私が実践する逆張り銘柄
株式投資の王道は順張りです。
投資で失敗するパターンの多くは、下落銘柄を割安と判断して買付ける逆張り。
頭でわかっていても逆張りクセは簡単には治りません。
そこで、私の場合は「失敗しても回復が期待できる銘柄」だけに絞って逆張りをするようにしています。
例えば、コカ・コーラ(KO)ですが、こちらはコロナ禍で世界中でスポーツやコンサートなおが自粛されて販売が停滞しました。
しかし、今後はイベント再開による回復が期待できます。
長期視点では新興国の伸びシロも大きいと考えています
ジョンソン&ジョンソン(JNJ)もコロナの影響で医療機器が落ち込みましたが、病院需要は回復しています。
また、世界人口の増加と高齢化は長期テーマですので、長期的な安定成長が期待できると考えています。
両銘柄とも短期的な視点でみると面白味はありません。
しかし、不透明要素が多いなかで買える銘柄というのは、こういう会社だと考えています。
「10年後も業界トップだろうなぁ~」という銘柄に投資するのが基本ですね。
この2社については連続増配の代表銘柄。
配当収入を得ながらジックリ保有できるのもメリットです。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
資産運用で失敗は許されない!確実性を重視していく
「投資は無くなってもいいお金で・・」といった言葉をよく耳にします。
しかし、そんなお金があれば投資なんて不要です。
私が投資に回しているのは「今は必要ないけど、将来的には必要なお金」です。
つまり、無くなっては困るのです。
今回の記事内容をみても、刺激がゼロで退屈で面白味が無い内容だと思います。
でも、それでいいのです。
無くなったら困るお金ですから、一攫千金を狙った冒険は不要!
大きなリスクをとってまで、市場平均を目指す必要もありません。
平均未満であっても良いので、負けない投資を重視しています。
もちろん「退屈だなぁ~」と感じることもあります。
しかし、確実性を重視したことで幸福度は年々上昇。
この理由は資産が増えたこともありますが、現在のスタイルを継続していれば失敗しないという安心感が大きいですね。
一攫千金を狙った冒険をしてみたくなることもありますが、振り返れば私の資産を押し上げたのは王道戦略ばかりです。
投資に慣れてきた時こそ「基本に戻る」ことが大切だと思います。
今回は【最新の世界経済見通しから考える投資戦略!キーワードは基本の徹底】について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。