2023年9月版、米国株人気ランキングです。
直近の1ヶ月を振り返ると、前半戦は好調でしたが後半は下落しました。
FRBパウエル議長が利上げを継続する意向を示したことが嫌気された感じですね。
欧州も利上げや景気減速の観測あり、中国株式市場は不動産市況の低迷・・。
後半になってネガティブなニュースが増えてきた印象です。
このような中で、国内投資家から人気が高い米国株の成績を確認していきます。
人気銘柄の配当利回り、1年・年初来リターンの実績を調査。
また、後半部分にインデックス指数(NYダウ・S&P500・ナスダック100)についても1年リターンやPERの比較を行っています。
投資を行う上での参考にしてみてください。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
人気の米国株ランキングTOP10 保有者が多い銘柄
ランキングデータはSBI証券の保有人数ランキングを参考にしています。
売買代金や出来高に関係なく、保有人数が多い銘柄が上位にくる仕組みです。
長期でガッツリと握っている投資家が多いほど順位が高くなる傾向があります。
では、早速ですが直近ランキングを確認してみましょう。
●ランキング調査期間(2023年8月28日~2023年9月1日)
※1ヶ月前から上昇橙・下落青
順位 | 銘柄 | ティッカー | 特徴 |
1位 | アップル NYダウ | AAPL | IT通販等/iPhone |
2位 | テスラ | TSLA | 電気自動車 |
3位 | マイクロソフト NYダウ | MSFT | ソフトウェア |
4位 | コカ・コーラ NYダウ | KO | 清涼飲料メーカー |
5位 | エヌビディア | NVDA | 半導体・GPU |
6位 | AT&T | T | 携帯電話事業など |
7位 | アマゾンドットコム | AMZN | ネット通販/IT関連 |
8位 | ベライゾン NYダウ | VZ | 無線通信 |
9位 | ジョンソン&ジョンソン NYダウ | JNJ | 製薬、医療機器等 |
10位 | プロクター&ギャンブル NYダウ | PG | 日用消費財 |
日常的に耳にする企業名がズラリと並びましたね。
ベスト10の全体的な顔ぶれは「前月から変化なし」。
順位については、高配当のAT&Tが上昇。
(アマゾンが下落)
個人的には、この順位変動は少し意外でした。
市場の流れとしては大手IT系が強いので、そちらが上昇すると思ったのですが・・
年初から下落が続くAT&Tの保有者が増えています。
配当利回りが高い(約7.5%)ので、長期で復活を待つ考えかな?
ランキングから考えると個人投資家の選考は、配当株と成長株の2極化が鮮明。
インカム(安定収益)とキャピタル(値上がり益)で分かれている状態です。
今年に入ってからは成長株が好調ですが、人気ランキングの6割はNYダウ銘柄が占める状態!
大型優良株については、相場の強弱に関係なく常に上位を維持しています。
短期的には派手な銘柄の話題が多いのですが、実際には堅い銘柄でジックリ運用している投資家が多いと推察されます。
次の項目では、上記の人気10銘柄を配当利回り順に並べ替えてみます。
人気10銘柄の配当利回りランキング!
配当利回りは、直近四半期の配当をもとに算出しているので、今後の業績等によってズレが生じる可能性があります。
目安程度の確認でお願いします。
また、前月の順位を( )内に記載しています。
1ヶ月の変化を確認してみてください。
●配当利回り調査の基準日:2023年9月1日
※順位横の( )数字は、前月の順位です。
※参考:S&P500の配当利回りは1.5%です。
※S&P500よりも利回りが良好な数値は赤。
順位 | 銘柄 | ティッカー | 配当利回り |
1位(2) | AT&T | T | 7.6% |
2位(1) | ベライゾン NYダウ | VZ | 7.5% |
3位(3) | コカ・コーラ NYダウ | KO | 3.1% |
4位(4) | ジョンソン&ジョンソン NYダウ | JNJ | 3.0% |
5位(5) | プロクター&ギャンブル NYダウ | PG | 2.0% |
6位(6) | マイクロソフト NYダウ | MSFT | 0.8% |
7位(7) | アップル NYダウ | AAPL | 0.5% |
8位(8) | エヌビディア | NVDA | 0.0% |
ー(-) | テスラ | TSLA | ー |
ー(-) | アマゾンドットコム | AMZN | ー |
10銘柄の平均は約2.5%でした。
先月から若干下落しましたが、ほぼ変わらずですね。
利回り低下の要因は、通信大手のVZとTの株価が若干持ち直したことが理由。
ただし、この2銘柄の年初来リターンは-10%を超えている状況。
市場平均と比較するとかなり厳しいですね。
尚、S&P500の配当利回りは1.5%で、昨年同時期の1.7%より0.2%ダウン。
一方で、株価については1年間で約16%上昇しています。
配当は魅力的ですが、永久に続く保証はありません。
業績(決算等)は定期的にチェックする必要がありますね。
尚、高配当株はNYダウ銘柄が多い点は注目。
財務健全性が優良であることから長期的に配当が維持される可能性が高いです。
ちなみに、米国株の場合は基本的に年4回配当です。
配当は保有しているだけで利益が得られるのが魅力!
長期保有が成功のカギとなります。
もっとも、配当が良くても株価がズルズル下がってしまっては意味がありません。
次の項目ではリターンを記載しましたので、確認してみてください。
リターンランキング!大型テック株に利益確定の動きあり
人気の10銘柄を直近1年間のリターン順に並べかえました。
年初から米国株が好調なので、年初来の数値も併記しています。
順位は、株価の上昇率に分配金(インカムゲイン)を加えた数値で決めています。
また、前月の順位を( )内に記載。
1ヶ月の変化を確認してみてください。
●リターン調査の基準日:2023年9月1日
※順位横の( )数字は、前月の順位です。
※参考:S&P500の1年リターンは15.8%です。
※参考:S&P500の年初来リターンは17.6%です。
※S&P500よりも良好な数値は赤。
順位 | 銘柄 | ティッカー | 1年リターン | 年初来 |
1位(1) | エヌビディア | NVDA | 248.3% | 231.9% |
2位(2) | マイクロソフト NYダウ | MSFT | 27.4% | 37.0% |
3位(3) | アップル NYダウ | AAPL | 20.7% | 45.8% |
4位(4) | プロクター&ギャンブル NYダウ | PG | 13.6% | 2.0% |
5位(7) | アマゾンドットコム | AMZN | 8.1% | 64.4% |
6位(5) | ジョンソン&ジョンソン NYダウ | JNJ | -0.2% | -9.2% |
7位(6) | コカ・コーラ NYダウ | KO | -1.5% | -6.8% |
8位(10) | ベライゾン NYダウ | VZ | -10.8% | -11.5% |
9位(9) | AT&T | T | -10.8% | -20.4% |
10位(8) | テスラ | TSLA | -11.6% | 98.9% |
1年リターンでS&P500(15.8%)を上回ったのは3銘柄のみでした。
(年初来は4銘柄)
いずれも IT や AI に関連する銘柄です。
今年の米国株の状況がそのまま反映された結果ですね。
依然としてIT関連銘柄が強いのですが、上昇の勢いは鈍化してきています。
マイナス銘柄も増えてきました。
一本調子の上昇には陰りが見えてきた状態ですね。
逆に出遅れていたオールドエコノミーの一部に見直し買いの動きも出てきています。
米国経済の不透感もありますが、欧州・中国の景気への不安もマーケットに影響を与えています。
しばらくは不安定な相場状況が続くかもしれません。
先行き不透明な時は、財務健全&安定成長の銘柄が基本です。
大型テック株に割高感があるので要注意。
世界的に金融政策の動向・景気への警戒や地政学リスクなど不透明要素が点在しています。
株価は年初から好調ですが不透明感は継続と考えた方がよいでしょう。
米国経済も足元は上方修正されていますが、来年は低成長の見通しです。
強い経済を過信しすぎると、後で痛い目に合う可能性あり!
私は大型優良株を中心に投資をしたほうが無難だと考えています。
参考までに、2023年9月1日時点の米国を代表する人気3指数の状況を表にまとめましたので確認してみてください。
米国の人気指数 | 配当 | 予想PER | 1年リターン |
NYダウ工業株30種 | 2.1% | 19.0倍 | 12.5% |
S&P500種 | 1.5% | 20.2倍 | 15.8% |
ナスダック100指数 | 0.8% | 27.4倍 | 27.3% |
どの指数も良好ですね。
ただし、3指数ともPERが過去平均よりも高いので注意が必要。
IT関連銘柄の勢いが鈍ってきているので、ちょっと気になりますね。
米景気に関しても楽観論が広がっていますが、米国債の逆イールドは継続中。
PERが高い時は、相場が傾くと下落幅が大きくなることがあるので注意してください。
個別株で大きなマイナスを抱えると、元の水準に回復するのには相当な時間が必要にります。
私は不透明相場では、損切りルールを決めて取り組むのは必須と考えています。
今回は「23年9月 米国株ランキング!相場全体の不安感は消えず」について書きました。
銘柄選びのヒントにしてみてください。
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今後は、これでバフェットの保有株をチェックしていく予定です。
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