投資では将来リターンを予想するのは非常に難しい事。ただし、リターンの影響に対して自分自身でコントロールできるものがあります。
それが『コスト』です。全く同じ値動きの商品が2つあった場合、コストが安い商品を選択した方がリターンが良いのは誰でも分かると思います。
このコストについて、最も注目されているのが「eMAXIS Slimシリーズ」。
国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株、バランス(8資産均等)の6種類のインデックス商品を揃えており、いずれも国内最安水準のコストとなっています。
低コストの投資信託は数多くありますが、従来の商品と大きく違う点があります。
それは、コストに対して「業界最低水準を目指し続ける」という運用方針を打ち出している点。
今回はその中から、ホッタラカシ投資の有力候補である「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」について詳しく紹介していきます。
この記事の目次
商品概要 ~資産運用で注目 3つの魅力~
最初に「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」の概要を紹介します。
以下の表にまとめましたが重要点は後で詳しく説明しますので、サラッと目を通すだけで大丈夫です。※2021年1月31日現在
運用方法 | 8資産均等型(各12.5%) |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
ファンド形式 | ファミリーファンド形式 |
設定日 | 2017年5月9日 |
分配金 | 無配 |
買付け手数料 | 無料 |
信託報酬 | 0.1540%※純資産500億未満 |
信託財産留保額 | なし |
さて、ここからが本題!「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」で、注目すべき3点をクローズアップしていきます。
簡単に言うと、『徹底分散・最安コスト・ホッタラカシ』という長期投資にとって魅力の要素が揃っている商品。それぞれの特徴について詳しく説明していきます。
魅力1.「財産3分法」で世界分散
一般的にバランスファンドというと債券と株式の組合せが多いと思います。
この「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は更に不動産を加えることで分散効果をたかめています。
株式3資産(日本・先進国・新興国)、債券3資産(日本・先進国・新興国)、不動産REIT2資産(日本・先進国)の合計8資産で構成。
これだけの分散を個人で行えば・・想像したくもありません(笑)
資産 | インデックス | 資産比率 | 財産比率 |
国内株式 | TOPIX(東証株価指数) | 12.5% | 37.5% |
先進国株式 | MSCI コクサイ・インデックス | 12.5% | |
新興国株式 | MSCI エマージング・マーケット・インデクス | 12.5% | |
国内債券 | NOMURA-BPI 総合 | 12.5% | 37.5% |
先進国債券 | シティ世界国債インデックス | 12.5% | |
新興国債券 | JPモルガン・GBI-EM Global Div | 12.5% | |
国内REIT | 東証REIT指数 | 12.5% | 25.0% |
先進国REIT | S&P先進国REITインデックス | 12.5% |
日本・先進国・新興国の世界中に投資をすることでリスクを分散。
さらに、資産は安全性の債券・収益性の株式・安定分配金のREITという性質が異なる組合せで安定的な収益の実現を目指します!
参考までに、株式と債券が50:50の世界経済インデックスファンドと値動きの安定感(標準偏差)を比べてみましょう。
商品名 | 1年 | 3年 | 5年 |
eMAXIS バランス(8資産均等型) | 9.9 | 8.2 | 8.9 |
セゾン バンガード・グローバルバランスF | 11.2 | 9.9 | 10.1 |
※2019年2月末現在、eMAXIS バランス(8資産均等型)で代用
セゾン投信は均等配分ではないので単純比較はできませんが、eMAXIS バランス(8資産均等型)の方が値動きに安定感があります。
他のバランスファンド(株&債券)との比較でも似たような結果ですので、資産分散の効果は数字に表れていますね。
※標準偏差は数字が小さい方が安定感あり
長期投資ではリターンだけでなく、値動きの安定感も重要な要素。
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は分散がシッカリできているので長期投資に適した設計になっていると言って良いでしょう。
魅力2.長期運用に嬉しい低コスト設計
長期投資をする上で注意したいのがコストです。
投資信託は専門家が代わりに運用・管理を行うので、保有期間中も資産に応じて費用(信託報酬)が発生します。イメージとしては年会費に近い感じです。
この信託報酬は年率0.2~2%程度で一見すると非常に小さい金額なのですが、5年・・10年・・と長期になるにしたがい大きな差になります。
100万円を5%の利回りで運用
信託報酬 | 運用10年 | 運用20年 | 運用30年 |
0.5% | 155万 | 241万 | 374万 |
1.0% | 148万 | 219万 | 324万 |
1.5% | 141万 | 199万 | 280万 |
たった1%の違いで100万の差になりました。投資信託を探す時には商品設計は勿論ですが、コストの確認も非常に重要です。
では、本題ですが「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」のコストと確認しましょう。
購入時に必要な買付け手数料は0円なので、最初に余計な費用は一切発生しません。
また、上記で説明した信託報酬は0.154%と類似ファンドの中では最安水準となっています。
一般的なバランスファンドと比較すると4分の1程度ですので、コスト面の魅力は圧倒的ですね。
今後も最安水準は確定?
現在が最安水準という事は魅力ですが、それ以上に興味深いのは、今後も最安値水準が続く可能性が高い点です!
eMAXIS Slimシリーズは、コストに対して「業界最低水準を目指し続ける」という方針になっています。
これは、類似ファンドがコストを引き下げて最低水準を更新すれば、それに追随してコストを引き下げていくという事です。(100%ではありません)
実際に信託報酬は設定時は0.22%だったのですが、半年後に競合ファンドの出現により引き下げています。
さらに2019年も競合ファンドが出現したことで、0.140%まで引き下げとなりました。
つまり、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)を運用している投資家は、「最低コストのファンドは何?」なんて考える必要は無いのです。
魅力3.リバランスは不要!ホッタラカシ投資
長期投資を継続していくと、必ずと言っていいほど「ある問題」が発生します。
それが、資産配分の割合がズレていく事です。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の割合をもう一度確認してみましょう。
溜息が出る程、きれいに配分されていますね。
各資産を別々に購入して、同じ配分を維持し続ける事を想像してみてください。おそらく、1年もすれば、この配分は均等が崩れて不恰好な状態になっていると思います。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、この配分管理を運用会社が行ってくれるので何もしなくて良い点です。
投資について難しい事を考えたくない人やホッタラカシにしたい人、投資経験が浅い人などには、ピッタリだと思います。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の運用成績
最後に、この投信の期間別の騰落率を紹介します(2020年12月末)
※運用期間が短いので、値動きが同じのeMAXIS バランスの数値を利用
1年 | 3年 | 5年 | リスク |
0.67% | 2.75% | 4.26% | ※小さい |
※5年リスクは類似バランスファンドの平均値に対する評価
世界市場が急落したので直近1年はやや低い数字ですがプラスを維持する健闘です!
また、3年・5年の期間でみていけば資産運用として充分に魅力的な数字。
私の仕事上の経験では、将来に向けて投資信託を購入する人は、3~4%くらいで堅い運用を希望している人が目立ちます。
もっと大きいリターンを期待する人もいるかもしれませんが、値動きの安定感を考えれば『長期投資の商品として合格点』です。
投資に関してはリターンばかりに目を奪われがちですが、そういった商品はズドーンと下がる可能性もあります。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は値動きリスクを抑えるような堅い設計ですので、老後資金などの形成に向いている投資信託です。
注意点:~似た名前の商品に注意~
類似商品で「eMAXIS バランス(8資産均等型)」という商品があります(Slimの記載が無い)。商品設計は同じですが、コストは2倍以上になるので購入時に注意してください。
※2020年1月31日現在
商品名 | 信託報酬 |
eMAXIS バランス(8資産均等型) | 0.55% |
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | 0.154% |
基本的に運用成績は同じでコストだけが違います。今から投資を行うのであれば、コストが安い「eMAXIS Slim」を選択した方が良いでしょう。
今回は『eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 代名詞は“業界最低水準コスト”!?』について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
購入先:以下の3証券で取扱いがあります。
証券会社&説明 | 公式サイト・お申込み |
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