2020年の米国株は新型コロナウイルスの影響で一時は大きく下落しました。
その後は、史上空前の金融緩和が実施され株式市場にマネーが流入。
株価はコロナ前の水準よりも高くなっています。
特に上昇が大きかったのが成長株が多いハイテク関連株です。
有名なところではアップルやアマゾン、エヌビディアなどですね。
ウイルスによる影響が限定的、もしくは事業に追い風となるケースもあり投資家の注目が集まりました。
また、 低金利は成長株にとって有利。
低いコストで資金を調達して売上拡大が図れることから、金利が下がると無条件でハイテク株に買いが入るような状況もあります。
一方で不調だったのが従来型の産業であるオールドエコノミーです。
具体的にはコカ・コーラやエクソンモービル、銀行株などがあります。
成長株の方が優れているという話ではなく、単純にコロナ禍ではハイテク銘柄が上昇しやすい条件が揃っていたということですね。
ただし最近はワクチン開発に対してポジティブなニュースが増えてきました。
アフターコロナが見えてきたことで、成長株や割安株にどのような変化があったのかを確認していきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
人気の米10銘柄を比較!ワクチン報道で株価の変化はあったのか?
株式市場ではその時々によりブーム的に人気に火が付くような銘柄があります。
短期間で頻繁に主役が入れ替わっている状態です。
ただし、個人投資家が保有している銘柄は大きくは変わっていません。
現状だと人気が高い主な銘柄は以下のような企業があります。
アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)、テスラ(TSLA)、エヌビディア(NVDA)
AT&T(T)、コカコーラ(KO)、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)、エクソンモービル(XOM)、P&G(PG)
(上記は人気10銘柄から抜粋)
上記の10銘柄の年初来リータン、更にワクチン開発のニュースが増えた直近1ヵ月の動きを確認していきます。
コロナ禍:成長株VSバリュー株 年初来リターンを確認
成長株とバリュー株で人気が高い10銘柄について、年初来リターンを成績順に並べてみました。
基準日:2020年11月20日終値
また、米国市場平均(S&P500)に連動するETF(VOO)も参考値として加えています。
コロナ禍でハイテク関連企業とオールドエコノミーの株価状況を確認してみてください。
★2020年 年初来リターン(~11月20日)
順位 | 銘柄 | ティッカー | 年初来 |
1位 | テスラ グロース株 | TSLA | 485.2% |
2位 | エヌビディア グロース株 | NVDA | 122.5% |
4位 | アップル グロース株 | AAPL | 59.8% |
3位 | アマゾン・ドット・コム グロース株 | AMZN | 67.7% |
5位 | マイクロソフト グロース株 | MSFT | 33.4% |
平均 | VOO(ETF) S&P500 | MSFT | 11.9% |
6位 | P&G バリュー株 | PG | 11.5% |
7位 | ジョンソン&ジョンソン バリュー株 | JNJ | 0.3% |
8位 | コカ・コーラ バリュー株 | KO | -4.8% |
9位 | AT&T バリュー株 | T | -27.5% |
10位 | エクソン・モービル バリュー株 | XOM | -47.1% |
驚くほど、分かりやすい結果になりましたね。
ハイテク関連の成長株がトップ5を独占!
市場平均のS&P500も大きく上回っています。
それに対してオールドエコノミー5社は惨憺たる成績・・
全て市場平均を下回っています。
米国市場は年初来高値更新のニュースを頻繁に耳にしますが、大きく儲かったのはハイテク関連に投資をした人だけというのが実情です。
さて、ハイテク関連株が強いのは冒頭で述べたように【コロナ禍】が追い風になった面があるのでこの結果だけでは今後を占うことはできません。
長期投資をする上で気になるのは、コロナの脅威が過ぎ去ったあとの世界ですね。
今後のヒントとして、ワクチン開発で明るいニュースがあった直近1ヶ月の株価動向を確認してみましょう。
ワクチン開発のニュースで主役交代は起きたのか?
11月9日に米ファイザーが開発中の新型コロナウイルスワクチンで高い有効性を示す初期データを公表しました。
次に紹介するリターンランキングは、10月20日~11月20日の1ヶ月間です。
ワクチンに対する明るいニュースがグロース株とバリュー株にどのような影響を与えたかを確認してみましょう。
★2020年 1ヶ月リターン(10月20~11月20日)
順位 | 銘柄 | ティッカー | 年初来 |
1位 | AT&T バリュー株 | T | 5.8% |
2位 | コカ・コーラ バリュー株 | KO | 4.8% |
平均 | VOO(ETF) S&P500 | MSFT | 3.5% |
3位 | アップル グロース株 | AAPL | ±0% |
4位 | ジョンソン&ジョンソン バリュー株 | JNJ | -0.5% |
4位 | エクソン・モービル バリュー株 | XOM | -0.5% |
6位 | マイクロソフト グロース株 | MSFT | -2.0% |
7位 | P&G バリュー株 | PG | -2.2% |
8位 | テスラ グロース株 | TSLA | -3.3% |
9位 | アマゾン・ドット・コム グロース株 | AMZN | -3.7% |
10位 | エヌビディア グロース株 | NVDA | -4.1% |
全体的にはオールドエコノミーが上昇して、ハイテク株が下落という感じです。
もっとも、主役交代というほどのものではありません。
単純に今まで低迷していた株に買いが入っただけのようにも見えます。
明確な業績回復が見えないと、従来型の企業が継続的に上昇するのは難しいですね。
では、成長株が今までのように上昇パワーを維持できるかというと・・これについても疑問です。
年前半の【成長株は全て上昇する】という状況から、【質の高い成長株は上昇、そうでないものは下落】という選別が行われていくと想像してます。
これは割安株にも全く同じことが言えます。
売られすぎで一時的に反騰しても、業績回復が遅くなれば再び下落するシナリオはあります。
不透明感が強い状況なので、一定水準まで下がったら売却するといった、リスクへの準備はしておくべきですね。
関連 米国株は簡単!「売却タイミング」の悩みを1秒で解決する方法(攻防一体、私のメイン手法です)
市場平均に投資をするという選択を考えてみる
直近の1ヶ月のデータを見る限り、市場は依然として不透明。
成長株と割安株でどちらが有利かは分かりませんでした。
ここで注目したいのが、S&P500に連動するVOOです。
年初来と1ヶ月リターンの両方でプラスとなっています。
市場平均に投資をするメリットは、 成長株と割安株のどちらが主役になっても一定の恩恵がある点です。
現在の市場状況は、ワクチン開発のポジティブニュースがある一方で日米欧とも感染者が再び増加しています。
また、ワクチンが承認されたとしても、すぐに経済が元通りになるわけではありません。
当面の間は、成長株と割安株の優位性が断続的に入れ替わるような状況も想定しています。
先行きが完全に分かってから投資をするのも方法ですが、不透明の状況でも市場平均(S&P500)はプラスになっていることは忘れてはいません。
主役が分からない時ほど、市場平均への投資は魅力は増していきます。
難しい市場状況では、無理に最適解を探すのではなく、どういう状況にも対応できる銘柄(市場平均)を選択する方が簡単ですからね。
今回は「米国株の人気銘柄に明暗!ワクチン報道で生じた成長株とバリュー株の変化」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
関連 【海外ETF】VOOやVT、VTIなどの買付手数料が実質無料!米国株はマネックス証券!チャンス拡大の独自サービスが魅力
私は米国株・海外ETFの取引では、マネックス証券をメインにしています。
その理由は、大きなリターンを得る為の条件が揃っているからです。
この証券は 米国株で時間外取引ができる貴重な証券会社 。
時間外で【安く買えたり、高く売れたり】するケースがあるので、一般の証券よりもチャンスが拡大が期待できます。
また、米国株の分析では【銘柄スカウター】が大活躍!
『本当に無料でいいの?』と感じるほど凄いツールです。
コスト面でも、円⇒米ドルの為替手数料が0銭 なのは嬉しいですね。
興味がある人は公式ページを確認してみてください。