2023年は株式市場が堅調に推移しています。
債券も利回り上昇で注目が集まっていますね。
市場全体が盛り上がってきたのですが、完全に蚊帳の外に追いやられてしまったのがJ-REITです。
投資家から集めた資金で不動産を購入!
その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。
昨年は株式・債券が落ち込む中で踏ん張りを見せていたのですが、今年に入ってからは元気がありません。
代表資産の中では、完全に1人負け・・。
投資ニュースにも、ほとんど取り上げられない状態です。
この理由としては、J-REITの市場環境がとても悪い点にあります。
簡単に言えば、しばらくは上昇しそうにない!
こういった事は過去に何度もありました。
ただし、低迷期間が続いた後に利回りの魅力で見直し買いが入るのがいつものパターンです。
勿論、過去がそうであるからといって今回も同じとは限りません。
今回は低迷しているJ-REITを強気に攻める理由について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
「J-REITより日本株の方が儲かるよね」、これは勘違いです
「J-REITよりも日本株(TOPIX)に投資した方がリターンが良い」
こんな話を頻繁に耳にします。
実際に東証REIT指数とTOPIXのチャートをもとに、20年前に100万円を投資したら現在はどれくらいになるか計算してみましょう。
基準:2023年3月末
★20年前にTOPIXを100万円買ったらいくらになるの?
答え 約255万円
★20年前に東証REIT指数を100万円買ったらいくらになるの?
答え 約180万円
これを見たら、「日本株(TOPIX)に投資した方が儲かるよ」という意見も納得ですね。
しかし、この数字には大きな見落としがあります。
一般的に表示される指数は配当金は除外されています。
配当金が大きいREIT指数は、実態よりも悪く見えるということですね。
では、TOPIXと東証REIT指数について配当込みで20年を比較してみましょう。
印象がガラリと変わると思います。
基準:2023年3月末
★20年前にTOPIX(配当込み)を100万円買ったらいくらになるの?
答え 約375万円
★20年前に東証REIT指数(配当込み)を100万円買ったらいくらになるの?
答え 約420万円
基準日からの過去20年【配当込み】での比較ならば、TOPIXよりも東証REIT指数の方が上回っているのが実態です。
基準日の2023年3月末の東証REIT指数は1785ポイント。
Jリートに有利な時期でもありません。
もちろん期間によっては、TOPIXの方が好成績の時期もあります。
配当に対する税金は考慮していないので実態比較ともズレがあります。
それでも、東証REIT指数が日本株に大きく劣るという認識は間違いということは充分に理解できたと思います。
長期投資に話題性は不要!魅力的な水準の時にシッカリと仕込む
「2023年 J-REIT投資の期待は?」と聞かれたら、私は「期待できません」と答えます。
価格が下落基調な事に加えて、悪材料が多い・・
特に円金利の上昇警戒が強いので、上値が重いですね。
この状況は1年程度は続くと予想されるので、短期の投資対象としては魅力に欠けます。
無関心な投資家が多いのも当然です。
ただし、私は長期保有を想定しているので、今年は押し目買いの好機と考えています。
23年は株式が上昇しているのに、J-REITは下落・・
この状況は不安になりますね。
しかし、その前の年は反対にREITは堅調、株式が軟調した。
単純に値動きのタイミングが違うだけです。
米国経済の減速という部分に関心が集まってくると、投資家の関心が株式から他の資産に移る可能性があります。
賃料の安定基盤があるJリートは、その受け皿候補の一つです。
再び注目が集まる事は充分に考えられますね。
J-REITのネガティブ材料としては、最大カテゴリーのオフィスビルの供給過剰。
ビル空室率が高まれば、もう一段の価格下落も考えられます。
さらに、日銀の金融政策のへの警戒が上値の重しになっています。
それ以外では、外国人投資家の動きに巻き込まれる形でJ-REITが下がる可能性も考えなくてはいけません。
J-REITには複数のマイナス材料が点在!
でも、私の買っていく方針に変更はありません。
J-REITは契約賃料がメイン収益なので、ある程度の業績が読めています。
物流施設リートでは、賃料増額のケースもありますね。
ネガティブ要素が複数あるので、警戒心が過剰となっている印象。
時間経過でいずれ見直し買いが入ってくるというのが私が描くシナリオです。
数年後には「あの時が仕込みタイミングだった・・」となる気がしています。
為替の影響が小さい!分散投資としてのJ-REITにも注目。
為替変動の影響と言うと、外国株を考える人が多いと思います。
しかし、実際には日本株はドル円の動きと相関性が高いので影響があります。
簡単にいうと円安なら上昇、円高なら下落です。
TOPIXや日経平均といった指数への投資が増えたことで、内需株であっても為替変動に巻き込まれることも増えてきました。
それに対して、J-REITは為替の変動に対して価格変動の影響が小さい資産。
日本株と動くタイミングが違う理由の一つでもあります。
今後、米国が利下げに踏み切れば円高も想定されます。
為替の影響が小さいJ-REITの存在は注目。
米国債の金利低下も追い風になるので上昇期待も高まりますね。
そもそもですが、株式市場は米国株の影響が強いので日本株・世界株に分散しても同じような動きになってしまいます。
分散効果という点では、不動産のJ-REITを組込むのは面白いと思います。
多くの人が株式の上昇に注目している時こそ、関心度が低いJ-REITを仕込むチャンスだと私は考えています。
ただし、低迷期間が1年くらい続く可能性もあるので我慢の期間は必要。
価格の底値時期や反転するタイミングは分かりませんので、時間分散で買っていくのが無難です。
短期間で答えが出る投資ではありませんが、ここでの仕込みは数年後に大きな花を咲かせると想像しています。
今回は「2023年はJ-REITを買う!価格下落でも強気に攻める理由」について書きました。
記事の中で参考になる点があれば運用のヒントにしてみてください。
SMBC日興証券:J-REITでドルコスト平均法ができます。
現在のJ-REITは長期的には魅力的な水準なので、コツコツ投資をしていくのは面白いと思います。
そこで、活用したい面白いサービスがあるのがSMBC日興証券です。
J-REITの個別銘柄の最低買付は、5万円~80万円と幅があります。
少額投資ができないことを理由に投信やETFを選択している人もいると思います。
そんな中にあって、例外的に個別銘柄が100円から買付できるのがSMBC日興証券。
この証券会社はキンカブというサービスを実施していて、金額単位でJ-REITの個別銘柄を買付できます。
例えば、大和ハウスリート(8984)ですが、こちらに投資するには普通の証券会社では最低でも約30万円の金額が必要です。
しかし、SMBC日興証券なら金額指定で買えるので、100円分や1000円分といった買い方ができます。
買付手数料(スプレッド)は100万円までゼロ(無料)です。
しかも、積立設定も可能という優れものです。
私はこのサービスを利用して、J-REITを買い集めました。
メジャー証券の中でJ-REITがドルコスト平均法ができる貴重な会社です。
J-REIT投資を行う上では非常に魅力的だと思います。
また、債券投資にも強いので社債購入などに興味がある人も注目です。