長く資産運用にかかわる仕事をしていますが、必ずある定番の質問というものが存在します。
それが日本の長期展望!そのほとんどは「財政破綻があるか?」という話です。
日本の政府債務(借金)のGDP比率は主要国の中では突出して高いので不安に感じている人が多いようです。
今回は日本の財政破綻の可能性と、将来的な危機に対して有効な商品について考えてみたいと思います。
この記事の目次
日本の経済破綻の可能性は?
日本の財政を見ると本当に悲惨ですね。
膨らみ続ける社会保障費を見ていると将来の年金などが不安になります。
ただし、こういった年金不安から、財政破綻まで話が拡大してしまうのはチョット強引すぎです。
最初に結論を言うと、今後30年程度で日本が財政破綻する可能性はとても小さい。
可能性としては0%とは言えませんが、主要国の中でも破綻する順番としては最後の方ですから、過剰な心配は不要です。
日本の借金に対する勘違い?
日本の借金問題について、以前にギリシャと比較して過剰な危機感を煽る一部の報道がありました。
しかし、比較方法に偏りがある印象・・
報道時期のギリシャは対外債務国(借り手)ですし、経常収支も赤字が続いていました。
日本は大きな借金を抱えているのですが、対外債権国(貸し手)として世界1位。しかも、28年連続という強さです。
そして、基本的に経常黒字の体質。
借金については、円建て債務が大部分ですので、究極的には「国債の日銀引き受け」という強硬措置も選択肢としてあります(インフレリスクが大きいので原則×)
このような状態で財政破綻になった話は聞いた事がありません。
10年、20年で財政破綻になる可能性は極めて低いと考えてよいでしょう。
しばしば起こる“リスク回避の円買い”についても、こういった点が考慮されていると想像しています。
【破綻しない=今の状態が続く】ではありません。
日本が財政破綻の可能性が低いからといって、現在の安定的な生活が今後も続くという事ではありません。
社会保障費が継続的に増えていく事の根本的な解決は、依然として見えていません。
最近はゼロ金利が当たり前になっていますが、これは日銀の金融緩和で無理やり作っている状態。
日銀の国債の買い入れもドンドン増やした結果、全体の4割以上となっています。
買い入れを今後も維持する事は常識的に考えて無理がありますね。
つまり、最終的にはどこかで金融緩和を終わらせなくてはいけないという事。
その場合は、普通に考えると金利上昇でインフレ方向が有力ですね!
長期投資においては、日銀の金融緩和が無くなる事を前提に運用計画を考えるのが無難です。
インフレでは、どんな商品が良いの?
金利上昇でインフレと言われてもピンとこないかもしれませんが、金融機関などは既に準備に取り掛かっています。
なぜならば金利が上昇すると、長期の債券は大きく下落してしまうリスクがあるので、銀行は大損害となります。
日銀の金融システムレポートによれば、金利1%の上昇で国内金融機関に7兆円を超える損失が出るとの事。
現在は大手銀行を中心に残存期間が短い債券にシフトすることでリスクを抑えていく施策が進められています(金利の影響が小さい)。
さて、一般の私たちが行うインフレ対策を考えてみましょう。
株式や株式投信などはインフレ向きの商品ですから、運用をしている人は特別な施策は不要です。
ただし、インフレが予想よりも強い場合は、その影響で倒産してしまう企業もあるので安泰というわけではありません。
究極的には個人向け国債(変動10年)が最強かな?
仕事で多くの金融関係者と話をしますが、最終的にはこの商品に行きつきますね!
「国債は不安・・」という人もいるかもしれませんが、最初に述べたように、日本は財政破綻がしづらい構造になっています。
つまり国債だから安心なのです。
個人向け国債(変動10年)は、事実上の元本保証でインフレにも対応するすので究極の危機管理商品だと考えています。
個人向け国債を購入する時に気を付けたい事
(出典:画像は財務省ホームページ)
投資ではネット証券を中心に取引をしている人が多いと思いますが、個人向け国債は大手証券の方がキャンペーンが圧倒的に有利です。
特典だけで数万円の差になる事もあるので妥協は禁物です。
ちなみに、私が個人向け国債を購入する時はSMBC日興証券で購入しています。
キャンペーンが最高水準でネットから簡単に申込みができます。
現在の個人向け国債(変動10年)の金利水準は非常に低いのですが、半年ごとに適用金利が変化するので購入タイミングを気にしなくていいのも魅力。
ちなみに、SMBC日興証券は個人向け国債だけでなく、IPOでも取扱い数や主幹事数がトップ水準ですので魅力的!
口座を作っておいて損は無いと思います。
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資産運用のヒントになる点があれば参考にしてみてください。