金融庁が老後の備えに関する報告書で 「年金だけでは老後の生活費が2000万円不足する」として大きな問題になりました。
2000万円という金額が妥当かどうかは別として、老後の生活費に対して真剣に考えるキッカケになった点については良かったといえます。
また、 金融機関によっては「老後資金の必要額は1億円」のように過剰な表現をしているところがあったので、 今回の件で金額の目安が見えたのはメリットです。
ちなみに、老後資金で2000万というのは私も10年くらい前から提示している数字で、実際にライフプランを作ってきた経験ともほぼ一致しています。
ただし、現在の平均寿命の伸びと年金額の減少や受給年齢の引き上げを想定した場合には、さらに500万~1000万を上乗せしたいのが本音。
特に女性は長生きリスクが男性よりも高く、結婚している人も最終的にはお一人様になることを想定して一定額の資産は確保しておく方が安心です。
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今回は積立投資を開始するタイミングについて書いてきます。
この記事の目次
運用は「つみたてNISA」と「iDeCo」を利用すべし
投資を今から始める人に注目してもらいたいのはつみたてNISAとiDeCoの二つです。
この二つは税制優遇制度があるのはもちろんですが、資産運用の基本である【長期・積立・分散】に沿った内容になているのが魅力。
ちなみに、投資の初心者で運用商品で悩んでいる人はつみたてNISAの対象になっている商品から選ぶと良いでしょう。
金融庁が基準を設けて約5000本の投資信託の中から約160本に絞り込んでいます。全体の3%程度ですから超厳選と考えていいでしょう。
「つみたてNISA」と「iDeCo」のどちらを優先すべきかという問題に関しては、老後資金であればiDeCoの方があっています。
ただし「iDeCo」だと60歳までは完全に引き出しができないので、途中売却が可能なつみたてNISAも併用した方が安心感が増します。
私は併用する方が、いろいろなパターンに対応できるので良いと考えています。
運用開始を先延ばしをするのは、リスクを高める行為
投資が初めての人にとっては、最初の第一歩を踏み出すのには相当なパワーが必要。
初めての事に加えて、値動きリスクのある投資商品ですから当然です。
失敗する不安から、先延ばしする人も少なくありません。
しかし結論を言うと、一秒でも早く開始する方が有利!
長期投資をする時にしっかり頭に入れておいて欲しいのが、投資できる期間は限りがあるということです。
高齢になって収入が少なくなると、積立から取崩しの生活に変わっていきますからそれまでに資産を築く必要があります。
積立を今月から開始するよりも来月から開始した方が相場環境が良くなる可能性もあります?
しかし、それは1月分の積立を削る行為ですので老後資金の準備という点ではマイナス。
長期投資は経済の成長を買う行為ですから、20年後が今よりも経済が成長していると思うならば現在は全て買い場というのが 私の投資スタンスになります。
今月と来月の相場環境を比較するのは、積立投資では意味がない行為だと私は考えています。
長期で運用したほうが、マイナスの可能性が低くなる
金融庁の作成した資料で、 1985年以降の各年に毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行ったデータがあります。
図表:セゾン投信のHPより
保有期間5年の場合は元本割れしているケースが結構ありますね。
これに対して保有期間を20年の場合は、どの年から開始した場合でもプラスの結果になっています。
あくまでも過去のデータですし、今後を保証するものではありませんが長期で運用したほうがプラスになる可能性が高いのは明らかです。
つまり、積立投資の開始を先延ばしすることは運用期間が短くするのと同じですから、リスクを高める行為と言えますね。
ちなみに、私が資産運用の中心にしている世界分散投資(セゾン投信)だと株価が急落したリーマンショックの直前に投資をしても現在はプラスです。
株価の値動きを完全予測するのはプロでも不可能ですから、そこに時間を掛けるのは勿体ない気がします。
【補足】投資よりも先に住宅ローンを返済したい・・・
投資と住宅ローンの返済でどちらを優先すべきかという相談は多いですね。
これはその人の性格にもよるので、一概には答えられません。
ただし、最終的に資産をを増やすことを考えた場合は、ローン返済を急ぐよりもよりも投資を並行しながらの方が良いと思います。
この理由は、現在の住宅ローンは相当に金利が低いので、 投資の運用リターンの方が大きくなる可能性が高いからです。
もっとも住宅ローンが残っていることで精神的に不安定になるのであれば、返済を優先すべき!
これは、その人の性格で変わるので、どちらが正解とは言い切れません。個人差がありますね。
ちなみに外国の場合は、借金に対して“資金を有効活用する”という考え方をするので、低金利の時は返済を急がないパターンが多いです。
老後資金は早めに準備をすれば何も心配は要りません
今回は【積立投資を始めるのは「今すぐ」だ!先延ばしが不利になる理由】について書きました。
資産運用のヒントになる点があれば参考にしてみてください。
iDeCoやつみたてNISAは将来の資産形成を行う上では有力候補になりますので、積極的に活用する事をオススメします。
また、私はFPだけでなく社会福祉士としての仕事もしていたので、老後生活の相談も数多く受けてきました。
その中で感じたのは、『お金があるからといって、幸せになるとは限らない。ただし、お金があれば選択肢が増える』という事です。
「質素な生活を心がけている」と「質素な生活しか出来ない」では、結果が同じでも精神的なユトリが全く違います。
将来の資産形成を行う上で非常に良い制度があるのですから、活用しなければ勿体ないというのが私の考えです。
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