2020年は新型コロナウイルスという大きな出来事がありました。
経済活動が低迷した影響で、会社の業績が悪化するケースが目立ちます。
今回の出来事で「将来のお金に対して不安」と感じる人が7割を超えたというアンケート結果もあります。
情報元:株式会社エイチームフィナジー
一方で株式市場は大量のマネーが流れ込み大幅上昇となりました。
NYダウは史上最高値を更新、日経平均株価はバブル後の最高値を連発しています。
ただし、全ての投資が報われているかと言えば、そうではありません。
株式市場にはマネーが流れ込んできていますが、J-REIT(不動産投資信託)は1年前から2割以上も低い水準で推移しています。
低迷が続くJ-REITですが、回復は期待できるのでしょうか?
今回はJ-REITに対する現状と戦略について書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
この記事の目次
2021年のJ-REITは10%以上の上昇?出遅れの回復期待
J-REITは物件の賃料収入や売買益を投資家に分配する商品。
一般的に株式よりも配当(分配金)利回りが高いのが魅力です。
つまり、値上がり益よりも安定した分配金を主軸に考えるべき投資ですね。
理由 J-REITの分配金は魅力的!株式より有利と言われる理由現在は投資家の関心が値上がり益に向いており、J-REITは無視された状態にあります。
日経平均株価と東証REIT指数(J-REIT)の株価動向について、2019年11月末~2020年11月末の過去1年間を比較しましたので確認してみてください。
※マネックス証券のチャートを利用してkaoruが編集
日本株と比べてJ-REITの出遅れが目立ちますね。
急落時からは若干戻しましたが、そのまま低迷している状態です。
J-REIT全体の動きを示す東証REIT指数は、コロナショック前は2200ポイントまで上昇していました。
それが2020年11月末は約1700ポイントとなっています。
ただし、各REITの決算をみると、業績は価格ほど落ち込んではいません。
賃料収入の減額や空室率の上昇といった材料に対して、投資家が過剰に反応している状態ですね。
しばらく低迷が続くかもしれませんが、株式の上昇する勢いが弱まってくれば再びJ-REITの高い利回りに関心が向くと考えています。
勿論、更に下落するシナリオもありますが、コロナショックの時は高い利回りに対して買いが入ったので下値は堅いと予想。
1年後に対しては、10%程度の上昇であれば容易だと考えています。
ただし、REITの本筋は価格上昇よりもインカム(分配金)です。
値上がり益に固執する必要はありません。
平均利回りが4%を超えている状況ですので、素直に“買い”でいいと思います。
私が実践する【短時間・簡単】な方法は、以下の記事で紹介しています。
興味がある人は確認してみてください。
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現在の私が保有するJ-REITと今後の戦略
私はJ-REITに対して安定的な分配金収入を期待しているので、賃料収入が景気変動の影響が小さい「住宅」「物流」タイプを中心に買付してます。
複合型(総合型)も買付していますが、この場合も「住宅」「物流」を組込でんいる銘柄を優先的に選ぶようにしています。
現在、保有している銘柄は以下の通りです。
★J-REIT保有銘柄:2023年1月1日
銘柄 | タイプ |
サムティ・レジデンシャル投資法人(3459) | 住居特化型 |
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト(3278) | 総合型(住居75%+ヘルスケア) |
大和証券リビングリビング投資法人(8986) | 複合型(住居70%+ヘルスケア) |
日本ロジスティクスファンド(8967) | 物流特化型 |
GLP投資法人(3281) | 物流特化型 |
ラサールロジポート投資法人(3466) | 物流特化型 |
三菱地所物流リート投資法人(3481) | 物流特化型 |
CREロジスティクスファンド(3487) | 物流特化型 |
アドバンス・ロジスティクス投資法人(3493) | 物流特化型 |
SOSiLA物流リート投資法人(2979) | 物流特化型 |
産業ファンド投資法人(3249) | 複合型(物流50% + インフラ施設) |
大和ハウスリート投資法人(8984) | 総合型(物流50%、住居30%) |
野村不動産マスターファンド(3462) | 総合型(物流+住居 =40%弱) |
グローバル・ワン不動産投資法人(8958) | オフィス特化型 |
これらは大半がコロナショック後に買付をした銘柄。
ただし、急落直後の最安値で買付したわけではありません。
最初はウイルスの短期終息を期待して、ホテル特化型に投資をしていました。
この予想は完全にハズレてしまったので、ホテル系REITを全て売却して現在の銘柄に入れ替えたという経緯があります。
銘柄によって保有数に差はありますが、投資額は500万円以上。
当初は2020年で仕込み買い終了とする計画でしたが、東証REIT指数の低い水準が継続しているので2021年も引き続き買付していくことにしました。
オフィスビルは仕込みチャンス?タイプ別の投資戦略
ここからは、2021年の投資戦略について書いていきます。
物件タイプごとに、特徴と方針を表にまとめました。
物件タイプ | 特徴(景気による家賃への影響) | 投資方針 |
オフィス | 景気の影響あり 空室率5%以上は注意 | 仕込み〇 |
住居 | 景気の変動は小さい 人口動態を注視 | 長期投資〇 |
商業施設 | 景気の影響あり 通販の拡大が懸念 | 長期は不透明△ |
物流 | 景気の変動は小さい 長期固定の契約が多い | タイミング△ |
ホテル | 景気の影響あり 海外の観光客数に注目 | 除外× |
ここからは、物件タイプごとに投資戦略を書いていきます。
※個人的な投資についての記事で推奨ではありません。
※投資判断はご自身で行ってください。
●オフィスタイプ
コロナショックで大きく下落しており分配金利回りが高い。
分配金の低下リスクはありますが、投資口価格は反発期待あり。
投資については中小企業の多い中型ビルは退出・賃料減額リスクが大きいので、大型ビルを所有する銘柄の方が良いと考えています。
空室率の上昇は2021年が底だと考えており株価は低迷する可能性あり。
買付時期と割り切れば、中長期でリターンが狙えそうです。
現在はオフィス系は1銘柄のみなので、今後は更に増やす方針。
尚、オフィスビルはREIT全体に対して4割と非常に高いので、東証REIT指数に連動するETFでも代用可能です。
関連 J-REITの投資 ~ETFの組合せで毎月分配金が貰える~●住居タイプ
分配金の安定性が高いので長期投資に向いています。
コロナの影響で東京からの人口流出が懸念されていますが、実際には微々たるもので業績への影響は小さいです。
仮に人口流出が続いても、コロナが収束すれば都心回帰になると思います。
(高齢になるほど、都会の方が便利です)
価格の低迷しているので、引き続き買い増しを予定しているタイプです。
●商業施設タイプ
コロナの影響が大きく見えますが、実際には賃料収入はそれほど落ちていません。
※高い利回りとなっています。
ただし、経済低迷が長引けば賃料が下がっていく可能性があり判断が難しい。
通販業界の急成長といった逆風もあるので、銘柄選択では保有物件の立地条件とテナントの魅力がポイントになります。
長期投資では不安もあるので、基本的には投資対象外です。
特化型タイプよりも総合型に組込まれている銘柄の方が無難ですね。
●物流タイプ
今後の成長期待が高く賃料収入も安定しており、長期対象として魅力的です。
ただし、投資家の買いが集中しておりコロナ前よりも価格が高くなっています。
増資が繰り返し行われており、その際に一時的に価格が大きく下がることが多いので、そのタイミングを狙って投資したい。
長期投資の条件としてはピッタリですが、価格が高騰していて利回りが低いのが難点です。
継続的に投資というよりも、下がったタイミングで買う銘柄ですね。
●ホテルタイプ
コロナショックが直撃で分配金が大幅減少となっています。
利回りを中心に考えるREITとしては、魅力が低めです。
また、固定賃料としていた契約をスポンサー企業からの賃料免除要請に応じる利益相反が鮮明な銘柄もあります。
長期的に割安という見方もありますが、GoToキャンペーンなどの期待だけで価格が動いている状態なので当面は投資対象から外す方針です。
値上がりを期待するなら、REITではなく株式投資を選択した方が成功確率が高いと思います。
2021年もJ-REITは500万円分を買付ける予定です
2020年はJ-REITに対して500万円分を投資しました。
現在のJ-REITは利回りが4%を超える水準で、3%台が常態化していた時期が長かったことを考えると依然として投資妙味があると考えています。
東証REIT指数も約1700ポイントですので、長期で見れば2000ポイント以上に上昇していくと想像しています。
現状としてはオフィス系の出遅れが目立っていますので、1年間は“仕込み買い”と割り切れば長期的には分配金とリターンの両方が期待できそうです。
割安度の指標が過去の平均を下回っているので一括投資も選択肢ですが、値動きが不安定な状況もあり再下落も考えられます。
※金融機関の3月決算期末の対策で、大きく売られる可能性もある。
オフィス賃料の減額や空室率のピークがいつになるかは不明なので、1年を通して小分けにして買付ける予定。
ザックリとした目安として、2年以内に東証REIT指数も2000ポイント、5年以内には2200ポイントへの復帰を予想しています。
今回は『J-REITの利回りに注目!2021年の投資とタイプ別の戦略』について書きました。
記事の中で参考になる点があれば、運用のヒントにしてみてください。
※J-REITの記事が好評なので、来年からは月に1回程度はアップしたいと考えています。
【補足】2021年のJ-REIT!個別銘柄は積立方式で買付ける
J-REITの個別銘柄のデメリットは、買付金額が大きいことに加えて投信のように積立ができない点です。
単価が高い銘柄だと60万円くらいの資金が必要になりますので、時間分散で購入するのには難しい商品ですね。
ただし、この状況は少しづつ変わってきています。
例えば私がメイン取引で行っているSMBC日興証券は、個別株(ETF)やJ-REITを金額買付できるサービス【キンカブ】があります。
(例:A株を300円だけ買う)
この証券ならば、J-REITの個別株も100円から買付できるので少額投資が可能。
しかも、毎月〇日に購入といった定期買付の設定もできるので、投資信託の積立と同じように時間分散ができます。
ちなみに、以下は私が日興証券のキンカブで積立設定をしているページの画像でです。
金ETFとJ-REITで3~4銘柄の積立を実践しています!
(1銘柄に対して月5回まで買付設定が可能)
この定期買付の設定は 100円から可能 ですので、気楽にチャレンジできます。
もちろんスポット買付も100円からできます。
(J-REITの個別株を100円~買える貴重な会社)
日興証券の口座を持っていて、このサービスを知らない人が案外多いです。
知らなかった人はぜひ活用してみてください。

老後対策として不動産投資の人気が高まっていますが、私は現物ではなく専門家に管理が丸投げできる“J-REIT”を選択しました。
【目指せ!J-REITでプチ大家】という感じで、コツコツ投資を継続していきます。