日本株の好調が続いています。
今年はプラス材料が多いこともあり、「日経平均の史上最高値更新するのでは?」という声も上がっていますね。
確かに現在の株価材料を見ると、他国よりも魅力的に見えます。
株価材料について、いくつか例を挙げると・・
東証が上場企業に対して「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請!
改革を好む外国人投資家にとっては、日本買いの大きな材料です。
さらに、新NISAがスタートしたことで、個人投資家からの長期的な資金流入も期待できます。
訪日外国人観光客によるインバウンド消費も好調です。
直近の消費額は既にコロナ禍前を上回る水準まで増加しています。
株価上昇には理由があります。
そういえば、J-REITの不調の記事をたびたび書いていますが、ホテル特化型リートだけは上昇しています。
インバウンド消費の恩恵で業績が上向いているのが理由。
今後も訪日外国人は増えていくと予想されていることから、インバウンド関連は注目テーマとなっています。
ただし、こういったテーマ株が長期的に上昇するかは分かりません。
今回は インバウンド関連銘柄の不安材料 について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
ホテルの宿泊代が高騰中!業績が良いと答えた企業は過去最高レベル
春になったら旅行する計画なのですが、ホテルや旅館の宿泊代がメチャクチャ高くなっていて驚かされます。
コロナ自粛の時期と比べたら2倍・3倍に上昇したケースも・・。
それでも予約がいっぱいという状況です。
為替が円安方向なので、私達とは感覚が違います。
インバウンド消費額がコロナ禍前を上回っている理由は、一人当たりの消費額が3割くらい上昇したことがあります。
以前のドル円が110円くらいだったので、円安効果で説明できますね。
今後という点を考えても、訪日外国人数は伸びていく予想です。
各国からの人数が増えていることもありますが、コロナ禍前に最大だった中国からの人数は半分以下の回復にとどまっています。
まだまだ、伸びしろが大きいという事ですね。
こういった状況もあり、宿泊・飲食サービス業の業況判断DIは、過去20年間でもっとも強い数値(景気が良いの回答が多い)となっています。
客数が増えて、単価も上がっているのですから当然ですね。
投資情報なんかでも「インバウンド関連は買い」「ホテルリートは注目」を頻繁に目にします。
確かに長期成長が見込めそうですが、注意点もあります。
投資情報をの鵜呑みにするのは危険だと思います。
円高になったらどうなるの?人手不足の問題も解決していない
訪日外交人の消費(一人あたり)がコロナ禍前よりも3割増えたというのは事実ですが、これは円安効果が大きいです。
今後もドル円が150円程度を維持すれば問題ありませんが、米国が利下げを実施すれば金利差は縮小していくので円高に振れる可能性があります。
金利だけで考えると、数年後に120円前後もあり得ます。
訪日客数が増えれば消費が100%増えるということではありません。
円高になれば、外国人のお財布が固くなる可能性は充分に考えられます。
さらに、サービス業の慢性的な人手不足という問題があります。
「宿泊施設の予約が取れない」ということが増えてきましたが、その理由は満室だけが理由ではありません。
ベッドメイキングや清掃といった人手が足りなければ、全室を受け入れることは不可能になります。
コロナ自粛期間に人手を削減したところも多いですね。
客数が増えると自動的に従業員が元に戻るなんて都合が良い話はありません。
これは、飲食店についても同じで、席が余っているのにお客様をお断りするケースが増えてきているそうです。
人手不足の結果、売上が頭打ちになるというパターンですね。
尚、宿泊・飲食サービス業では、労働力を確保するために賃上げを実施しています。
この賃上げ率は他の産業よりも大きいので、人手不足が慢性化していると思われます。
もちろん、人件費の高騰は利益の圧迫要因にもなりますね。
インバウンド関連についてはプラス要素ばかり発信されているので、長期的に順風満帆のような気分になりがちです。
しかし、実際にはマイナス材料もあるので、過熱感が強すぎれば株価が頭打ちになります。
勢いが失速すると同時に株価が急落するといことも充分に考えられます。
プラス要素とマイナス要素の両方をしっかり確認した上で、現在の株価水準が適正なのかを判断することが大切ですね。
今回は【日本株の落し穴?「インバウンド消費」で気になる点があります。】について書きました。
記事の中で参考になる点があれば、運用のヒントにしてみてください。
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