今年は米国株が低調に推移。
人気が高い代表指数(S&P500)も前年比でマイナス・・。
アメリカの金融政策への行方を気にして株価は上下に大きく揺れています。
ロシアのウクライナ侵攻やスタグフレーションの懸念など不透明感も多いですね。
足元は利上げが一時停止する事への期待もり、やや反発してきています。
しかし、メインストーリーは利上げ継続のままで変化していません。
【今がチャンス】と言うには程遠い状況と考えています。
・・と言うのも、今月からはバランシートの縮小がスタート!
ジャブジャブに溢れたマネーも減少へと向かっていきます。
この縮小額は6月~8月は月額475億ドル、その後は950億ドルに加速。
市場は織り込んでいますが、かなり早いペースで実施される点は注意が必要です。
成長株への逆風は今後も強いままと考えておく方が無難ですね。
引き続き、グロースよりもバリューが強い状況が続くと考えています。
さて、バリュー株の戦略で人気と言えば ダウの犬投資法 です。
注目している投資家も多いと思います。
今回は「ダウの犬」投資法の年初から5ヶ月経過の状況について書いていきます。
割安株への投資を検討している人にとって選択肢の一つになると思います。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
今年の米国株は全体的に低迷、ただし指数の成績には開きがある
米国市場は年明けから大崩れの印象が強いのですが、これは成長株の発信が多いという背景があります。
米国株の主要インデックスの年初来リターンは以下の通りです。
※2022年5月31日を基準に計測
●NYダウ工業株30種:-9.21%
●S&P500種:-13.30%
●ナスダック100指数:-22.54%
こうして見ると、成長株の割合が低くなるにしたがってマイナス幅が小さくなっていることが分かります。
バリュー株・景気敏感株が多いNYダウについては-9%ですので、大騒ぎするほどの数値ではありませんね。
為替(円安)を考慮した円ベースで考えれば、プラスの状態というケースも考えられます。
では、いよいよ本題である【ダウの犬10銘柄】の状況を見ていきます。
人気の投資法なので、ベテラン投資家には実践している人も多いと思います。
【ダウの犬】は年初来で6割の銘柄がプラスとなっています。
ダウの犬戦略は、とてもシンプルな手法。
年末にNYダウ銘柄の中から、配当利回りが高い10銘柄を選択するだけです。
理屈としては、「配当利回りが高いということは割安で放置されている可能性が高い!リバウンドが期待できそうだ」という単純なものです。
さて、その基準dえ選択された銘柄はどうなっているでしょう?
以下が配当利回りが高い10社(ダウの犬)の5月末の状況になります。
ダウの犬10銘柄 年初来リターン(2022年5月31日現在)
2022年版・ダウの犬 | 配当利回り | 予想PER | 年初来 |
ダウ(DOW) | 4.12% | 8.9倍 | 19.85% |
ベライゾン(VZ) | 4.99% | 10.0倍 | -1.29% |
アイビーエム(IBM) | 4.75% | 19.3倍 | 3.88% |
シェブロン(CVX) | 3.25% | 11.5倍 | 48.84% |
ウォルグリーン(WBA) | 4.36% | 6.8倍 | -15.97% |
メルク(MRK) | 2.99% | 15.3倍 | 20.08% |
アムジェン(AMGN) | 3.02% | 20.2倍 | 14.12% |
スリーエム(MMM) | 3.99% | 14.9倍 | -15.95% |
コカ・コーラ(KO) | 2.78% | 26.3倍 | 7.04% |
インテル(INTC) | 3.29% | 11.2倍 | -13.75% |
平均 | 3.75% | 14.4% | 6.69% |
開始5ヶ月ですので参考にすぎませんが、全体としてはプラス銘柄が目立ちます。
米国株のニュースとは全く違う状況ですね。
10銘柄のうち6銘柄が年初からプラス!
さて、次に代表指数と【ダウの犬10銘柄】を比較してみましょう。
これを見ると、その差が更にハッキリすると思います。
ダウの犬と代表指数 | 配当利回り | 予想PER | 年初来 |
ダウの犬 10銘柄の平均 | 3.7% | 14.4倍 | 6.7% |
NYダウ工業株30種 | 2.1% | 17.0倍 | -9.2% |
S&P500種 | 1.5% | 17.5倍 | -13.3% |
ナスダック100指数 | 0.9% | 22.0倍 | ‐22.5% |
【ダウの犬10銘柄】がダントツで良好です。
ドルベースで年初来プラス、為替も考慮した円換算ならば年初来は+15%以上ですね。
PERは約14倍で米国市場の過去平均と比較しても割安な水準。
現在でもバリュー投資として満足の数値です。
尚、ダウの犬は1年を通して判断するものなので、5ヶ月だけを見て成功ということではありません。
ある程度の期間が過ぎたら再び途中報告をしたいと思います。
今からダウの犬を開始する場合、銘柄はどうなるの?
好調な【ダウの犬10銘柄】を見て興味を持った人もいると思います。
この手法は年末の配当利回りの上位10銘柄を選択して運用するのが一般的です。
その為、途中からスタートすると高配当トップ10が年初と大きく異なっている可能性があります。
そこで、22年5月末時点でNYダウの配当利回りが高い10銘柄を調べました。
参考にしてみてください。
ダウの犬10銘柄 (2022年5月31日現在)
2022年5月版・ダウの犬 | 配当利回り | 予想PER | 年初来 |
ベライゾン(VZ) | 4.99% | 10.0倍 | -1.29% |
アイビーエム(IBM) | 4.75% | 19.3倍 | 3.88% |
ウォルグリーン(WBA) | 4.36% | 6.8倍 | -15.97% |
ダウ(DOW) | 4.12% | 8.9倍 | 19.85% |
スリーエム(MMM) | 3.99% | 14.9倍 | -15.95% |
シスコシステムズ(CSCO) ★ | 3.37% | 16.2倍 | -28.91% |
インテル(INTC) | 3.29% | 11.2倍 | -13.75% |
シェブロン(CVX) | 3.25% | 11.5倍 | 48.84% |
JPモルガンtチェース(JPM) ★ | 3.02% | 11.5倍 | -16.50% |
メルク(MRK) | 2.99% | 15.3倍 | 20.08% |
平均 | 3.81% | 12.6% | 0.28% |
大きな差はありませんが、こちらが現時点の【ダウの犬10銘柄】です。
★マークが新しい銘柄
通常版よりも配当利回りが上昇しては更に割安水準になりました。
年初来リターンは小さくなりましたが、リバウンド期待は大きくなったと思います。
これらを参考にして、6月からスタートして来年5月末に銘柄を入れ替えていくのも選択肢となります。
もちろん、年末の基本銘柄で実施しても問題ありません。
この部分はあまり神経質にならずに、自分が気持ちよく運用できる方法を選択してみてください。
途中で挫折して中止すると、全く意味がありませんからね。
重要なのは割安銘柄で、ジックリと運用することです!
今回は「ダウの犬投資法 2022年5月末!バリュー株が米国指数を圧倒」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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