海外ETFはコストが安く選択肢も豊富です。
また、ETFは複数銘柄が一つにパッケージになっている金融商品なので、個別銘柄よりも選択が簡単!
個人投資家からの人気も年々高まっています。
大手ネット証券等で気軽に売買できるようになったので、海外投資のスタンダードとして定着した感じですね。
ただし、投資は必ず儲かるわけではありません。
人気ETFについても例外ではなく、ズルズルと下がり続ける銘柄も・・。
今回は、日本の投資家から人気が高い海外ETをランキング形式で紹介。
更にリターンやリスクも調査しました。
トレンドの変化が明確になってきたので、注目してください。
尚、個別銘柄についても同様に調査していますので興味がある人は確認してみてください。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
★人気の海外ETFランキングTOP10 保有者が多い銘柄
ランキングデータはSBI証券の保有人数ランキングを参考にしています。
売買代金や出来高に関係なく、保有人数が多い銘柄が上位にくる仕組みです。
長期でガッツリと握っている投資家が多いほど順位が高くなる傾向があります。
では、早速ですが直近ランキングを確認してみましょう。
●ランキング調査期間(2023年7月10日~2023年7月14日)
※1ヶ月前から上昇橙・下落青
順位 | ティッカー | ETF名 | 特徴 |
1位 | SPYD | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF | 米国高配当株 |
2位 | VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 米国株市場 |
3位 | VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF | 米国高配当株 |
4位 | VOO | バンガード・S&P500ETF | 米国大型株 |
5位 | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 世界株式 |
6位 | HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF | 米国高配当株 |
7位 | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 大型成長株 |
8位 | SOXL | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF | 半導体×3 |
9位 | VIG | バンガード・米国増配株式ETF | 米国連続増配 |
10位 | EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | インド株 |
海外ETF人気ランキングは、個別株と比べてランキングの変動が小さいのが特徴。
上位銘柄は、ほぼ固定しています。
今月のトップ10銘柄と順位は、前月から変更なし。
個別株は好調銘柄(成長株)がランクアップするのですが、ETFについては短期的な動向に対する反応は小さいですね。
米国代表的な指数は長期トレンドの200日移動平均線を上回っています。
相場全体が大崩れする可能性は小さくなったと言えますが、株価水準から考えると上値も限定的という悩ましい状態・・。
上昇を継続する株式(株価水準)に疑心暗鬼になっている?と感じている人が多い印象です。
海外ETFランキングでは保守的な銘柄が中心!
長期目線で投資している人が多い印象です。
TOP10のうち4銘柄が配当系のETFです。
市場全体(VT・VOO・VTI)に投資する銘柄も、トップ10に完全定着している状況ですね。
また、ランキング外ですが、11位~15位の中には米国債に関連するETFが3つもあります。
トータル的に堅い運用が好まれている状況です。
次の項目では、人気ETFをリターン順に並び替えてみます。
(人気ランキングとの違いにも注目)
足元では、グロース優位が続いています。
成長株の復活は来年以降と予想していましたが、その流れが前倒しになったようにも見えますね。
リターンランキング!成長株の強さが鮮明です。
人気の10銘柄を直近5年間のリターン順に並べかえました。
また、23年になってからトレンドの変化が見えるので年初来リターンも合わせて紹介します。
順位は分配金を含めたトータルリターンで決めています。
市場平均(VOO)を超えている数値は赤字にしていますので、注目してください。
●リターン調査の基準日:2023年7月14日
※順位横の( )数字は、人気ランキングの順位です。
順位 | ティッカー | ETF名 | 5年 | 年初来 |
1位(8) | SOXL | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF | 22.2% | 172.1% |
2位(7) | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 17.0% | 42.8% |
3位(4) | VOO | バンガード・S&P500ETF | 11.9% | 18.4% |
4位(9) | VIG | バンガード・米国増配株式ETF 配当 | 11.5% | 8.3% |
5位(2) | VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 11.0% | 18.1% |
6位(10) | EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | 9.3% | 9.5% |
7位(5) | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 8.1% | 15.8% |
8位(3) | VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF 配当 | 8.1% | 0.1% |
9位(6) | HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF 配当 | 7.1% | -1.9% |
10位(1) | SPYD | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF 配当 | 5.2% | -2.0% |
一目瞭然の結果ですね。
リターンについは成長株を多く含む【SOXL】【QQQ】が圧倒しています。
先月まではQQQが1位でしたが、今月はSOXLが1位。
ついにレバレッジ型がトップに返り咲きました。
ただし、割高感がある事に加えて、伸び率は鈍化してきています。
今後も同様の勢いを継続できるかは、決算の結果次第ですね。
また、市場平均であるVOO(S&P500)も健闘しています。
他のETFよりも成長株の比率が高いことが上昇に寄与しました。
HDV・SPYDの高配当系は、年初からマイナス・・。
8位~10位に配当系が並びました。
【SPYD】は人気NO.1に返り咲きましたが、リターンは最下位。
5年リターン・年初リターンとも厳しい状況です。
値動きが大きい点は頭に入れておきましょう。
米国株が急回復している印象ですが、中身を見ると成長株が強いだけです。
全体が好調というわけではありません。
むしろ、バリュー(配当株含む)はマイナスや横ばいというのが実態。
ただし、成長株についても上昇の勢いが鈍化している点は注意が必要です。
さて、ETFについてはリターンだけで良し悪しを判断するものではありません。
リターンは好成績でも、乱高下が激しくてストレスが大きい銘柄もあります。
次の項目では、価格変化が小さい順に並べ替えました。
安定性を重視する人に注目です。
人気10銘柄のリスクランキング!バリュー株の安定感が光る
人気の10銘柄を直近5年間のリスクが小さい順番に並べかえました。
●リスク調査の基準日:2023年7月14日
基本的に数値が低い方が価格変動が小さくて安定的であると考えてください。
尚、市場平均(VOO)よりも良好な数値は赤字にしていますので注目してください。
※順位横の( )数字は、人気ランキングの順位です。
順位 | ティッカー | ETF名 | リスク |
1位(6) | HDV | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF 配当 | 19.5 |
2位(9) | VIG | バンガード・米国増配株式ETF 配当 | 19.6 |
3位(3) | VYM | バンガード 米国高配当株式 ETF 配当 | 19.9 |
4位(5) | VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 20.5 |
5位(4) | VOO | バンガード・S&P500ETF | 21.7 |
6位(2) | VTI | バンガード トータル・ストック・マーケットETF | 21.9 |
7位(10) | EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | 24.0 |
8位(1) | SPYD | SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF 配当 | 24.8 |
9位(7) | QQQ | インベスコQQQトラスト・シリーズ1 | 26.1 |
10位(8) | SOXL | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF | 106.1 |
米国市場平均よりも良好なのは、配当株の『HDV』『VYM』『VIG』。
それ以外では世界株の『VT』ですね。
全部で4銘柄が市場平均よりも、良好(安定感がある)という結果になりました。
地域分散や配当株は安定感が高いと言われますが、それが実証された数値ですね。
ただし、『HDV』『VYM』の2銘柄は、年初来リータンが出遅れています。
配当系ETFは人気が高いのですが、高配当(利回り)だけで選ぶと期待ハズレの結果になる可能性があるので注意。
『VIG』(連続増配株)のように優良銘柄が多く含まれている方がトータルでは期待できます。
銘柄選びでは、リスク・リターンの両方を確認するのが基本。
尚、私が注目しているのは、クオリティ株で構成された 米国株クオリティ配当成長ファンド(DGRW)です。
人気トップ10の中でいうと、VIGが近いイメージですね。
2銘柄のリスク・リターンは以下の通りです。
23年7月14日 | リターン(5年) | 年初来 | リスク(5年) |
DGRW | 12.2% | 12.1% | 19.6 |
VIG | 11.5% | 8.3% | 19.6 |
過去5年・年初来の成績はDGRWの方が良好。
リスクも同水準なので、安定感もあります。
不透明感が強い時は、クオリティ株は選択肢の一つとして魅力的だと思います。
ETFは基本に長期投資でリターンを出すのが設計ですので、結果を急ぎ過ぎないことが大切。
今回は「23年7月 海外ETFランキング!配当重視タイプは低迷が続く」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
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