米国株は7-9月の決算発表に反応して上昇しています。
ただし、楽観できる状況ではありません。
年初からこのパターンで何度も裏切られてきました。
あくまでも短期筋の動向で、長期運用の腰を据えた資金流入ではないと考えています。
今年の1月から見ていくと、時間経過にしたがって株価が下がっています。
ここ数年の強いアメリカ株を経験していた投資家にとっては、目を疑いたくなるような状況です。
少し前まで、業界全体が「米国株を買っておけば大丈夫!」という考えでした。
もちろん、私も例外ではありません。
2014年から米国の個別株を買いはじめましたが、上昇するイメージしか残っていません。
途中、下落する場面もありましたが、期間は一時的でした。
今回のようにダラダラと下がり続けるケースは経験していません。
「米国株を買っておけば大丈夫!」というのは、私も正しいと思っていたわけです。
しかし、昨年の半ば以降は成長株から撤退して、10年は保有するとしていたアルファベット(GOOGL)も全て売却しました。
完全な手のひら返しをしています。
今回は私が「米国株」への考えを変更した理由と、今後の投資戦略について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
S&P500が弱いのは当然の結果!頭の中を一旦リセットする
昨年まで S&P500は最高の株式指数 と言われていましたが、今年になって悲惨な状況です。
これに対して「利上げが終われば、また強い米国株が復活する」という期待もありますが、それも怪しくなってきました・・。
株価低迷の大きな原因は利上げですが、ここまで米国市場が弱いのには別の理由があります。
以下はIMF(国際通貨基金)が2022年10月11日に発表した世界経済見通しです。
米国の状況を確認してみてください。
2021 | ※2022年 | ※2023年 | |
世界 | 6.0% | 3.2% | 2.7% |
先進国 | 5.2% | 2.4% | 1.1% |
米国 | 5.7% | 1.6% | 1.0% |
ユーロ圏 | 5.2% | 3.1% | 0.5% |
日本 | 1.7% | 1.7% | 1.6% |
新興国 | 6.8% | 3.7% | 3.7% |
中国 | 8.1% | 3.2% | 4.4% |
インド | 8.7% | 6.8% | 6.1% |
※2022年・2023年はIMF予想(2022年10月11日)
米国市場は、世界株・先進国株の数値よりも大きく劣っています。
欧州も来年は大きく減速予想です。
実は、この中で年初来株価がもっとも厳しいのが米国と欧州(ドイツ)です。
9月末の段階で-25%くらいですね。
一方でもっとも良好なのはインドで、年初とほぼ同水準。
日本は約10%のマイナスで、中国は-15%程度でした。
この結果は、経済見通しから考えると妥当ですね。
株価が低迷しているのは当然の結果と言えます。
尚、私が世界株にシフトしたり新興国株を買いはじめたのも経済見通しを参考にしているからです。
日本株のスポット買いを頻繁に行っていた理由も同様。
経済見通しと株価が100%連動するわけではありませんが、こういった数値は頭にシッカリ入れておくべきだと思います。
補足:私が投資情報を確認するのは基本的に週1回だけです。
私の情報収集は、基本的に週1回「岡三グローバルウィークリー」を確認するだけ!
米国株や日本株、債券などの情報や今後の戦略についてコンパクトにまとめられているので重宝しています。
多すぎる情報は投資行動にマイナスに働く場合があるので、 信頼できる情報に絞り込む ようにしています。
詳しくは別記事にまとめていますので、興味がある人は覗いてみてください。
過去の大幅上昇はバブル!これからの相場は違います
昨年まで米国市場が一人勝ちのような状況で、何を買っても上昇するような相場でした。
自分は有能な投資家だと勘違いしていた人もいるのでは?
ちなみに私は「投資センスが向上したかも?」とニンマリしていました(笑)
結論としては誰でも儲かる相場で、負ける方が難しい時期だっただけ・・。
今年は自分が凡人ということを嫌と言うほど認識しました。
再び過去のような状況がやってくれば嬉しいのですが、普通に考えるとしばらくは難しいですね。
米国株が上昇した背景には「第4次産業革命」という言葉に反応して、IoTやAI・ビッグデータを用いた技術革新などがありました。
赤字企業でもIT関連というだけで株価が上昇!
冷静になってみれば、典型的なバブル相場(テーマ株)です。
さらに、米国経済が失速データが出始めた時にコロナショックが発生!
強烈な金融緩和と財政出動が行われたことで、株価が大幅上昇しました。
結果的にはコロナショックが米国株にとって神風となったという事。
実力で上がったわけではありません。
さて、足元の状況を見る限りは「第4次産業革命」のように投資家を熱狂させるような材料はありません。
将来的に金融引締めから緩和には転じると思いますが、コロナショック後のような強烈な施策は期待できませんね。
常識的に考えれば、ここ数年続いたような大相場は10年程度は期待できないと思います。
産業についてもグローバル化が逆回転(分断化)している状況ですので、低成長時代へと移行することも考えられます。
過去は忘れて、新相場へと頭を切り換えることが大切ですね。
投資の基本に戻る!価値ある企業に投資をしていく
今後の投資を考える上で私が重視するのは「長期的には企業利益と株価は連動する」という考えです。
米国全体の市場を見る時も同じですね。
シンプルに経済成長の見通しが弱いから、株価も低迷しているという判断です。
そういう意味では、長期的にシッカリと上昇していくものを選別する必要がありますね。
私が注目しているのは「財務体質が良くて、稼ぐチカラがある企業」。
一般的にはクオリティ株と呼ばれている銘柄ですね。
この点についてはDGRW(米国株クオリティ配当成長ファンド)の積立でカバーしています。
年初来はマイナスですが、S&P500と比較すると10ポイントくらい良好。
不透明要素がしばらく続くと予想されるので、DGRWのような株式投資の基本にそった銘柄を買っていこうと思います。
私は米国株の大半は売却方向で、例外的に増やすのがクオリティ株になります。
株式は自信を持って長期保有できるものだけに絞り込む方針です。
今回は「強い米国株は一旦忘れよう!次の大相場は10年以上も先になる?」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
私はDGRW(クオリティ株)の定期買付を実施しています
米国株の長期投資戦略として海外ETFの積立を実施しています。
現在のメイン対象は【DGRW】米国株クオリティ配当成長ファンド。
配当を実施している米国の大型株約300社で構成されるETFです。
ROA・ROEの収益性等の指標から、利益(配当)成長が期待できる銘柄を投資対象としています。
「長期的には利益成長と株価は連動する」という私の方針と合致したことが決定理由です。
先行きが不透明な時にはピッタリなETFだと考えています。
長期運用に向いている設計ですので、10年単位の定期積立で大きなリターンを目指していこうと思います。
尚、私はマネックス証券を米国株のメインにしています。
米国株の為替手数料(買付時)無料と時間外取引に対応してる点が魅力。