人気の海外ETF【VT】にダメ出し!世界株式に対する勘違いとは?

資産運用では、 地球全体に丸ごと投資をする という考え方があります。

世界経済は右肩あがりの成長が期待されているので、この流れに乗っていくのはとても堅い手法だと思います。

また、地域分散によるリスク低減効果も期待!

世界を見渡せば経済が好調な国もあれば、低迷している国も・・
この状況は永久的なものではなく、時代によって変化します。

全世界株式は全ての地区を投資対象にするので、 こういった細かいことを考える必要がないのも魅力です。

そして世界株式の選択肢として、人気が高いのが【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF

世界47カ国で8000銘柄以上を投資対象としており、市場時価総額の98%を占めると言われる驚愕の設計。

長期投資やホッタラカシ投資の代表的な存在とされています。

ただし、その値動きは想像とは若干違う印象も・・。

今回は世界分散株式の注意点について書いていきます。

※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。

分散に対する勘違い!銘柄数は値動きに関係なし。

『 地域や資産を分散することで、リスクを低減効果がある』
こんな話を聞いたことがあると思います。

このことは正しいのですが、“銘柄数が多い方が値動きが緩やかになる”という勘違いをしている人が目立ちます。

実は私自身もFPでありながら、数年前までは誤った認識でいました。

結論を言うと、値動きを抑えるのに重要なのは、 違う値動きの商品を組み合わせること です。

銘柄数の【多い・少ない】は関係ありません。

例えば、1万銘柄に投資をしているETFでも“株価の動く方向が同じ”ならば値動きは1銘柄に投資をしているのと同じです。

銘柄数が2つでも反対の値動きをするならば分散効果が発揮され価格が安定します。

【VT】については、銘柄数ばかりがクローズアップされてしまい、この点が見落とされてしまっています。

銘柄数が約8000もあるので、投資先の一つが倒産しても影響は小さいです!
ただし、それを理由に“値動きがマイルドになる”とは言えないという事です。

VTと米国市場の動きは似ている、ただしリターンはボロ負け・・

銘柄数とリスク低減(価格安定)効果の関係は小さいと書きましたが、【VT】のリスクは過去3年では米国市場(S&P500)に連動する【VOO】と同じ水準。

一方でリターンについてはVOOに大きく負けています。

 リスクが同じでリターンが大きく劣る のですから、合格点は出せません。

VTとVOOの3年リターンと標準偏差(リスク)を確認してみてください。
※リターンは数字が高い方が〇、リスクは数値が小さい方が〇

VT VOO
3年/標準偏差(リスク) 16.8 17.0
3年/年率リターン 5.9% 10.6%

基準日:2020年6月末

現在は世界株式の過半数は米国が占めている状況。
【VT】に関しても市場構成比率の55%~60%が米国となっています。

また、各国の株式も米国市場の影響が大きくなっており、その動きに連動する傾向が高まっています。

コロナショックでも、VOOとVTの動きは限りなく一致しており全世界株式についても分散効果はあまり発揮されませんでした(下図)。

現状の市場では、世界株式が米国株(S&P500)よりもリスクが小さいと言えるほどの根拠は確認できません。

以前は地域によって株式の動きにバラつきがあったのですが、情報が一瞬で世界中に流れる現在では、その効果が薄まってきたと言えます。

【VT】についても、直近の成績をみると単純に米国株よりもリターンが低くなるだけという状況に見えますね。

【休憩】米国株のヒント
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世界の優良企業に厳選投資をする IOO の方が好成績

現状としては全世界株という理由だけではリスクが低いとは言い切れません。

そこで、私が注目したのが財務状況の健全度が高い優良株
景気後退局面でも有効と言われており、長期保有と相性が良いと思います。

優良株だけで世界分散されているような ETF があれば面白いですね。

実は、そんな ETF があります。
それが、【IOO】iシェアーズ グローバル 100 ETF です。

S&P グローバル100に連動するETFで 世界各国の大型株を投資対象としています。

理屈を述べるよりも、 【VT】と3年リターン・リスクを確認してみてください。
※リターンは数字が高い方が〇、リスクは数値が小さい方が〇

VT IOO
3年/標準偏差(リスク) 16.8 15.2
3年/年率リターン 5.9% 10.1%

基準日:2020年6月末

IOOは標準偏差(リスク)が小さいですね。
そして驚くのは、リターンが【VOO】に近いという点です。

次にコロナショックの値動きを見てみましょう。

コロナショックのリターンはVTだけでなく、VOOも上回っています。
最大下落値も小さくリスク評価も良ですね。

世界株式に対して安心感を求めている人もいると思います。
現状としては、VTがその期待に答えているかといえば・・疑問があります。

世界株に投資をするならば、【IOO】(優良株に厳選)という方法もあるという点は頭に入れておくといいと思います。

補足:IOOのコストや地域配分は?

世界中の優良株で構成される【IOO】は、ハッキリ言って人気がありません。

過去10年間のトータルリターンは約10%と優秀なのですが、  経費率が0.40%とやや高い のが難点。
基準日:2020年6月末

【VT】が0.08%なので、5倍のコスト負担ですね。

もっとも、VTよりも遥かに優良な実績を残していますので、コストの比較をすることは意味が無いと思います。

参考までに、組み入れ上位銘柄と投資地域の割合を記載しておきます。
基準日:2020年7月17日

順位 銘柄 比率
1位 アップル 11.2%
2位 マイクロソフト 11.0%
3位 アマゾン 8.9%
4位 アルファベットA 3.3%
5位 アルファベットC 3.2%
6位 ジョンソン&ジョンソン 2.8%
7位 ネスレ 2.5%
8位 P&G 2.2%
9位 JPモルガンチェース 2.1%
10位 ロシュHG 1.8%
順位 エリア 比率
1位 米国 70.5%
2位 スイス 6.9%
3位 イギリス 6.5%
4位 フランス 4.5%
5位 ドイツ 3.7%
6位 日本 3.3%
7位 韓国 1.7%
8位 オランダ 1.10%
9位 キャッシュ・デリバティブ 0.5%
その他 1.5%
※データは調査期日の状況であり経済・市況状況で変更があります。

銘柄は優良企業がズラリと並んでいますね。

ただし、 アップル、マイクロソフト、アマゾンの3社で30% を占めている点は要注意。

ディフェンシブ系は、ヘルスケア15%・生活必需品12%はVTよりも高い割合

米国比率はVTよりも高く、欧州の割合は同じくらいとなっています。

関連海外ETF 注目の15銘柄

海外ETFは、人気銘柄が良いとは限らない

海外ETFは人気が高まっており、雑誌などでも特集が組まれることがあります。

ただし、そういった銘柄が好成績を残しているかと言えば疑問です。

単純に『〇千銘柄で世界分散』『高い配当利回り』など特徴を説明しやすい商品(売りやすい商品)だけを並べているケースも・・。

そして、これに『低コスト』という言葉を加えると、多くの投資家の興味を引くことができます。

冷静に考えて欲しいのですが、これら3つの売り文句はリスク・リターンを決定づける大きな要素ではありません。

あくまでも補足的な内容という事です。

やはり自分の目で過去のリターンやリスクをシッカリ確認してから選んだ方が、良いと思います。

また、『下がっているから今が買い時』みたいな文句も危険!

探すべきは『いつ買っても、チャンス』だと思えるような銘柄です。
下がっている銘柄よりも、堅調に上昇している銘柄の方が無難。

記事で紹介した【IOO】は優良銘柄で構成されており、選択肢の一つになると考えています。

今回は「人気の海外ETF【VT】にダメ出し!世界株式に対する勘違いとは?」について書きました。

記事の中でヒントになる点があれば、運用の参考にしてみてください。

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※2020年9月20日現在