投資の世界では「このやり方が良い!」みたいな話は多いのですが、その通りにやっても予想通りにいかない事もありますね。
そういった時は、いったん頭の中にある常識を取り払って、現実のデータを見ていく事が大切だと思います。
投資で成功する人は、シッカリ考えるけど柔軟性がある人が目立ちます。
最恐投資家のバフェットが良い例かな?彼は永久保有のイメージが強いですが、間違いはあっさり認めて方向転換(売却)を決断しますね。
2018年も半分が経過したので、人気が高い海外ETFについて現状を確認したところ、いくつか発見がありましたので、読者の皆様とも情報を共有しておきたいと思います。
この記事の目次
人気の海外ETFを買うのは正しい選択なのか?
ETFは数十~数千銘柄を一つにパッケージした商品ですので、細かい銘柄分析が不要な点が魅力です。
商品知識や情報力に不安がある人でも取組みやすい事から、米国株の初心者には注目の商品だと思います。
それでは、個人投資家で保有している人が多い人気ETFを確認してみましょう。
以下は、マネックス証券の保有口座数で海外ETFの上位6社です。
基準日:2018年6月30日
1位、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) 世界分散の人気銘柄 世界時価総額のの98%をカバーする怪物ETF |
2位、バンガード トータル・ストック・マーケットETF(VTI) これ一本で米国市場全部に投資が可能。ロボアドでも採用が多い |
3位、iシェアーズ 優先株式 & インカム証券(PFF)(PFF) 米国の優先株式で構成!配当5%超えで価格の安定感が魅力 |
4位、バンガード 米国高配当株式 ETF(VYM) 米国の高配当銘柄が1つパッケージ!長期投資家から人気が高い |
5位、バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO) 新興国への分散投資が驚きの低コストで実現 |
6位、バンガード・S&P500ETF(VOO) 米国優良大型500社に投資ができる定番ETF、バフェットも推薦 |
保有口座数からみると1位のVTがダントツですね。
堅い投資を好む人が多い事もあり、銘柄の分散が大きいETFや高配当を揃えたETFなどが人気化する傾向があります。
では、実際にこういった銘柄が、期待通りに結果になっているでしょうか?
この点について検証していきます。
常識に待った① 銘柄を分散させることでリスクを低くできる
「銘柄を分散してリスクを小さくしましょう」
資産運用では当たり前の言葉ですね!このことは紛れもない事実です。
ただし、注意して欲しいのは「銘柄数が多ければその効果が大きい」という話ではありません。
以下はVT、VTI、VOOの過去5年の年率リターンと標準偏差の比較。
※一般的に標準偏差の数値が小さいほど値動きが安定していると推察されます。
※基準日:2018年5月31日
商品 | 銘柄数 | リターン | 標準偏差 |
VT:全世界株式 | 約8000 | 9.40% | 10.13 |
VTI:全米国株式 | 約3500 | 12.83% | 10.00 |
VOO:米大型株500社 | 約500 | 12.94% | 9.87 |
リターンは勿論ですが、値動きの安定感でも銘柄数がもっとも少ないバンガード・S&P500ETF(VOO)が1位という結果になりました。
ちなみに、運用の効率性をみるシャープレシオもVOOがトップ。
分散効果という言葉が独り歩きしていき、“銘柄数が多いほど良い”みたいな意味に変わってしまったような気がします。
今回のデータからは、そういった事実は見つけることが出来ませんでした。
どの銘柄を選択するかは個人の自由ですが、私は世間的な常識と実際のデータで違う結果になった時は、データを優先するのでS&P500(VOO)ですね。
常識に待った② 高配当銘柄は下落に強い
「下落しても配当利回りが上昇するので株価の下支えになる」
これも一般的に良く言われますね。私自身もイメージとして同じ印象を持っていました。
2018年の前半は株価が軟調でしたので、これを確認するのにピッタリですね。
バンガード 米国高配当株式 ETF(VYM)とiシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV)、S&P500(VOO)の年初来騰落率を確認してみましょう。
基準:2018年6月30日
商品 | 銘柄数 | 年初来リターン |
バンガード 米国高配当株式 ETF(VYM) | 約380 | ▲1.56% |
iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV) | 約80 | ▲3.92% |
バンガード・S&P500ETF(VOO) | 約500 | 2.65% |
高配当株が好きな私としてはコメントしづらいですが、直近データでは配当の下支え効果というのは期待薄です。
また、表には書きませんでしたがVYMの5年間の年率リターンが11.4%であるのに対して、HDVは8.81%と大きな差があります。
つまり、高配当でも銘柄によって成績に大きな違いがあるということになります。
「高配当だから・・」という区分けは、ちょっと時代に合わなくなってきたかもしれませんね?
ちなみに個人的には、「大きく下落している高配当株は、不景気になれば見直される」みたいな考えは怖さを感じます。
S&P500より多少パフォーマンスが悪くても問題ありませんが、10%も負けている銘柄は別の問題を抱えている可能性があるからです。
単純に配当が目的で長期運用を行うならば、iシェアーズ 優先株式 & インカム証券(PFF)も選択肢になります。投資は負けないことが重要です。
PFFについては、6月末に100万円分ほど追加購入しました。
詳細:目指せ配当生活!利回り5%のiシェアーズ 優先株式ETF(PFF)に注目せよ
常識に待った③ 新興国株は長期保有すれば良い
新興国株については成長を期待して、長期目線で購入している人が多いですね。
低コストで投資できるバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)は人気上位の常連です。
私も以前は新興国に継続投資をしていたのですが、現在は中止しています。
各国の成長率と株価が連動する雰囲気が見えないのが撤退した理由。
以下はVWOの年初来と過去5年の年率リターンになります。
基準:2018年6月30日
商品 | 銘柄数 | 年初リターン | 5年リターン |
VWO:新興国株式 | 約4700 | ▲7.32% | 4.34% |
かなり厳しい成績ですね。
リターン以外を見ても、値動きの大きさを示す標準偏差、投資効率性のシャープレシオなど悪い数字のオンパレードとなっています。
成長率が高いのに株価が連動しない理由としては、やはり債務国と経常赤字国が多いのが大きな要因だと思います。
つまり、市場で少しでも不安があると投資家が怖くなってお金が引き上げてしまうのです。
過去に何度も同様の事を繰り返しており、株価が上昇しては急落という感じで投資をしていても資産が増えません。
今後についても米国の利上げが続く状態だと厳しいかな?
リスクをとって新興国に投資をする理由がなくなるので、上値が重い状態が長く続く事も想定していた方がよいでしょう。
ちなみに、新興国全体のファンドやETFは購入予定はありませんが、インドだけ例外的に投資をしています(金額は小さいです)
マネックス証券で実質手数料が無料のウィズダムツリーインド株収益ファンド(EPI)をチョコチョコ購入している感じですね。
米国株の証券会社は機能で選ばないと損をする?
今回は「投資の常識に待った!海外ETFのデータから3つのウソを暴く?」について書きました。
ちなみに、私が大きく投資しているのは定番のS&P500に加えて、値上がり期待のバンガード 米国情報技術セクターETF(VGT)と配当期待でiシェアーズ 米国優先株式ETF(PFF)です。
今のところ期待通りに推移しているので、今期もそれなりの利益は出せると考えています。
記事の中で、投資のヒントになる点があれば参考にしてみてください。
補足ですが、証券会社を選択する時に手数料ばかりに気を取られている人がいるのですが、これは基本的にデイトレダ―の発想です。
米国株は中長期投資ですので、情報と取引条件の方が遥かにリターンに対する影響が大きくなります。
手数料については、せいぜい数百~数千円の差しかありません。しかし、取引条件の良し悪しで利益が数万~数百万の差になる可能性がある点はシッカリ認識して欲しいと思います。
ちなみに、私は購入した銘柄には逆指値を設定することを徹底!
(米国株をマネックス証券でしか取引しない理由の一つ)
⇒ 米国株は簡単!「売却タイミング」の悩みを1秒で解決する方法
米国株はマネックス証券!チャンス拡大の独自サービスが魅力
私は米国株・海外ETFの取引では、マネックス証券をメインにしています。
その理由は、大きなリターンを得る為の条件が揃っているからです。
この証券は 米国株で時間外取引ができる貴重な証券会社 。
時間外で【安く買えたり、高く売れたり】するケースがあるので、一般の証券よりもチャンスが拡大が期待できます。
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