米国株の投資で人気があるのが高配当株です。
保有しているだけで配当金がチャリンと入ってくるのですから、人気があるのは当然ですね。
【高配当株は不景気にも強く長期保有に向いている】と言われています。
理論的には正しく感じますし、好意的に受け取っている人も多いと思います。
実際に私も米国株を開始した頃は高配当銘柄を中心に購入していました。
今でも精神的に安心感のある高配当株は大好きです。
ただし、年々その投資比率は減少し成長株を意識的に増やしています。
リターンを重視している点もありますが、それだけではありません。
データを見ていくと高配当株が想像よりも不況時に弱い事実が見えてきたからです。
今回は高配当株への誤解と、不況時に投資戦略のヒントについて書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
配当は株価の下支えにならない?リーマンショックで見えた現実
私はこの1年間でナスダック100に連動する銘柄に400万円以上の投資をしました。
ナスダック100は成長企業の勝ち組のような存在!
平成の約30年間で株価が40倍にもなった、とんでもない指数です。
今回は参考までにナスダック100のETF(QQQ)、S&P500のETF(SPY)、米高配当株のETF(VYM)の数値を比較してみましょう。
期間はリーマンショックの前年から2019年11月末まで!
分かりやすいように、最初に100万円を投資していたと仮定します。
★2007年12月から2019年11月末(配当込みリターン)
銘柄 | 内容 | 年率リターン | 100万円投資 |
QQQ | ナスダック100 | 13.5% | 約450万円 |
SPY | S&P500 | 9.5% | 約270万円 |
VYM | 高配当の米企業 | 6.0% | 約255万円 |
やはりQQQの強さが目立ちますね。
高配当株のVYMとは12年間で約200万円の差になりました。
ただし、QQQの方が値動きが大きいので、これだけで高配当株よりも優れているとは言えません。
長期的な安定感というのも高配当株を選択する理由ですからね。
実際の話として、ニュースでネガティブ報道があった時は成長株が多いQQQはストンと下落することもあります。
『やっぱり、高配当株の方が不況に強いね』
しかし、この意見にも“待った”をかけます。
実はリーマンショックでは、安定を期待されていた高配当株がボロボロになってしまったのです。
リーマンショックでは高配当株の弱点が露呈してしまった。
100年に1度と言われる金融危機(リーマンショック)がハッキリと株式市場を襲ったのは2008年9月15日。
S&P500指数がいきなり5%に迫る下げが発端で、 半年後には▲40%以上までに転落 してしまいました。
配当込みリターンでS&P500が下落前水準に回復したのが2010年11月末なので回復するのに2年も掛かったことになります。
さて、この期間のナスダック100のETF(QQQ)、S&P500のETF(SPY)、米高配当株のETF(VYM)のチャートを用意したので確認してみてください。
不景気に強いと言われている高配当株ですが、実際には理論通りになっていません。
小さなニュースに対しては一定の安定感を見せるのですが、本物の不景気であるリーマンショックでは最も悪いパフォーマンスとなっています。
また、配当の下支えという希望に関しては完全崩壊!
3つのETFの中で下げがもっとも厳しくなったのが高配当株のVYMでした。
つまり、リーマンショックでは「不景気に強い」どころか、“価格の下げは厳しく、戻りも遅い”という負け組グループになってしまったのです。
さて、私達が認識しなくてはいけないのは、本物の危機では高配当株でも下落するという事実。
通常マーケットの中で価格が安定していても、“○○ショックが来ても大丈夫“という事にはならないという事です。
「これでは、不景気の時に打つ手がない・・」
そこで、次に別の視点から不景気対策を考えてみます。
逆転の発想!不景気になったら成長株を狙うべし?
一般の個人投資家から見ると、『不景気に成長株に投資をする』というのは凄い違和感があると思います。
しかし、運用会社や金融専門家でこの考えをする人は非常に多いです。
何故でしょう?
この前提には「急落時には全ての株が下がる」という考えがあります。
そして、急落した株の回復は成長株の方が早い傾向があります。
先ほどの、リーマンショックでの3つのETFチャートを再度貼りますので確認してみてください。
成長株の勝ち組で構成されるQQQの回復が圧倒的に早く、S&P500が元の水準に戻った時には20%以上も利益が出ている状態です。
この結果は、冷静に考えれば当たりまえの話です。
不景気な時というのは普通は株式投資をしません。
買われるとすれば“上昇期待がある株”ですね。
つまり、金融のプロ達は「下がらない株」を探すのではなく「下がっても回復が早い株」という視点で銘柄を選別するという事です。
運用会社の人と話をすると、成績が良い人ほどこの考えが強いような気がします。
投資で好成績を残す人の多くは、市場の流れに抵抗するよりも乗っていく戦術をとる人が多いですね。
私が成長株の比率を増やしているのは、利益を狙っていることは勿論ですが暴落対策の1つでもあります。
個人的に投資は途中挫折さえしなければ成功する可能性は高いと思っています。
高配当株を購入することは変わりませんが、違う動きをする銘柄(成長株)を加えることは長期投資においてプラスになると考えています。
今回は「高配当株が安心というのは嘘?米国株で知っておきたい意外な事実」について書きました。
記事の中で参考になる点があればヒントにしてみてください。
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