海外ETFは1つの銘柄で分散投資ができるメリットに加えて、超低コストで運用できるのが魅力です。
国内の投資信託もコスト(信託報酬)の引下げ競争が行われていますが、有名な海外ETFは更にワンランク安い水準。
先月末には低コストで人気のバンガード3銘柄がコストダウンの発表があり、長期投資家を歓喜させました。
経費率変更 | ETF名 | ティッカー | 特徴 |
0.10⇒0.09% | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | VT | 世界分散株式 |
0.08⇒0.06% | バンガード 米国高配当株式 ETF | VYM | 米国高配当株 |
0.14⇒0.12% | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF | VWO | 新興国株 |
この数字を見ると、コストの安さに呆然としてしまいますね。
国内の投資信託から海外ETFにシフトする投資家が増えてきているのも納得です。
ただし、コストが安くても成績が低迷を続けるようでは意味がありません。
重要なのは“資産を増やす実力があるのか?”という事です。
今回は日本人投資家から人気の海外ETFに絞って、過去のデータから実力を検証してみたいと思います。
この記事の目次
海外ETFの人気ランキング!その結果は意外でした?
投資対象として注目度が上昇している海外ETFですが、個人投資家がどういった銘柄を購入しているか気になりますよね?
先ずは人気ランキングを確認してみましょう。
ランキングの基準は、私が米国株のメインとしているマネックス証券で保有口座数が多い順番にとします。(2019年3月1日)
順位 | ETF名 | ティッカー | 特徴 |
1位 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | VT | 世界分散株式 |
2位 | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | VTI | 米国全体株 |
3位 | バンガード・S&P500ETF | VOO | 米国大型株 |
4位 | バンガード 米国高配当株式 ETF | VYM | 米国高配当株 |
5位 | iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 | PFF | 優先株・高配当 |
6位 | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF | VWO | 新興国株 |
7位 | バンガード・米国トータル債券市場ETF | BND | 米国債券 |
8位 | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | QQQ | 非金融・IT大型 |
9位 | SPDR S&P500 ETF | SPY | 米国大型株 |
10位 | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF | HDV | 米国高配当株 |
5ヶ月前にもランキングデータをとったのですが、ベスト10の銘柄は同じです。
ただし、若干の順位変更がありました。
前回よりも大きく躍進したのはバンガード・S&P500ETF(VOO)とインベスコQQQトラスト・シリーズ1(QQQ)です。
この2銘柄は実績に比べて評価が低い印象でしたが、ここ1年くらいで急激に日本人の個人投資家に浸透してきた印象があります。
そして1位は、全世界市場(時価総額)の約98%をカバーする バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)です。
人気の理由は、この商品1本で地球全体の経済に投資できるという点。
世界経済は右肩上がりですし今後も成長が期待できるので、“投資について何も考えたくない人”にとっては魅力的な選択肢です。
ただし、過去のデータを検証すると、ちょっと評価が高すぎる印象もあります?
次に10銘柄の実力を「攻め」と「守り」という点で検証していくので確認してみてください。
海外ETFの「最強の剣」と「鉄壁の盾」を探せ!
人気の海外ETFについてはランキングで一目瞭然です。
でも本当に気になるのは成績の良し悪しですよね?
そこで人気の10銘柄に対して、過去5年間の年率リターンと標準偏差を調べて順位付けをしてみました。
ザックリとしたイメージですが、年率リターンは「攻め」の部分で儲けを示します。標準偏差は値動きの安定度を示す指標の一つですので「守り」と考えれば良いでしょう。
ティッカー | ETF名 | 攻め | 守り |
VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 7位 | 5位 |
VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 4位 | 8位 |
VOO | バンガード・S&P500ETF | 2位 | 7位 |
VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF | 5位 | 4位 |
PFF | iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 | 8位 | 2位 |
VWO | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF | 9位 | 10位 |
BND | バンガード・米国トータル債券市場ETF | 10位 | 1位 |
QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 1位 | 9位 |
SPY | SPDR S&P500 ETF | 3位 | 6位 |
HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF | 6位 | 3位 |
どうでしょう?何となくですが特徴が見えてきたと思います。
こういった表を参考にしてETFを選定するのも方法です。
尚、このデータの詳細は別ページにまとめていますので、興味がある人は覗いてみてください。
次にデータをもとに、個人的な投資戦略を考えてみたいと思います。
銘柄を1つに絞るならVTではなくてVOO?
銘柄を一つに絞りたい人は、攻守のバランスが良い商品に投資をするのが基本的な方法です。私の目安としては、攻撃と守備の順位を足して10以下ですね!
日本人の投資家から圧倒的に人気が高い「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」ですが、上記の表をみると12(攻撃7位+守備5位)です。
また、米国市場全体に投資する「バンガード トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」も人気はありますが、こちらも12(攻撃4位+守備8位)で攻め・守りともVOOより劣っている結果となりました。
一般的には分散した方がリスク低減にはなるのですが、これは銘柄数が多ければ良いということではありません。
投資を行う上で理論は重要なのですが、予想通りに動かないのも投資!私は理論に加えてデータを加えることで精度が高めるようにしています。
また、人気ベスト20にも入らないETFですが、NYダウに連動するSPDR ダウ工業平均 ETF(DIA)は個人的に好きな銘柄です。
直近5年の年率リターンではVOOやVTIを上回っています。※2019年3月1日現在
連動指数 | ETF名 | ティッカー | リターン |
NYダウ | SPDR ダウ工業平均 ETF(DIA) | DIA | 12.21% |
S&P500 | バンガード・S&P500ETF | VOO | 10.63% |
全米国市場 | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | VTI | 10.13% |
ETFに対して分散銘柄数や経費率ばかりが話題になるのですが、もっとも大切なのは“資産が増える”という点だと思います。
NYダウは優良企業のみで構成されているので、もっと評価されても良いと思っています。
海外ETFの証券会社は機能で選ばないと損をする?
今回は「海外ETFを斬る!人気ランキングでは分からない真の実力とは?」について書きました。
記事の中で、投資のヒントになる点があれば参考にしてみてください。
補足ですが、証券会社を選択する時に手数料ばかりに気を取られている人がいるのですが、これは基本的にデイトレダ―の発想です。
米国株は中長期投資ですので、情報と取引条件の方が遥かにリターンに対する影響が大きくなります。
例えば私はマネックス証券の指値(90日間)と時間外取引をフル活用することで資産が大幅に増えました。
手数料については、せいぜい数百~数千円の差しかありません。しかし、取引条件の良し悪しで利益が数万~数百万の差になる可能性がある点はシッカリ認識して欲しいと思います。
ちなみに、私は購入した個別銘柄には逆指値を設定することを徹底!これもマネックス証券を優先する理由です(他のネット証券は不可)。
急落時でも、逆指値をしておけば利益が残せることが多いので超オススメ。
これは私の必勝パターンでもあります。
米国株はマネックス証券!チャンス拡大の独自サービスが魅力
私は米国株・海外ETFの取引では、マネックス証券をメインにしています。
その理由は、大きなリターンを得る為の条件が揃っているからです。
この証券は 米国株で時間外取引ができる貴重な証券会社 。
時間外で【安く買えたり、高く売れたり】するケースがあるので、一般の証券よりもチャンスが拡大が期待できます。
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