2023年7月版、米国株人気ランキングです。
投資先として米国株を選択する個人投資家が増えてきました。
過去の長期リターンが日本株よりも優秀なので当然とも言えます。
ただし、米国株であれば必ず儲かるというわけではありません。
人気銘柄だと思って買ったら、ズルズルと下がり続けることも・・。
今回は、日本の投資家から人気が高い米国株と成績の実態を合わせて確認。
配当利回り、1年・年初来リターンの実績を調査しました。
米国株の人気銘柄が、どんな成績を残しているか確認してみてください。
また、後半部分にインデックス指数(NYダウ・S&P500・ナスダック100)についても1年リターンやPERの比較を行っています。
個別銘柄と合わせて確認してみてください。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
人気の米国株ランキングTOP10 保有者が多い銘柄
ランキングデータはSBI証券の保有人数ランキングを参考にしています。
売買代金や出来高に関係なく、保有人数が多い銘柄が上位にくる仕組みです。
長期でガッツリと握っている投資家が多いほど順位が高くなる傾向があります。
では、早速ですが直近ランキングを確認してみましょう。
●ランキング調査期間(2023年7月3日~2023年7月7日)
※1ヶ月前から上昇橙・下落青
順位 | 銘柄 | ティッカー | 特徴 |
1位 | アップル NYダウ | AAPL | IT通販等/iPhone |
2位 | テスラ | TSLA | 電気自動車 |
3位 | マイクロソフト NYダウ | MSFT | ソフトウェア |
4位 | コカ・コーラ NYダウ | KO | 清涼飲料メーカー |
5位 | エヌビディア | NVDA | 半導体・GPU |
6位 | アマゾンドットコム | AMZN | ネット通販/IT関連 |
7位 | AT&T | T | 携帯電話事業など |
8位 | ベライゾン NYダウ | VZ | 無線通信 |
9位 | ジョンソン&ジョンソン NYダウ | JNJ | 製薬、医療機器等 |
10位 | プロクター&ギャンブル NYダウ | PG | 日用消費財 |
日本でも日常的に耳にする企業名がズラリと並びましたね。
ベスト10の全体的な顔ぶれは「前月から変化なし」。
順位については、一部で入替えがありました。
ベライゾン(VZ)の順位がひとつ上昇。
配当利回りが7%を超えているので、興味を持つ投資家が多いようです。
個人投資家の好みは、配当株と成長株の2極化が鮮明。
インカム(安定収益)とキャピタル(値上がり益)で分かれている状態です。
足元は成長株が好調ですが、全体としてはNYダウ銘柄が6割を占める状態!
これら大型優良株については、相場変動に関係なく上位を維持しています。
長期保有スタイルで米国投資をしている投資家が多いと推察されます。
次の項目では、上記の人気10銘柄を配当利回り順に並べ替えてみます。
人気10銘柄の配当利回りランキング!
配当利回りは、直近四半期の配当をもとに算出しているので、今後の業績等によってズレが生じる可能性があります。
目安程度の確認でお願いします。
●配当利回り調査の基準日:2023年7月7日
※順位横の( )数字は、人気ランキングの順位です。
※参考:S&P500の配当利回りは1.6%です。
※S&P500よりも利回りが良好な数値は赤。
順位 | 銘柄 | ティッカー | 配当利回り |
1位(8) | ベライゾン NYダウ | VZ | 7.3% |
2位(7) | AT&T | T | 7.1% |
3位(4) | コカ・コーラ NYダウ | KO | 3.1% |
3位(9) | ジョンソン&ジョンソン NYダウ | JNJ | 3.0% |
5位(10) | プロクター&ギャンブル NYダウ | PG | 2.5% |
6位(3) | マイクロソフト NYダウ | MSFT | 0.8% |
7位(1) | アップル NYダウ | AAPL | 0.5% |
8位(5) | エヌビディア | NVDA | 0.0% |
ー(2) | テスラ | TSLA | ー |
ー(6) | アマゾンドットコム | AMZN | ー |
10銘柄の平均は約2.4%でした。
先月から0.1ポイント低下しましたが、株価全体が1ヶ月前より上昇したのが要因。
配当利回りが良いのは、VZとTの通信系です。
ただし、この2銘柄は1年リータンが配当込みでも20%を超えるマイナスとなっている点は頭に入れておいてください。
S&P500の配当利回りは1.6%ですが、昨年同時期は1.7%でした。
年初からの株価上昇で、配当利回りについて低下しています。
配当は魅力的ですが、永久に続く保証はありません。
業績(決算等)は定期的にチェックする必要がありますね。
尚、高配当株はNYダウ銘柄が多い点は注目。
財務健全性が優良であることから長期的に配当が維持される可能性が高いです。
ちなみに、米国株の場合は基本的に年4回配当です。
配当は保有しているだけで利益が得られるのが魅力!
長期保有が成功のカギです。
もっとも、配当が良くても株価がズルズル下がってしまっては意味がありません。
次の項目ではリターンを記載しましたので、確認してみてください。
10銘柄のリターンランキング!大型テック株が強い
人気の10銘柄を直近1年間のリターン順に並べかえました。
年初から米国株が好調なので、年初来の数値も併記しています。
順位は、株価の上昇率に分配金(インカムゲイン)を加えた数値で決めています。
全体的には、成長株が年初来で急上昇しています。
●リターン調査の基準日:2023年7月7日
※順位横の( )数字は、人気ランキングの順位です。
※参考:S&P500の1年リターンは14.6%です。
※参考:S&P500の年初来リターンは14.5%です。
※S&P500よりも良好な数値は赤。
順位 | 銘柄 | ティッカー | 1年リターン | 年初来 |
1位(5) | エヌビディア | NVDA | 168.2% | 190.9% |
2位(1) | アップル NYダウ | AAPL | 31.1% | 46.7% |
3位(3) | マイクロソフト NYダウ | MSFT | 26.9% | 40.6% |
4位(2) | テスラ | TSLA | 12.2% | 122.8% |
5位(6) | アマゾンドットコム | AMZN | 11.6% | 54.5% |
6位(10) | プロクター&ギャンブル NYダウ | PG | 4.6% | -1.8% |
7位(4) | コカ・コーラ NYダウ | KO | -8.3% | -9.9% |
8位(9) | ジョンソン&ジョンソン NYダウ | JNJ | -8.9% | -11.1% |
9位(7) | AT&T | T | -20.3% | -15.2% |
10位(8) | ベライゾン NYダウ | VZ | -24.3% | -8.8% |
1年リターンでS&P500(4.3%)を上回ったのは4銘柄のみでした。
(年初来は5銘柄)
いずれも、IT関連の大型成長株です。
この状況から考えると、米国株の状況は一部の企業が強いだけで全銘柄では決して強くありません。
実際には、低迷している銘柄も多い状況です。
また、成長株が今後も上昇が継続するかは怪しい点もあります。
上昇銘柄の全ての企業が業績好調かというと、決してそうではありません。
一時的な、過剰反応による上昇という可能性あり。
テック株は割高水準の銘柄が多いので、決算で躓くと大きく崩れる心配もあります。
先行き不透明な時は、財務健全&安定成長の銘柄が基本です。
大型テック株に割高感があるので要注意。
米国株については金融政策の動向・景気後退への警戒や地政学リスクなど不透明要素が点在しています。
当面は不安定な相場と考えた方がよいでしょう。
中小型株などは避けて大型優良株を中心に投資をしたほうが無難だと思います。
参考までに、2023年7月7日時点の米国を代表する人気3指数の状況を表にまとめましたので確認してみてください。
米国の人気指数 | 配当 | 予想PER | 1年リターン |
NYダウ工業株30種 | 2.1% | 18.2倍 | 9.8% |
S&P500種 | 1.6% | 20.1倍 | 14.6% |
ナスダック100指数 | 0.7% | 28.9倍 | 25.3% |
注意すべきは、3指数ともPERが過去平均よりも高いこと。
また、指数のリータン成績についてはIT関連株の比率が高いものほど高いリターンとなっています。
米国株が強いのではなく、大型テック株が強いだけというのが正しい認識のように感じます。
尚、今週から4-6月期の決算発表がはじまります。
割高銘柄は決算で失敗すると、大きく下がることが多いので注意してください。
個別株で大きなマイナスを抱えると、元の水準に回復するのには相当な時間が必要にります。
私は不透明相場では、損切りルールを決めて取り組むのは必須と考えています。
今回は「23年7月 米国株ランキング!成長株がリターン成績で上位独占」について書きました。
銘柄選びのヒントにしてみてください。
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