米国株人気ランキング、2024年2月版です。
新年の1月相場を見ると、1位はダントツで日経平均株価、それに続くのがナスダックやNYダウなどの米国株です。
株式は絶好調に見えますが、強いのは日米の2ヶ国くらい。
欧州は年初から横ばい、アジアは中国を中心に低迷という状況。
このまま上値を追って欲しいのですが、気になる点も出てきました。
成長株が多いナスダックのPERは約31倍で過去平均を大きく超えています。
S&P500も約22倍で非常に高い水準・・。
もちろん成長が続けば問題無いのですが、IMFの予想によると米国の24年成長率予想は2.1%、25年は1.7%に鈍化となっています。
この状況を見ると、株価は少しスピード違反気味に見えます。
金融政策の変更を先取りしている可能性が高いので、どこかで調整(株価下落)となることも考えておいた方が良さそうです。
今回は米国株人気ランキングを中心にして、その成績等を確認していきます。
珍しく順位が大きく動いたので注目してください。
また、後半部分にインデックス指数(NYダウ・S&P500・ナスダック100)についても年初来リターンやPERの比較を行っています。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
人気の米国株ランキングTOP10 保有者が多い銘柄
ランキングデータはSBI証券の保有人数ランキングを参考にしています。
売買代金や出来高に関係なく、保有人数が多い銘柄が上位にくる仕組みです。
長期でガッツリと握っている投資家が多いほど順位が高くなる傾向があります。
では、早速ですが直近ランキングを確認してみましょう。
●ランキング調査期間(2024年1月29日~2024年2月2日)
※1ヶ月前から上昇橙・下落青
順位 | 銘柄 | ティッカー | 特徴 |
1位 | アップル NYダウ | AAPL | IT通販等/iPhone |
2位 | テスラ | TSLA | 電気自動車 |
3位 | マイクロソフト NYダウ | MSFT | ソフトウェア |
4位 | エヌビディア | NVDA | 半導体・GPU |
5位 | コカ・コーラ NYダウ | KO | 清涼飲料メーカー |
6位 | アマゾンドットコム | AMZN | ネット通販/IT関連 |
7位 | AT&T | T | 携帯電話事業など |
8位 | ベライゾン NYダウ | VZ | 無線通信 |
9位 | ジョンソン&ジョンソン NYダウ | JNJ | 製薬、医療機器等 |
10位 | プロクター&ギャンブル NYダウ | PG | 日用消費財 |
米国を代表する企業がズラリと並びましたね。
ベスト10の銘柄につては1ヵ月前と同じですが、順位については大きく入れ替わっています。
数か月は動きが小さかったのですが、今回は非常に特徴的な変化がありました。
ランキングを見ると、配当株と成長株の2極化がハッキリしています。
ただし、順位を見るとハイテク大手が上位を占める状態!
投資家の成長株への選好が鮮明です。
順位を見るとマイクロソフト、エヌビディア、アマゾンを保有する投資家が増えています。
一方で、3位以内が定位置だったコカ・コーラが5位に転落。
高配当株として人気が高かったAT&Tもジリジリと順位を下げています。
ETFではS&P500に連動するVOO、高配当のVYMやSPYDが人気上位ですが、個別銘柄については成長株へシフトする動きが見えます。
コア商品は堅いETFにして、サテライトで成長株(個別株)という投資家が増えている可能性が考えられますね。
次の項目では、上記の人気10銘柄を配当利回り順に並べ替えてみます。
人気10銘柄の配当利回りランキング!
配当利回りは、直近四半期の配当をもとに算出しているので、今後の業績等によってズレが生じる可能性があります。
目安程度の確認でお願いします。
また、前月の順位を( )内に記載しています。
1ヶ月の変化を確認してみてください。
●配当利回り調査の基準日:2024年2月2日
※順位横の( )数字は、前月の順位です。
※参考:S&P500の配当利回りは1.5%です。
※S&P500よりも利回りが良好な数値は赤。
順位 | 銘柄 | ティッカー | 配当利回り |
1位(1) | ベライゾン NYダウ | VZ | 6.3% |
2位(2) | AT&T | T | 6.2% |
3位(3) | コカ・コーラ NYダウ | KO | 3.0% |
4位(4) | ジョンソン&ジョンソン NYダウ | JNJ | 3.0% |
5位(5) | プロクター&ギャンブル NYダウ | PG | 2.4% |
6位(6) | マイクロソフト NYダウ | MSFT | 0.7% |
7位(7) | アップル NYダウ | AAPL | 0.5% |
8位(8) | エヌビディア | NVDA | 0.0% |
ー(-) | テスラ | TSLA | ー |
ー(-) | アマゾンドットコム | AMZN | ー |
10銘柄の平均は約2.2%でした。
先月から0.1%低下しましたが、ほぼ同じという水準。
S&P500が変わらずで利回り1.5%です。
ちなみに、昨年の同時期のS&P500は1.7%の利回りでした。
株価上昇による利回り低下なので、悪い話ではありません。
さて、配当は魅力的ですが、永久に続く保証はありません。
業績(決算等)は定期的にチェックする必要がありますね。
尚、NYダウ銘柄に高配当株が多く含まれている点は注目。
財務健全性が優良であることから長期的に配当が維持される可能性が高いです。
ちなみに、米国株の場合は基本的に年4回配当です。
配当は保有しているだけで利益が得られるのが魅力!
長期保有が成功のカギとなります。
もっとも、配当が良くても株価がズルズル下がってしまっては意味がありません。
次の項目ではリターンを記載しましたので、確認してみてください。
リターンランキング!大型テック株に利益確定の動きあり
人気の10銘柄を直近1年間のリターン順に並べかえました。
※年初来の数値も併記。
順位は、株価の上昇率に分配金(インカムゲイン)を加えた数値で決めています。
また、前月の順位を( )内に記載。
1ヶ月の変化を確認してみてください。
●リターン調査の基準日:2023年2月2日
※順位横の( )数字は、前月の順位です。
※参考:S&P500の1年リターンは20.6%です。
※参考:S&P500の年初来リターンは4.0%です。
順位 | 銘柄 | ティッカー | 1年リターン | 年初来 |
1位(1) | エヌビディア | NVDA | 204.1% | 33.6% |
2位(4) | マイクロソフト NYダウ | MSFT | 56.8% | 9.4% |
3位(3) | アマゾンドットコム | AMZN | 52.2% | 13.1% |
4位(5) | アップル NYダウ | AAPL | 23.9% | -3.5% |
5位(7) | プロクター&ギャンブル NYダウ | PG | 14.0% | 7.9% |
6位(6) | ベライゾン NYダウ | VZ | 8.3% | 11.8% |
7位(8) | コカ・コーラ NYダウ | KO | 3.6% | 2.7% |
8位(2) | テスラ | TSLA | -0.2% | -24.4% |
9位(10) | ジョンソン&ジョンソン NYダウ | JNJ | -2.6% | -0.1% |
10位(9) | AT&T | T | -6.0% | 6.2% |
米国株のリターン成績は、分かりやす状況となっています。
1年リターンでS&P500(20.6%)を上回ったのは4銘柄ですが、いずれも大型の成長株です。
それに対して高配当株は市場平均に劣後するケースが目立ちます。
ただし、24年に入って状況は少し変わってきました。
出遅れていたバリュー株の中で上昇する銘柄が出てきています。
一方で、大型成長株のテスラが急落。
僅かですが、市場の変化が出てきたように感じています。
高配当のディフェンシブ系は昨年は全滅状態でしたが、割安となっている銘柄も多いので買戻しも期待できそうです。
★関連:ダウの犬投資法(24年版)
また、大型IT株の決算では、小さいマイナス材料でも株価が大きく反応(下落)することが目立ってきました。
成長株のPERは30倍を超えているので、この点は注意が必要です。
株価の期待値が高くなりすぎている可能性あり。
悪い材料が出ると、ガタっと崩れるかも?
今年の米国株も引き続き金融政策に一喜一憂する展開が続くと予想しいてます。
相場の行方は不透明感が継続と考えた方がよいでしょう。
個人的には大型優良株を中心に投資をしたほうが無難だと考えています。
参考までに、2024年2月2日時点の米国を代表する人気3指数の状況を表にまとめましたので確認してみてください。
米国の人気指数 | 配当 | 実績PER | 1年成績 |
NYダウ工業株30種 | 1.9% | 25.8倍 | 16.0% |
S&P500種 | 1.5% | 22.1倍 | 20.6% |
ナスダック100指数 | 0.9% | 30.9倍 | 39.0% |
どの指数もリターンはプラスとなっています。
ただし、3指数ともPERが過去平均よりもかなり高いので注意が必要。
米国市場は利下げが織り込まれている状況ですが、その筋書き通りに進むかは分かりません。
シナリオが崩れた場合は、下落幅が大きくなる可能性があるので注意してください。
個別株で大きなマイナスを抱えると、元の水準に回復するのには相当な時間が必要にります。
私は不透明相場では、損切りルールを決めて取り組むのは必須と考えています。
今回は「24年2月 米国株 ランキング!今月は順位が大きく入れ替わりました」について書きました。
銘柄選びのヒントにしてみてください。
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