「年金だけでは2000万円不足する」という金融庁の報告書があってから、老後の生活について不安を感じる人が増えています。
私自身も老後資金の目標として2000万円としていたので、目安としては間違っているとは思っていません。
金額に関しては情報媒体によって「1億円以上」「3000万円」などバラつきが大きかったので、一定の目標ができた点では良かった面もあります。
ただし、報告書の情報が一人歩きしてしまい“2000万円が無ければ老後破綻”のような極論が出てきている点は注意。
私の経験から言えば「 2000万円が無くても、老後生活は十分にできます」。
でも、その金額を目指してもらいたいのも本音です。
今回はFPと社会福祉士の経験から、老後資金の2000万円に対する考え方について書いていきます。
この記事の目次
「年金だけでは2000万円不足する」の根拠は何?
そもそもの問題として「年金だけでは2000万円不足する」の根拠は何でしょう?
これは2017年の家計調査が元となっており、“高齢者無職世帯の平均収入と平均支出の差額”から導いたものです(以下の図)。
出典:金融庁 金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)議事次第
ザックリに言うと、“年金収入が月20万円弱に対して、支出平均が25万円強だから『約5.5万円不足』ですね”という事。
そして、5.5万円を30年間継続すれば総額は約2000万円になります。
年金額が多い人もいますし国民年金のみという人もいるので一概には言えませんが、平均値を計算して導いた数値としては間違いではありません。
ただし、私の経験から言えば「2000万円が無いからといって、老後生活が破綻するという事はありません」。
日本人は、お金に関してシッカリとした考えを持っています。
2000万円が不足していても老後生活が可能な理由を説明します。
「あなたは、月20万円の収入に対して25万円の支出をしますか?」
ほとんどの人は、※毎月の収入の範囲で生活を実行しようとします。
※年金支給は二か月に一回です。
つまり、2000万円がなくても生活する人の意識が高ければ、破綻なんてしないのです。
FP相談でも、当初は老後資金として2000万円を目標としていても、諸事情により(会社の倒産や転職)で予定が狂ってくることは普通にあります。
その場合は老後資金は1000万円や500万円で生活できるように マネープランを作り直すだけの話です。
もちろん「老後は2ヶ月に一回は旅行したい」といった希望を「半年に1回」にするなどの変更は必要になります。
また、 老後までに目標金額に到達しなくても65歳以降も働く方法だってあります。
年金以外の収入があれば、当初の予定通りの生活も可能ですね。
つまり、理想として2000万円は目標にして欲しいのですが、到達していなくても悲観する必要はありません。
目標を2000万円にしている理由は?
老後の目標金額というのは生活スタイルによって変わるので、残念ながら“正解の金額”はありません。
ただし、標準レベルの目安としては2000万円は意識して欲しい金額です。
私は相談者に対して『2000万円は、現在の生活レベルを維持するための目安と考えてください』と説明しています。
生活の質を現在よりも上げることを目指すなら3000万円の方がいいでしょう。
極論を言えば“生活レベルを下げてもいいのならば1000万円でOK”です。
多くの相談者に聞くと「今の生活レベルは維持したいなぁ・・」と考える人が多いので、目安として2000万円という数字を使っています。
私は老後資金に関しては“準備した金額だけ選択肢が増える”という考えです。
2000万円に到達しなくても老後破綻はしません。
でも、預金0円より100万円の方が“できる”ことが増えるのは事実です。
お金があってプラスになることはあってもマイナスになること少ないと思いますので、資産運用は積極的にチャレンジしてみてください。
老後の不安は行動することで解消できます!
今回は「老後資金2000万円をFPが斬る!目標額に届かなくても悲観する必要なし」について書きました。
参考になる点があれば今後のヒントにしてみてください。
老後については漠然とした不安を持っている人が多いのですが、実際に計算していくと普通に準備していけば充分に到達できる金額です。
また、私はFPだけでなく社会福祉士としての仕事もしていたので、老後生活の相談も数多く受けてきました。
「質素な生活を心がけている」と「質素な生活しか出来ない」では、結果が同じでも精神的なユトリが全く違います。
老後資金は、早めに行動していけば思った以上に簡単に準備できますので積極的にチャレンジしてみてください。
また、資産運用で投資を利用する場合に株式や投資信託ばかりが話題になりますが、堅い運用を希望する人には債券という選択肢もあります。
預金に近い感覚の運用を希望する人には有力な選択肢になるはずです。
関連:投資信託にダメだしって本当?安定運用がしたければ債券に注目せよ
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