国際通貨基金(IMF)の 世界経済見通しが6月24日に発表されました。
通常スケジュールであれば7月発表なのですが、ウイルス感染拡大の経済損失が大きいという判断から前倒しになったという流れです。
結論としては、大幅下方修正!
世界全体はもちろんですが、米国経済も大きなマイナス修正となりました。
直近の株式市場は楽観ムードが漂っていますが、 IMFの見通しは 非常に厳しいものとなっています。
さらに『金融市場の回復度合いは、経済見通しの変化と乖離しているように見える』という指摘もありました。
今回はIMFから発表された世界経済見通しをもとに、今後の投資戦略について考えていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
IMF 『世界経済見通し』から投資戦略を組み立てる
世界経済見通しについては、いくつかの機関から発表されます。
代表的なのは IMF、世界銀行、OECD の3つです。
この中で最も注目なのが、記事で紹介するIMFの発表データ!
理由は簡単で、金融専門家が重視しているからです。
金融業界ではIMFの見通しを基本にして、世界銀行やOECDは補足として考えているパターンが多い印象。
IMFについては経済の良し悪しに関係なく取り上げられますが、他2つは市場が安定している時は話題にならないことも多いです。
株式の動きは長期的には経済成長と連動する傾向があるので、IMFの見通しは非常に重要になります。
来年は世界経済が回復!でも、2019年の水準は遠い・・
2020年の世界経済の成長見通しは▲4.9%で 4月の発表よりも▲1.9%も下方修正されました。
リーマンショックの時よりも 厳しい数字ですね。
先進国・新興国、主要国の見通しは以下の通りです。
2020年 | ※2021年 | ※2022年 | |
世界 | ▲3.1% | 5.9% | 4.9% |
先進国 | ▲4.5% | 5.2% | 4.5% |
米国 | ▲3.4% | 6.0% | 5.2% |
ユーロ圏 | ▲6.3% | 5.0% | 4.3% |
日本 | ▲4.6% | 2.4% | 3.2% |
新興国 | ▲2.1% | 6.4% | 5.1% |
中国 | 2.3% | 8.0% | 5.6% |
インド | ▲7.3% | 9.5% | 8.5% |
※2021年・2022年はIMF予想(2021年10月12日)
※前回7月より21年の世界経済見通しは0.1%の下方修正。
世界経済を牽引する米国は、4月の発表よりも2020年は▲1.9%、2021年は ▲0.2%の下方修正となりました。
今年の数値が弱いのは想像通りですが、来年も完全回復とはならない予想・・
株価が反発したこともありニュースや新聞では“経済のV字回復を期待から・・”と言った発信が目立ちますが、IMFは違う見方をしているということです。
また、新興国の回復も遅れる予想・・。
2021年の成長見通しを見ると強い数字に見えるのですが、4月の発表と比べて中国は▲1%、インドは▲1.4%です。
株価動向と経済予測が大きく乖離している点は頭に入れておく必要があります。
ウイルスの状況によっては、更なるか下方修正あり
IMFの基本となる予想に関しては、2020年の後半から世界経済が順調に回復することが基本として考えられています。
つまり、 これとは違うシナリオも用意されています。
一つは予想以上に年後半の経済回復が進む楽観パターン。
もう一つが、 感染第2波が発生する悲観シナリオ です。
悲観シナリオが現実となり再び都市封鎖などが実施された場合は、 21年の世界経済成長率は今回の予測から▲4.9%の低下するとされています。
資産運用は失敗しないことが重要!守りを意識した投資を行う
株式市場は3月に大きく下落しましたが、その後は急激に回復しています。
しかし、世界経済はV字回復には程遠いのが現実です。
警戒すべき状況は継続したままですね。
世界各国で大規模な金融が実施されているので、マネーが市場に流れ込みやすいという状況は確かにあります。
ただし、現在の株価が投資家の強い期待(経済の早期回復)が背景にあるとすれば、 その期待が裏切られた時には下落することになります。
私自身は世界経済に対して長期的に成長拡大するという考えは変わっていませんので、株式市場に対しては強気に見ています。
しかし、それは長期的な展望であって短期目線の話ではありません。
足元で株価が上昇したからといって、一括投資することは考えていません。
株価の方向が短期的には上下のどちらに動くか分からない時期ですので、攻めよりも守りを意識することが大切だと思います。
当たり前のことをやれば、資産運用は失敗する方が難しい!
現在の状況だとウイルスへの不安は想定よりも長くなる可能性があります。
一方でワクチン開発が急速に進んだ場合は、経済正常化へのピッチも上がります。
投資のタイミングについて悩んでいる人もいるかもしれませんが、私はシンプルに考えるようにしています。
現在の状況をまとめると・・
②短期的にはウイルスの影響で株価の動きが予想できない
シンプルに考えれば、時間分散で小分けにした買付が有力な選択肢ですね。
一括投資で大儲けを考えたり、平均以上のパフォーマンスを狙ったりしなければ、難しいことはありません。
また 「株価は上昇しているけど・・下落する可能性も・・」 と考えるならば、一定水準まで下がったら売却する設定(逆指値)ですね。
急落が予想される市場では、当然の準備です。
大きなリターンを狙おうとするから難しくなるのであって、資産を安定的に増やすことを考えれば悩むようなことは何もありません。
ちなみに個人的な投資についての話をすると、現状としては昨年よりも今年の方が利益が大きくなるペースで進んでいます。
読みが当たったわけでもなく、銘柄選定が良かったわけではありません。
保有株やETFに逆指値をして上値を追っていたら、テキトウなところで利益確定が実行されただけ!
当たり前のことを実践すれば、資産の運用は失敗する方が難しいと考えています。
今回は「大幅な下方修正!IMFの『世界経済見通し』から考える投資戦略」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば、資産運用のヒントにしてみてください。
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