2020年はウイルス感染拡大に対する懸念から、年前半に株式が大きく下落しました。
その後、 大規模の金融緩和や財政出動のより米国市場(S&P500)は順調に回復!
年初来リターンはブラスとなっています。
※2020年8月14日現在
ただし、中身をみると一部のハイテク銘柄が株価を押し上げているだけで、多くの銘柄は株価低迷が続いているのが実態。
その中で、個人投資家を失望させているのが高配当株。
株価が下がっても“配当でカバーできる”という期待があったのですが、 年初からの値下がり幅が予想以上に大きくそれを埋めることができていません。
今回は人気の高配当ETFの状況について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
米高配当ETFは銘柄で明暗がクッキリ!
米国株ETFで個人投資家から人気が高いのは以下の4銘柄。
●【VYM】 バンガード 米国高配当株式 ETF
幅広い米高配当銘柄に投資。低コストでバランスも良い人気ETF。
●【SPYD】 SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF
S&P500銘柄の高配当上位80社に均等配分で投資。高い利回りが特徴。
●【HDV】 iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF
高配当の優良銘柄75社で構成。選定は財務状況や支払い能力も考慮。
●【PFF】 iシェアーズ 優先株式&インカム証券ETF
米国企業を中心とする優先株式に投資。高利回りと安定感が魅力。
上記のETFは昨年まで順調に推移していたのですが、コロナショックでは大きく下落しました。
株価の回復についても鈍い状況です。
この理由には、 ハイテクセクターの比率が小さい 点があります。
米国市場(S&P500)の業種割合は『情報技術』が 約25%でダントツ1位。
感染が広がる中でも影響が少ない(むしろ追い風)IT関連株に資金が集中しています。
しかし、これらの成長株は“配当なし”が多いので、高配当株ETFでは採用銘柄が限定的・・
S&P500と比べて大きく見劣りしているのが実情です。
高配当ETFのリターンを確認!PFFは配当込みで年初来プラスを達成
高配当ETFの配当利回りとリターンを確認してみましょう。
リターンについては、配当を含む数値(トータルリターン)です。
基準日:2020年8月18日
商品名 | 年初リターン | 1年リターン | 直近利回り |
VYM(銘柄数・多い) | ▲9.5% | 1.7% | 4.0% |
SPYD(利回り優先) | ▲25.3% | ▲14.8% | 5.1% |
HDV(厳選配当株) | ▲11.1% | ▲3.4% | 4.1% |
PFF(優先株式・安定) | 0.6% | 3.5% | 5.4% |
配当を含んだ成績では、PFFが年初来でプラスとなっています。
※純粋に株価だけではマイナス。
3月は一時的に急落しましたが、その後は順調に株価が上昇しています。
PFFはリーマンショックでも同じような感じでしたね。
この銘柄に関しては下落しても、それほど慌てなくても良い気がしています。
もっとも、安定性では優位性はありますが、値上がり期待は小さいので、債券に近い感覚のETFですね。
私は3400株(約1300万円)を保有しており、年間で約6500ドル(約70万円)の配当を得ています。
※2020年8月14日時点のレートで計算、税引き前。
この銘柄の配当は、賃貸料の支払いに充てており生活を安定させるのに貢献してくれています。
コロナショックから順調に株価も回復したので含み益も出ている状態です。
SPYDとHDVは年初と1年の両方でマイナスですが、 VYMは1年トータルではプラス になっています。
年初来マイナスは気にしなくていいと思いますが、直近でS&P500が史上最高値を更新している事を考えると1年リターンはプラスであって欲しいですね。
高配当戦略はOK!ただし、都合の良い言い訳はNG。
現在はIT関連銘柄が有利な状況ですので、その銘柄が少ない高配当ETFのパフォーマンスは低調です。
ただし、事業基盤が安定している企業を多く含んでいるので、配当銘柄を選択することは間違いとは考えていません。
ハイテク銘柄の1強という状況が永久に続くとは考えられませんので、高配当銘柄に注目が集まるシーンも出てくると予想しています。
長期でリターンを目指す内容なので、一喜一憂せずにじっくり運用していくことが大切ですね。
ただし、コロナショックの下落に対して「今回は特殊な事例」という言い訳だけは絶対にNGです。
長期で運用を行えば、似たような出来事が起きることは充分に考えられます。
今回の下落を貴重な経験としなければ、同じ失敗を繰り返す事になります。
ハイテク比率が低いことが原因ならば、それを加えるのも選択肢です。
あるいは、一定水準まで下落した場合は、傷口が広がる前に一旦売却する体制を作るのも良いでしょう。
私はリーマンショックで大失敗したので、その後は大きく下げた場合は機械的に売却を行うようになりました。
そして、市場が落ち着いたら再投資をした結果が現在の資産に繋がっています。
下落をチャンスに変えられるようになってからは、不安定相場は私の得意分野となっています。
配当戦略の注意点!“利回り優先”で失敗する人が続出
配当重視の投資は魅力的なのですが、失敗している人も目立ちます。
この失敗パターンのほとんどが、 配当利回りを重視した銘柄選択 です。
配当を継続するには強固な財政基盤と事業利益の確保がポイント!
利回りを確認するのは、このハードルをクリアしてからになります。
若干、利回りが下がっても、中身がある企業を選択するのが成功の秘訣です。
例えば、 【DLN】ウィズダムツリー米国大型株配当ファンドや連続増配株の【VIG】バンガード・米国増配株式ETF などはシッカリした企業が目立ちます。
配当利回りは若干劣りますが、1年や5年のトータルリターンは人気の高配当ETF(VYM)よりも格段に好成績を残しています。
人気銘柄だからといって好成績だとは限りませんので注意してください。
尚、【DLN】はマネックス証券とSBI証券ならば買付手数料が無料になります。
⇒ 【海外ETF】VOOやVT、VTIなどの買付手数料が実質無料!
今回は『高配当ETFの【PFF】が年初来プラスへ!【SPYD】【VYM】は苦戦が続く』 について書きました。
記事の中でヒントになる点があれば、運用の参考にしてみてください。
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