米国株は年初から下落していましたが、6月末に底をつきました。
それからは急激に回復して、8月の中旬にはS&P500が半値戻しを達成。
「半値戻しは全値戻し」なんて言葉もありますね。
尚、この言葉には2つの意味があります。
1つは「下落幅を半分まで回復させた相場は、そのまま高値を目指していく」という意味。
この場合は投資家にとっては嬉しい内容です。
しかし、ネガティブな意味もあります。
それは「半値も戻したのだから、欲張らずに手仕舞いしなさい」という考え方。
反発は一時的とする見方なので、先行きは暗いという意味になりますね。
今回は前者と後者のどちらでしょう?
投資家の立場としては前者であって欲しいのですが、私はネガティブな後者を想定しています。
今回は米国株が回復するタイミングについて考えていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
株式投資家の楽観的な見方には注意が必要です。
米国株は6月に底をついてから勢いよく上昇しました。
ただし、それほど強い材料がない中での反発という点は注意!
取ってつけたような理由がいくつか示されていますが、納得できるものがありません。
私の見方としては「根拠の無い状態で、今後の上昇を見越した先買いが発生した」というもの。
買いたい気持ちに抑えが効かずに、強引にポジティブ材料を考えて買いに向かっている印象ですね。
一つの例として金利先物市場です。
来年の5月くらいからはFRBが利下げに転じるような想定となっています。
投資家の希望に沿っているだけに見えますね。
FRBの想定とは大きなギャップがある状態!
こういう時は慎重になるべきというのが私のスタンス。
投資家の希望(理想)が上昇要因ならば、僅かな歪みが出ただけでも下落してしまいます。
現実を見れば、FRBは金融引き締めに対して積極姿勢は変えていません。
米バランスシート縮小(QT)も進めているのですから、明確な引締め状態!
コロナショック後の大規模金融緩和で【下がっても、すぐに上昇する】という経験をしたことで、投資家に安易な発想を描くクセがついてしまった気がします。
データをみても、本格上昇に向かうだけの材料が揃っているとは思えません。
金利低下(緩和)と景気回復、それが本格上昇のカギだけど・・
過去の株価を見ていくと、本格的な反転にはいくつかの傾向があります。
先ずは金利低下、これはインフレ率とも関係が深いですね。
FRBが利下げ(緩和)を実施すれば達成可能です。
ただし、現状としてはFRBがそういった動きをする様子はありません。
金融引き締めに動いている状態。
今のところ明確な上昇サインは無いといってよいと思います。
次に景気ですね。
当たり前ですが、景気回復の兆候が見えてくることが本格上昇には重要。
この点については、今から悪くなっていく雰囲気・・。
個人的には、これがとても気になっています。
景況感については悪化に向かっている数値が次々と出てきています。
8月製造業・サービス業PMIが予想以上に悪化、7月新築住宅販売件数も近年では最低水準・・。
個人消費が強いことが救いですが、これも新型コロナウイルス対策の政府支援で増えた貯蓄が背景です。
現在は物価上昇もあり過剰貯蓄も減少に向かっています。
これが目減りしていき消費を抑制する動きが出てくると、米国株には厳しい状態となっていきます。
現状としては株価が本格上昇するだけの条件はそろっていないというのが私の見方になります。
短期の利益を狙わずに、長期リターンを目指して仕込み買い
ネガティブな話が続きましたが、これは短期でリターンを狙った時の話。
長期視点になれば、むしろ貴重なチャンスとも言えます。
米国株は基本的には右肩上がりなので、安く仕込むチャンスがなかなかありませんでした。
実際には何度か大きく下がっているのですが、反発までのスピードが速くてジックリ仕込むことができない事も多いです。
今回は反転の兆しが見つけられない状態ですので、私はコツコツと買っていく事に対しては積極的です。
もちろん、相場回復の時期はわかりません。
次の上昇では主役銘柄の大幅な入れ替えもあるかもしれませんね。
こういった時は、投資の基本にもとづいて淡々と買っていくのみです。
私は財務体質が良くて稼ぐチカラがある銘柄(クオリティ株)を選択する戦略するようにしています。
当り前のことを淡々と実行する!
そうすれば、自然と良い結果がついてくると考えています。
今回は「米国株の復活は時間が掛かる?上昇軌道を描くには材料が足りない」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば、運用のヒントにしてみてください。
私はDGRW(クオリティ株)の定期買付を実施しています
米国株の長期投資戦略として海外ETFの積立を実施しています。
現在のメイン対象は【DGRW】米国株クオリティ配当成長ファンド。
配当を実施している米国の大型株約300社で構成されるETFです。
ROA・ROEの収益性等の指標から、利益(配当)成長が期待できる銘柄を投資対象としています。
「長期的には利益成長と株価は連動する」という私の方針と合致したことが決定理由です。
先行きが不透明な時にはピッタリなETFだと考えています。
長期運用に向いている設計ですので、10年単位の定期積立で大きなリターンを目指していこうと思います。
尚、私はマネックス証券を米国株のメインにしています。
米国株の為替手数料(買付時)無料と時間外取引に対応してる点が魅力。