米国株は地政学リスクや金融政策への不安があり、3月前半まで低迷していました。
その後は、FOMCを通過したことで上昇。
パウエルFRB議長が『米国経済の景気後退は見込んでいない』と発言したことも、株価回復の後押しになりました。
NYダウは3月8日に3万2600ドルまで下落しましたが、3月末には3万5000ドルまで回復(年初:3万6800ドル)。
成長株のナスダックも大きく下落していたこともあり、反転する動きも見えます。
さて、米国株はこのまま上昇していくことができるでしょうか?
今回は経済の先行きを考えた投資について書いていきます。
この記事の目次
パウエル議長の『景気後退は見込んでいない』は本当か?
株価回復のキッカケの一つが、FRBのパウエル議長が米国経済の先行きに対して楽観的な見方を示したことがあります。
「FRBには逆らうな」という格言もありますので、米国投資ではその意向に沿った行動をするのが賢い選択です。
実際に株価は3月前半を底値に力強く反転しました。
ただし・・・
パウエル議長が今後も経済に対して楽観的な発言を繰り返すかは疑問です。
私はマイナス方向へ軌道修正していくと予想しています。
再び下落することも否定できません。
成長株(ナスダック)のPERは過去平均よりも高い水準にあるので、下げ幅が大きくなる可能性がある点は注意です。
もちろん、この不安は杞憂に終わるかもしれません。
米国株は過去の厳しい局面でも上昇してきた経緯があります。
資産運用では良い予想・悪い予想のどちらに傾いたとしても大丈夫なようにしておくことが重要です。
次の項目では、私が米国経済に関して感じている不安について書いていきます。
高インフレに警戒、米国の個人消費は大丈夫なのか?
ウクライナ情勢が緊迫したことで、ロシアに対して欧米各国から厳しい経済制裁が行われています。
資源大国(原油・天然ガス・パラジウム・ニッケルなど)のロシアが市場から締め出されて供給が減るのですから価格上昇圧力が高まるのは当然ですね。
停戦合意すれば即解除ということも考えづらいので、インフレ圧力はしばらく続くと予想されます。
さて、米国はGDPの約7割が個人消費が占める国です。
足元の高インフレは、普通に考えれば逆風材料・・。
特にガソリン価格の上昇は、家計に直結します。
米国は日本ほどバスや鉄道が発達していないので車は生活に必須です。
また、金融引き締めで住宅ローン金利が急上昇している点も注意。
こういった影響は時間が経過するにしたがい徐々に出てきます。
3ヶ月後、半年後・・、気が付いたらお財布の紐がどんどん固くなっているパターンですね。
個人消費が低迷して経済にブレーキが掛かれば、株価にも悪影響があるのは自然な事です。
また、米国の長期金利と短期金利の差が縮まってきている点は注意。
最近は米国2年国債と10年国債の利回りが逆転する状況が何度かありました。
株式投資家の楽観的な見方に対して、債券投資家は経済の先行きに対して不安を抱えている状況がわかります。
長短金利差の逆転は景気後退のシグナルです。
現状は米3ヶ月国債と10年国債では利回りに開きがあるので、そこまでは深刻ではありません。
ただし、ここの差も縮まってきた時には厳重警戒になります。
また、不透明い要素が大きい時は、アルゴリズム取引が予想外の売りで反応する可能性もあります。
足元の株価は底値から回復していますが、まだまだ油断はできません。
投資のペースは維持!ただし、銘柄選択は慎重に行う
米国経済の先行きに対する不安を書いていますが、私は投資のペースを緩めることは考えていません。
こういったネガティブな予想を跳ね返してきたのが米国株です。
過去を振り返ると、投資を中止した人はチャンスロスとなりました。
また、経済が失速して不景気に突入しても、それは永久に続くことではありません。
その間にシッカリ投資をしておけば、経済回復の時に大きなプラス期待へと変貌します。
どのような状況でもマーケットに居座るのが私の方針。
ただし、投資対象には注意したいですね。
マーケットが下落した時に、致命傷となるほど下がるような銘柄では復活もできません。
やはり、財務体質がよい銘柄や長期的な利益成長が期待できる銘柄を中心に投資をしていくのが良いと思います。
個人的にはETFだと連続増配株を集めたVIG、ROE・ROAなどの指標から利益成長が期待できる銘柄に投資するDGRWなどに注目しています。
迷った時はクオリティ重視!
バリュー株やグロース株というのは景気循環の中で、強弱がハッキリ出る傾向があります。
ある意味では、旬の時期があると言えます。
それに対して、高収益(クオリティ)企業は目立った強い時期はありません。
ただし、どの時期においても安定した成績を残してきたのが特徴。
1位じゃないけど、いつも2位・3位くらいにいる状態。
先行きの不透明感が高い時の投資には相性が良いと思います。
私は【長期的には利益と株価は一致する】と考えているので、質の高い銘柄をコツコツと買い続けていくのが簡単な方法だと考えています。
企業の本質を見て投資をしていけば、どんな状況でも不安になることはありません。
今回は「米国経済に不安あり!私が高収益体質の企業に淡々と投資する理由」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
私はDGRW(クオリティ株)の定期買付を実施しています
米国株の長期投資戦略として海外ETFの積立を実施しています。
現在のメイン対象は【DGRW】米国株クオリティ配当成長ファンド。
配当を実施している米国の大型株約300社で構成されるETFです。
ROA・ROEの収益性等の指標から、利益(配当)成長が期待できる銘柄を投資対象としています。
「長期的には利益成長と株価は連動する」という私の方針と合致したことが決定理由です。
先行きが不透明な時にはピッタリなETFだと考えています。
長期運用に向いている設計ですので、10年単位の定期積立で大きなリターンを目指していこうと思います。
尚、私はマネックス証券を米国株のメインにしています。
米国株の為替手数料(買付時)無料と時間外取引に対応してる点が魅力。